覚え書:「声 沖縄踏みにじった差別発言」、『朝日新聞』2016年10月21日(金)付。
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声
沖縄踏みにじった差別発言
無職 (京都府 73)
沖縄県の米軍ヘリパッド移設工事現場付近で、抗議活動をする住民に向け、機動隊員が「土人」「シナ人」などと差別的な発言を浴びせた。現場に緊張した空気もあったのだろうと察するが、発言には、沖縄の思いを踏みにじる意識が透けて見え、怒りを感じる。
江戸時代、薩摩藩に琉球は侵食され、第2次大戦中は沖縄戦で多大な犠牲を払い、本土から切り離されて長く米占領下に置かれるなど、屈辱的な体験が見に染みている沖縄の人々にとって、今回の発言は単に「不適切発言」としてのみ受け取られるものではないだろう。沖縄に多くの芸軍基地を押しつけ、沖縄の民意を深く受け止めることなく米軍施設の移設が強引に進められようとしている。
発言したのは大阪府警から派遣された隊員だが、松井一郎大阪府知事はツイッターび「大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」とねぎらいの言葉を書き込んだ。差別的な発言を発せられた沖縄への配慮はみじんも感じられない。私たち自身も、沖縄のみなさんに過大な負担を押しつけている現状をいま一度、しっかり見つめ直すべきだろう。
−−「声 沖縄踏みにじった差別発言」、『朝日新聞』2016年10月21日(金)付。
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