リトルドリット

ディケンズぽさ全部入りでおなか一杯の作品。一度見始めるとやめられない、止まらないので、週末の始めのたっぷり時間のある時以外は、再生すると危険です。目まぐるしい展開、多すぎて覚えられない登場人物、社会のどん底と頂点のに属する人たちの人生が交錯し、善良で薄幸な若い女性が最後に幸せになり、悪人は成敗されるメロドラマ。色とりどりの装束と陽光まぶしいイタリアの風景だけで終わらず、どうしても「階段のきしむ暗い洋館に忍び寄る不気味な影」といった、当時流行のゴシック的怪奇趣味が顔をのぞかせる。

私は日曜の夜にうっかり見始めてしまい、止まらなくなりましたが、なけなしの自制心を働かせて1枚目までで停止(それでも夜中の2時くらい)。月曜に帰宅後すぐに2枚目を再生して見終わりました。以前ケーブルテレビでなぜか4話くらいから見始めて1-3話に戻り、その後録画に失敗して物語の終わりを知らずに気になっていましたが、まさかこんなに浮沈の激しい展開になるとは思っていませんでした。DVD購入してよかった。

キャストも脚本も演出もすべてがすばらしいけれど、主人公リトル・ドリットがなぜか不幸な人を看病することに喜びを見出す共依存的な人格にも思えてしまって、本当は結構怖い物語なのでは?と思ってしまったり。BBCディケンズドラマは出来が良すぎて満足してしまうので原作をちゃんと読まないのですが、今回はちょっと読んでみようかと思いました。

てゆかはてなブログめっちゃ商品紹介しやすいですね。なぜ今までかたくなにダイアリーから引っ越さなかったのか自分でもよくわからなくなってまいりましたよ。

リトル・ドリット チャールズ・ディケンズ原作 HDマスター DVD

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はてなブログに移行しました。

Yahoo! ジオシティーズ終了のお知らせを受けて、20年位前に作ったページを探しにいったものの、タイトルもうろ覚えで見つけられずじまい。

同じサービス内で移行できるはてなは恵まれているのでは?とよく訓練された民らしく、ついに移行に踏ん切りをつけました。

リンクも自動で転送してくれるので何の不自由もなく。ここ数年何も書いていなかったけれど、これを機にまたポツポツ書いてみようかしらんと思ったり思わなかったりでございます。

経度への挑戦 Longitude

久しぶりにとても面白いテレビ映画を見たので、覚え書きです。
「ブライズヘッドふたたび」の チャールズ・スターリッジ監督・脚本
マイケル・ガンボンジェレミー・アイアンズがダブル主演の歴史・科学ドラマ。

経度を正しく測定するための正確な時計作りのルポとしても面白いし、
「いつも何かにうっとり恋している男」ことジェレミーさんが、ついに無機物である時計に恋する様子を克明に描く、ちょっと変わったラブストーリーとしても傑出した出来です。

イマジカBSにて下記のスケジュールで再放送するので、お見逃しなく
経度への挑戦 [前編] 05月26日(火) 19:00〜20:50
経度への挑戦 [後編] 06月02日(火) 19:00〜21:00

人類は緯度をヴァイキングの時代から分かっていましたが、なんと経度は18世紀になるまで正確に測定する事が出来ず、海難事故が絶えなかったそうです。
経度を正確に測定するためには、揺れる海の上でも正確に時間を測れる時計が必要でしたが、当時ロンドンでもっとも腕の良い時計職人でも、一日に何分も遅れるものしか作れない。それを田舎で大工をしながら独学で時計作りを身に着けた職人が成し遂げてしまう。
ところが最初のうちこそ時計作りの資金を援助してくれた中央の「経度委員会」も、いざ「田舎の大工」が正当な成果として賞金を請求すると、あらゆる難癖をつけて回避し、この駆け引きがなんと50年も続く・・・という、政治ドラマでもありました。

