X02HTのキーボードはプチプチして気持ちがいい
X02HTであれができるこれができるというのはもちろん魅力的なんだけれど、なにはさておきこの端末はまずキーボードである。
携帯テンキー入力も世代毎に驚くほど進化しているのも知っているし、SONY端末の(ドコモから離れた途端に復活した)ジョグダイヤルの指先が踊る心地よさも忘れがたいけど、そうは言ってもキーボードにはかなわない。
おやじにはやっぱりキーボード。もちろんキーボードがインターフェースとして一番だとは思わない。100年後1000年後の未来でいまだに人類がキーボードを叩きまくっているとは思えないし思いたくない。
でもこれが、ぼくにとっては一番使いやすい入出力装置。ある意味、ペンで字を書くよりもはるかに熟練しているし上達している。きれいになるのは当たり前としても、思考に追いつかんばかりのスピードはキーボードの圧勝。手で書くときとキーボードで書くときではまったくの別人。
初めて買ったマッキントッシュ・クラシック。ものすごく高かったので、キーボード練習ソフトなんて買う金は残っていない。本屋で練習法の本を立ち読みしては急いで帰って練習あるのみ。ローマ字なんて、キーボードがなかったらとっくに忘れてしまったにちがいない。いい年になってからあんなまじめに練習したのはキーボード入力くらいだ。スキーもギターも英語もなにも、あれだけの情熱を持って取り組んだものはない。
X02HTのキーは驚くほど小さい。でかい図体のボクが電車の中でこれをプチプチと打ちまくっている姿は滑稽を通り越して異様かもしれない。よくできるなぁ隣も一緒に押したりしないのかなとか思うかもしれない。
でも大丈夫。かなり太めの指でも、しっかりきちんと打ち分けることができる。もちろんThinkPadのキーボードにはかなわない。でもThinkPadは電車で使えない。外出時にも持ってはいない(いけなくはないけど)。X02HTならOK。シャツの胸ポケ。チノパンの尻ポケ。どこにでも入れておける。
だからいつでもどこでも思う存分、テキストが打てる、文章が書ける。長文をこれでもかこれでもかと書き連ねていける。指がおもむくまま、思考が流れるまま、文章を紡いでいく。そんなことがいつでもどこでもすぐできる。
ちまちましたキーボードの、まさにちまちましているからこそ、なぜか外でプチプチしたくなる。微妙に小さいノートブックのぎりぎりに小さいキーボードより、まちがいなく打ちにくいはずなのに、ここまでプチプチしたくなるのはなぜだろう。小ささ? 詰め込み具合? キートップの丸み?
キーボードに惹かれて買ったX02HT。キーボードには大満足している。もちろんそれだけではないんだけれど、惹かれた点が満足できればそれだけで持っていて楽しくなるし触りたくなる。
だからこうして文章を打っている。
※「スマートフォンの○と×」にも関連する記事があります。