Warm Bodies ウォーム・ボディーズ鑑賞

ニコラス・ホールトが繊細で人とのつながりを求めているゾンビを演じた、ゾンビ・ラブコメ映画。
怪物なのにイケメンで、人間の美少女と恋に落ちるという、ちょっとトワイライトな柳の下のアレかなと思いつつも、いくらなんでもゾンビじゃ話を成立させるのが無理じゃろうと思っていたのですが、なかなかどうして面白くて切なくてとても可愛いお話でした。

7月上旬にヨーロッパに行った際に、たまたま機内で上映していました。あまり期待せずに見たのに面白かった上に、日本公開されるのを知らなかったので、空港で帰りに1500円くらいでDVDが売ってたのを思わずひっつかんで買ってしまいましたよ。

怖さを求めるタイプのゾンビ好きの方が見ると、腐敗具合とか流血具合とか肉塊具合は物足りないし、ゾンビが全速力で走ってるシーンなんかがあるので「おい、ちょっと待て」と言いたくなるかもしれません。でも、ゾンビ映画に漂う「世界が失われてしまった」あのやりきれない悲しい雰囲気が好きな方なら楽しめます。

乱暴に言ってしまえば、一見美男美女の純愛なのに、男の子がゾンビ、という設定だけで押し切ったコメディですが、トワイライトシリーズに絶対的に不足している*1ユーモアをがっつり加えているので、トワイライトが好きな人も、トワイライトと聞くとすーっと逃げていってしまう人も、両方楽しめる内容。

悲惨な世界で変わり果てた姿で生き(死に?)続ける主人公のゾンビ青年R(あ〜る)君のどうにもならないものはどうにもならないという諦観したドライなユーモアをベースにしながらも、人と人とのつながりへの憧れを失わない、どこかほのぼのとした語り口が、実にいい塩梅で笑わせてくれます。

Rが一目惚れするさんご・・・じゃなかった、ブロンド美少女ジュリーちゃん(テリー・サ・パーマー)が、終末世界に適応したショットガンぶっ放し系の爽快さと、めんどくさくない程度に適度な乙女心を兼ね備えているので、前半こそ「ええと、それは恋愛ではなくストックホルム症候群なのでは?」と思いましたが、微笑ましくてとても応援したくなるラブストーリーになっています。

ジュリーの親友ノラを演じる元フィギュアスケーターのアナリー・ティプトンの人柄の良さが透けて見えてくる初々しい演技も可愛いですが、なんといってもこの映画の一番の見どころは、Rの親友ゾンビである鳥坂センパイ・・・じゃなかったM(むむむ)さんを演じている、元Daily Showレポーターで、Children's Hospitalのロブ・コードリー。

ええと、そうですね、普段の自作シットコムの時のピエロメイクが怖すぎるため、ゾンビメイクの方がマトモな人に見える地球上唯一の男だと思います。

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ジュリーの父親役のジョン・マルコビッチだけでも濃くておなかいっぱいなのに、ロブのおかげで役を演じてる時より素の方がオカシイかもしれないき○がい俳優×2です。

実は一番おいしいセリフはほぼ全部ロブがもらってしまっているような気が。ニコラス目当てで見たのにすっかりハゲで腹の出たキ○ガイのおじさんに夢中ですよ。どうしてくれるんでしょう。

DVDのおまけ映像は、キャリア長いのに意外とゲラなニコラス君が可愛いNG集や、「ダニエル・デイ=ルイスを参考に普段からゾンビで居続けた」とサービス精神旺盛で楽しいので、買って損ないです。

と、つらつらと書いておいてなんですが、ニックはあなたが想像している以上にゴスなかわいこちゃんに仕上がっています。心配いりません。なので、出来る限り前情報を入れずに、公式サイトのトレーラーも見ないで(一番面白いところが網羅されちゃってて、かなりのスポイラーなので)、前知識入れずに見に行った方が楽しめます。

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映画では残念ながらモノローグの全部は生かせなかったので、あ〜る君の淡々としながらおかしみのある語り口を堪能したい方は原作をどうぞ。

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*1:とおもわれる。すみません、トワイライト見てません・・・