1995年にベストセラーになったアメリカのポピュラーサイエンスの本をもとに、グラナダが制作、チャンネル4で2000年に45分x4話で放映。続いてすぐにアメリカでも放映されたようです。当時はまだぎりぎりVHSが流通していたようで、アマゾンで探すとVHS 4本組のソフトへのレビューも見つかります。

ガンボン演じる頑固な時計職人ジョン・ハリスンのいる18世紀の海洋冒険譚と、ジェレ美さんの繊細な退役軍人が、20世紀にはすっかり忘れ去れていたハリスンの時計を苦心の末に修復していく物語が、秀逸なパラレリズムで語られていきます。

実は原作となったノンフィクションはジョン・ハリスン中心で、人生を投げ打って修復に打ち込んだ軍人については、軽く触れている程度なのだそうです。そのため客観的なエビデンスを求めてなかなかハリスンの功績を認めようとせず、帆船の上での実験を求め続ける「経度委員会」をやや悪者扱いしてしまっているようですが、ドラマ版では実用よりも時計という芸術に人生を捧げた鷹揚な現代人のジェレミー・アイアンズの視点を介しているせいか、もう少し客観的に見ることができます。

海軍ものなので、帆船が好きな方にもおすすめです。むしろホーンブロワ―とかの時代には経度も分からずに航行していたのかと今更ながらに知ってぞっとしました。そういえば皆でやたらと計算しているシーンが沢山ありました(計算が出来なくてなかなか士官に昇進できない乗組員のエピソードが初期にあったような)。あれはサム・ウェスト演じる「ルナティック」天文学者ご推薦の月距法を計算していたのでしょうか。

また、海軍もの=キャストが大勢なので、とにかくイギリスの名優そろい踏みの豪華俳優陣です。
カード遊びの合間にきまぐれにハリスンを助けてくれる、デカダントなサンドイッチ伯爵役のビル・ナイはもちろんのこと、何かとジョン・ハリスンに理解を示してくれる乗組員のキャンベル君を演じていたのがアンドリュー・スコットでびっくりしました。更に驚いたのは、後編になるとこのキャンベルを演じる俳優が突然変わってしまうこと。後に出世して艦長にまでなり、日焼けして男らしい俳優さんに替えられてしまっていました。後半で登場するこのキャプテン・キャンベルは「ハリスンと長年仲が良い」人だという設定なので、おそらく前半のキャンベル君と同一人物だと思います。マッチョで科学になかなか理解を示さない艦内では珍しく、ハリスンが成果を出す前から偏見なく優しくしてくれていた人であり、後年 出世してもハリスンのことが忘れられずに、苦労して探し出してくれた義理堅い人という設定なので、キャストを変えたら意味がないと思うのですが。えーと、若く見える人なので、子役扱い?(こら)

ともあれ、歴史ドラマとしても、あるオタクの趣味への殉教物語としても涙なくして見られない?!傑作なので、明日の再放送の際にはぜひご覧ください。おすすめです。

BBC ブラウン神父 S1e10「青い十字架」理性と神学は相反する??

昨日初めて参加した「文学フリマ」で買った探偵小説研究会発行の同人誌CRITICAに掲載のブラウン神父の評論がとても面白かったので、kindleでダウンロードして原文で「青い十字架」から読んでみましたが、1行も読んだ記憶がなく。おそらく大昔に翻訳で「ブラウン神父の童心」を読んだ時は、有名な「折れた剣」と「アポロンの眼」だけを拾い読みしていたようです。

ところで、原作を読み直した上で最近BBCでドラマ化したブラウン神父の「青い十字架」を見たら、驚愕の改変があることに気づきました。
CRITICA誌冒頭の川井賢二さんという方の評論で焦点になっていたブラウン神父の台詞があります。

「あなたは理性を攻撃したではありませんか。それはよこしまな神学でして(You attacked reason. That is bad theology.)」

これがドラマでは正反対の意味になっていたのです。

「あなたは神学を攻撃するために理性を擁護したではありませんか(You sponsored reason to attack theology.)」

「青い十字架」を担当した脚本家はPaul Matthew Thompsonという人で、メインライターではないのだけれど、これほどブラウン神父の本質を表した台詞を正反対にするのはどうかしているような・・・。フランボウのように聞きかじりの神学知識しかなくて「理性と神学は相反するものだ」と思い込み、正反対の意味に解釈してしまったのかもしれません。が、脚本家としては致命的に読解力のない人だということになります。でも意図的にやっているならちょっとおかしいですよね。

