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Essais d’herméneutique このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2018-10-04

日記:Harry D. Harootunian,Overcome by Modernity: History, Culture, and Community in Interwar Japan, Princeton University Press, 2000.

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Harry D. Harootunian,Overcome by Modernity: History, Culture, and Community in Interwar Japan, Princeton University Press, 2000 読了。訳書ハリー ハルトゥーニアン(梅森直之訳)『近代による超克』(岩波書店、2007年)が高くて原著で買い求めた一書(ごめんなさい、岩波書店さん)。戦間期の日本思想史を「文化生活」という角度から読み直した傑作。これ今読むべき本よね。

なぜならば、文化とは耕していくべき営為だから前進でも後退でもない。本来、文化とは、単純な過去志向とも安易な未来神話とも異なるもののはずである。しかし、異なるものとの対峙(驚愕)がいかにして、克服すべき価値観へと収斂していくのか−−。その足跡が明らかにされる好著である。

ローカルルールを克服すべき知的模索であった西洋近代と対峙・参照しながらも、そしてその十分な咀嚼が、なぜ前近代への回帰肯定をもたらしたのか。座談「近代の超克」は私自身の学問的課題であるので、普遍と個別のジレンマをクリアカットに屠りだす本書との出会いは有益以上の出会いである。

そもそも論からいえば、overcomeすることで、自身の安心立命を図ろうとすること自体がアウトという話である。現在の安易な「日本スゴイ」論の危うさもここにあるのであろう。ただ近代超克論に参加したカトリック神学者・吉満義彦への言及が少なく、これは僕の課題ですかね。「吉満義彦」は論文で1本買いて、その続編に未着手。そんで、それが割と評価されているのだけど、ハリー ハルトゥーニアンの「未完」を引き継ぐわけではないけど、そろそろ「本気」ださないとね。




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