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2019-01-10

覚え書:「大学生の読書離れ、止められる? 学内に気軽に読めるスペース」、『朝日新聞』2018年03月19日(月)付。

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大学生の読書離れ、止められる? 学内に気軽に読めるスペース

2018年3月19日

写真・図版

大学生の読書を後押しするための空間「みちのきち」=東京都渋谷区国学院

写真・図版

 大学生の読書離れに歯止めがかからない。国公私立大の約1万人を対象にした昨秋の調査では、1日の読書時間が「ゼロ」の学生が過半数を占めた。大学生に本に関心を持ってもらうには、どうすればいいのか。図書館にちょっとした仕掛けを作った大学もある。

 「頭に気をつけて下さい」

 腰をかがめて中に入ると、天井からぶら下がるように設置された本棚で四方を囲まれた。床から140センチほどの高さまでが開口部で、そこから自由に出入りができる。中央の柱を囲むベンチやクッションは緑色で統一され、落ち着いた空間になっている。

 昨年4月、国学院大(東京都渋谷区)が図書館がある建物内に設けた「みちのきち」は、ずっと座っていたくなるような居心地のいいスペースだ。四方の本棚には、学生に希望を尋ねて購入した本や写真集など約800冊が並べられている。ベンチに座ると、本棚が目隠しになり、外を歩く人とも視線が合わない。

 文学部日本文学科4年の永井伶奈さん(21)が、「世界のホットドリンクレシピ」という本を読んでいた。「最近料理を始めて、レシピ本を手に取ることが増えた」という。以前は、空いた時間にはスマホをいじるだけのことも多かった。「落ち着ける空間ができて過ごしやすくなった。ここで友達と待ち合わせたり、授業の空き時間に来たりしています」

 「みちのきち」は、学生に本を気軽に読んでもらうためにつくられた。「未知のことを既知に変える基地」という意味を込めている。「本でできた大学」を称する同大だが、2016年度に学生が1年間に読む本の冊数を調査したところ、平均7冊にとどまっていた。そこで、同年度から、「『みちのきち』プロジェクト」を開始。学生の読書離れに歯止めをかけようと、17年度の目標に「年間20冊」、21年度は「年間50冊」を掲げた。

 だが、昨年11月の学生への調査では、「最近1年間に読んだ本の冊数」は「1〜10冊」が4割を占め、目標達成にはほど遠い。

 図書館長を務める石井研士副学長は、「読書に力を入れる小学校も増えてきているが、受験勉強で読書をする習慣が途絶え、大学生になっても、その習慣が戻っていない」と指摘。「本を読むと、一つのまとまった世界を体験できるという良さがある。学生時代に、1冊の本から世界が広がる経験をしてほしい」と期待する。「みちのきち」の近くに、本を身近に感じられる空間を作る計画もあるという。

 ■読書とスマホ時間、関係薄い? 全国の大学生1万人、回答

 全国大学生活協同組合連合会が17年10〜11月、大学生協を通じて、全国の国公私立30大学の学部学生約1万人から得た回答によると、1日の読書時間が「0」の割合は53・1%で、前年より4・0ポイント増加していた。調査を始めた04年以降、5割を超えたのは初めてだ。1カ月の「書籍費」は自宅生が1340円、下宿生が1510円で、どちらも1970年以降、最も低かった。

 読書時間が減った一方、1日のスマートフォンスマホ)利用時間は、前年から15・8分増え、177・3分(男子174・4分、女子180・8分)になった。

 スマホ時間が長いほど、読書をしない傾向にあるのだろうか。同志社大学学習支援・教育開発センターの浜島幸司准教授が調査を分析したところ、「読書時間の減少にスマホの直接的な強い効果はみられない」という結果が出た。

 むしろ、読書時間の短さには、文系よりも理系、医歯薬系といった属性が関係していた。読書時間「ゼロ」が増えた背景には、入学前に読書習慣がない学生が多いことに加え、入学後も読まない学生が増えていることがあり、浜島准教授は「読書習慣を身につけさせる施策(実践)が必要だ」と指摘する。

 在学中に読書習慣を養ってもらおうと、大学生協は全国約170店舗で「読書マラソン」を開始。約3万人の学生がエントリーし、自分の読んだ本の感想をPOP(本の紹介文)に書いて店頭に掲示するなど、読書を通じた学生同士の交流を広げているという。

 今回の学生生活実態調査では初めて、「現在関心を持っている政治に関するテーマ」も尋ねている。政治の動向への関心が「ある」と答えた約6200人でみると、関心があるテーマの1位は「外交安全保障」(54・1%)。「ない」と答えた約3700人では、「雇用労働環境」(38・0%)が最多だった。

 (杉原里美)

    −−「大学生の読書離れ、止められる? 学内に気軽に読めるスペース」、『朝日新聞2018年03月19日(月)付。

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大学生の読書離れ、止められる? 学内に気軽に読めるスペース:朝日新聞デジタル


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