Paul Matthew Thompsonさんはフランボウ役を演じたJohn Lightが昔レギュラー出演していたHolby Cityで沢山書いていたようです。おそらくJohn Lightとなじみがあるせいなのか、ブラウン神父で3シリーズに渡ってフランボウが出てくる回を三回とも担当しています。BBC版でフランボウが大男ではなくきゃしゃな中二病のかまってちゃんになったのは、この人の脚色によるものなのかもしれません。

なにしろ原作は小話というかたとえ話みたいな短編ばかりで、ドラマ化するにあたり沢山の新キャラを作ったり、時代も変えてしまっているので、相当改変しているのは分かっていたけれど、主人公の特徴を表す台詞を変えるのは解せません。単に聖書の言葉だけを信じている世間知らずではなく、決して理性を否定しない人だからこそ正しく人を見抜けているのに。

とはいえ不思議なのは、ドラマ全体から受けるブラウン神父の描写は原作に反していなくて、信仰と理性を両立した真っ当なおじさんに見えることです。なので尚更「青い十字架」での台詞の改変が奇妙です。ちょうど良い機会なので他のエピソードもぼつぼつ原作読んで、ドラマを見直してみようかと思います。

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ジャック・ダヴェンポートABCの新ツインピークス"Sea of Fire"に主演?

3人の女子高生のポルノ映画出演を発端に、一見平和だった小さなコミュニティの秘密が暴かれていくツインピークス風推理ドラマだそうです。最近のアメリカドラマ界は北欧ドラマのリメイクが多いなあと思っていたら、今度はオランダのドラマ"Vuurzee"のリメイクだそうですが、その元はアメリカのドラマ。イギリスの連続推理ドラマBroadchurchの人気を横目に見ていて発想したのかなとも思ってしまいました。

我らがダベさんはなんと主役。小さな町の保安官という全く似合わなさそうな役ですが、SMASHのデレクと違ってアメリカ発音になるんですね。デクスターのジェニファー・カーペンター演じるFBI捜査官と事件に挑むようです。ダベさんの娘役にオーストラリア人のイザベル・コーニッシュ。画像検索したらこんなんばっか出てきて目のやり場に困る可愛い子ちゃんです。成績優秀な模範生だったのに、事件の捜査が進むにつれ、実はこの子にも裏の顔があった事が判明するようで、ローラ・パーマーを思い出しますね。

脚本・エグゼクティブプロデューサーは、スキャンダル、デスパレートな妻たちのジェナ・バンズ。

第86回アカデミー賞ノミネート

昨年のSilver Linings Playbook に続き、同じデヴィッド・O・ラッセル監督の「アメリカン・ハッスル」が俳優部門4つ全てにノミネートで合計10部門のトップ。12 Years a Slaveが9部門にノミネートで次点。ゼロ・グラヴィティ大健闘。ゴールデン・グローブはこの3つの作品が主要部門を仲良く分け合う形になりましたが、アカデミー賞ではどうなるでしょうか。
そしてそして、スティーヴ・クーガンがPhilomena(あなたを抱きしめる日まで)で脚色賞にノミネート。ヴェネチア映画祭に続く受賞となるでしょうか?

