覚え書:「子どもの本棚 「男の子のふり」リアルな描写 [文]さくまゆみこ(翻訳家)」、『朝日新聞』2017年01月28日(月)付。

Resize5351a


        • -

子どもの本棚
「男の子のふり」リアルな描写
[文]さくまゆみこ(翻訳家)  [掲載]2017年01月28日

■「ジョージと秘密のメリッサ」

 4年生のジョージは、体は男の子でも自分は女の子(メリッサ)なのだと感じている。しかし、学校でも家でもそのことは秘密にしている。学年で「シャーロットのおくりもの」の劇を上演することになっても、ジョージがやりたいシャーロットの役は、女子の役という理由でやらせてもらえない。でも、やがて親友のケリーがあるがままのジョージを受け入れて、午後の部の役をひそかに代わってくれたり、女の子同士の楽しい時間を設けたりしてくれる。家族も徐々にジョージを理解するようになる。自らもトランスジェンダーである作家が書いただけに、「男の子のふりをするのは、ほんとうに苦しいんだ」というジョージの叫びも心理描写もリアルだ。
 ★アレックス・ジーノ作、島村浩子訳、偕成社、税抜き1400円、小学校中学年から
    −−「子どもの本棚 「男の子のふり」リアルな描写 [文]さくまゆみこ(翻訳家)」、『朝日新聞』2017年01月28日(月)付。

        • -




http://book.asahi.com/reviews/column/2017013000001.html



Resize4431


ジョージと秘密のメリッサ
アレックス・ジー
偕成社
売り上げランキング: 127,016