<作品賞>

  • 12 Years a Slave
  • American Hustle
  • Captain Phillips
  • Dallas Buyers Club
  • Gravity
  • Her
  • Nebraska
  • Philomena
  • The Wolf of Wall Street

<監督賞>

  • David O Russell, American Hustle
  • Alfonso Cuarón, Gravity
  • Alexander Payne, Nebraska
  • Steve McQueen, 12 Years a Slave
  • Martin Scorsese, The Wolf of Wall Street

<主演男優賞>

  • Christian Bale, American Hustle
  • Bruce Dern, Nebraska
  • Leonardo DiCaprio, The Wolf of Wall Street
  • Chiwetel Ejiofor, 12 Years a Slave
  • Matthew McConaughey, Dallas Buyers Club

ようやくキウェテル・イジョフォーさんじゃなくてチューイテル・エジオフォーさん(あ、あってますか?)であると学びました。過去の記事も直しておかなければー。

<主演女優賞>

  • Amy Adams, American Hustle
  • Cate Blanchett, Blue Jasmine
  • Sandra Bullock, Gravity
  • Judi Dench, Philomena
  • Meryl Streep, August: Osage County

デイム・デンチとメリル・ストリープが並んでるだけでお腹いっぱいなのに、ケイト・ブランシェットエイミー・アダムスサンドラ・ブロックです。デンチさん今回の出演作はとても良い作品のようなので、受賞してほしいです。が、この中で唯一既に見たグラヴィティのサンドラも思いの外にすばらしかったので、もうアミダで決めたい(いや決めるのはおいらではない)

助演男優賞

  • Barkhad Abdi, Captain Phillips
  • Bradley Cooper, American Hustle
  • Michael Fassbender, 12 Years a Slave
  • Jonah Hill, The Wolf of Wall Street
  • Jared Leto, Dallas Buyers Club

マシュー・マコノヒージャレッド・レトの鬼の役作りコンビが仲良くノミネート。The Wolf of Wall Streetはそんなに見るきなかったのですが、ジョナ・ヒルが出ているのなら見ます!

助演女優賞

  • Sally Hawkins, Blue Jasmine
  • Jennifer Lawrence, American Hustle
  • Lupita Nyong'o, 12 Years a Slave
  • Julia Roberts, August: Osage County
  • June Squibb, Nebraska

サブマリン」のお母さんこと、サリー・ホーキンスがノミネート!
残念ながらHerでのスカーレット・ジョハンソンの史上初「声の演技だけでアカデミー賞ノミネート」は成りませんでした。ゴールデン・グローブと同じで少しでも映像に写っていないとノミネート資格がないのでしょうか?

脚本賞

  • American Hustle
  • Blue Jasmine
  • Dallas Buyers Club
  • Her
  • Nebraska

先日のゴールデン・グローブではスパイク・ジョーンズのHerが受賞。たぶん100%妄想で出来た話だと思うんですが、すんごい気になります。妄想連想で、いつか宮藤官九郎にもアカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートしてほしいです。

<脚色賞>

  • Before Midnight
  • Captain Phillips
  • Philomena
  • 12 Years a Slave
  • The Wolf of Wall Street

スティーヴ・クーガンが脚色・助演をつとめた「あなたを抱きしめる日まで」でノミネート。クーガンのアカデミー賞受賞スピーチがすごく聞いてみたいので、受賞してほしいです。受賞しなくても受賞スピーチだけしてほしいくらいです。

外国語映画賞

  • Broken Circle Breakdown (Belgium)
  • The Great Beauty (Italy)
  • The Hunt (Denmark)
  • The Missing Picture (Cambodia)
  • Omar (Palestine)

<ドキュメンタリー作品賞>

  • The Act of Killing
  • Cutie and the Boxer
  • Dirty Wars
  • The Square
  • 20 Feet from Stardom

あらすじ聞いただけで気が狂いすぎてて反応に困ったThe Act of Killingが大本命でしょうか。この部門はWOWOWアカデミー賞中継の斎藤工の解説に期待しますです。

<アニメーション作品賞>

  • The Croods
  • Despicable Me 2
  • Ernest and Celestine
  • Frozen
  • The Wind Rises

あり、風立ちぬ入ってますね。

<歌曲賞>

  • Alone Yet Not Alone
  • Despicable Me 2
  • Frozen
  • Her
  • Mandela: Long Walk to Freedom

<短編ドキュメンタリー作品賞>

  • CaveDigger
  • Facing Fear
  • Karama Has No Walls
  • The Lady in Number 6: Music Saved My Life
  • Prison Terminal: The Last Days of Private Jack Hall

<撮影賞>

  • The Grandmaster
  • Gravity
  • Inside Llewyn Davis
  • Nebraska
  • Prisoners

編集賞

<音響編集賞

  • All Is Lost
  • Captain Phillips
  • Gravity
  • The Hobbit: The Desolation of Smaug
  • Lone Survivor

<音響賞>

  • Captain Phillips
  • Gravity
  • The Hobbit: The Desolation of Smaug
  • Inside Llewyn Davis
  • Lone Survivor

<ヘア・メークアップ賞>

  • Dallas Buyers Club
  • Jackass Presents: Bad Grandpa
  • The Lone Ranger

<作曲賞>

  • The Book Thief
  • Gravity
  • Her
  • Philomena
  • Saving Mr Banks

美術賞

<視覚効果賞>

  • Gravity
  • The Hobbit: The Desolation of Smaug
  • Iron Man 3
  • The Lone Ranger
  • Star Trek Into Darkness

このあたりでそろそろパシフィック・リムが出てきてもいいんじゃないかと思っていたんですが、出てきませんでした。スタートレックが入っているのになぜだ。受賞はやっぱりグラヴィティでしょうか。

<衣装デザイン賞>

  • Michael Wilkinson, American Hustle
  • William Chang Suk Ping, The Grandmaster
  • Catherine Martin, The Great Gatsby
  • Michael O'Connor, The Invisible Woman
  • Patricia Norris, 12 Years a Slave

<短編アニメーション作品賞>

  • Feral
  • Get a Horse!
  • Mr. Hublot
  • Possessions
  • Room on the Broom

<短編作品賞>

  • Aquel No Era Yo (That Wasn't Me)
  • Avant Que De Tout Perdre (Just before Losing Everything)
  • Helium
  • Pitääkö Mun Kaikki Hoitaa? (Do I Have to Take Care of Everything?)
  • The Voorman Problem

アカデミー賞授賞式は3月3日(月)ひな祭りの日。司会はエレン。
日本では今年もWOWOWが朝9時から生中継だそうです。

【完全にネタバレ】トゥルー・グリット鑑賞

久しぶりに面白くて140字で感想がおさまらなかったので、ちょっこしおぼえがき。

わたくしは、
西部劇に興味がない。
コーエン兄弟が苦手。

というわけで本作は特に見るつもりなかったのです。
が、せっかくBSで再放送しているちりとてちんの一番面白い所*1を予約し忘れてしまいまして。このいかんともしがたい怒りにまかせて盗んだバイクで夜の校舎の窓ガラス割りに行ってもいいわけですが、西部劇見てスカっとしてしまうなんて平和な世の中なんでしょう。じゃなくって、「まあジェフ・ブリッジズだし」となんとなく録画したまま忘れていたのを本日鑑賞することに。

ちいさいけれど勇気と知恵があって弁の立つヒロインと、ダメ野郎に見せておいてここぞという時にかっこいいジェフ・ブリッジズの男っぷりにスカっとしました。
でも最後の台詞がなんだかインパクトが弱い気が。アメリカ人にはあれがパチっとハマる最後のピースになっているのでしょうか?

ちょっとケチつけてしまったけれど、全体で見れば非常に面白い映画でした。
西部劇ってこういうことなの?これで合ってるの?
なんとなく西部劇というよりも「超現実的なロード・オブ・ザ・リング」みたいな感じで見てしまいました。
ジェフ・ブリッジスが馳夫さんで、ヘイリーちゃんがフロドの旦那で、ミャット・デイモンがボロミア。

現実の森の旅はこんなに厳しいし、現実のさすらいの旅人の小汚さもきっとこんなもんなんじゃないかと。
一夜の宿を借りられるエルロンド卿の館なんかもちろんないし、あるのは指のない男の死体が置き去りにされてる山小屋なのです。

森の旅の怖さを知っているからこそ、英米人やオーストラリア人はロード・オブ・ザ・リングがこんなに好きなのかなと再確認したり。

*1:徒然亭四兄弟再結集!の最初の二話

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