My Life Between Silicon Valley and Japan このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-05-16

[] アマ竜王戦に出場する最強将棋ソフト「激指」

http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20050506i505.htm

きっと今頃、6月25-26日のアマ竜王全国大会に向けて、アマチュア側の対「激指」研究も進んでいるのであろう。「激指」がどこまで勝つのか楽しみ。まあまだアマ強豪にはかなわないだろうけれど。

でも、アマ竜王に人間がなった場合はプロの竜王戦に出られるのに、「「激指」が仮にアマ竜王になってもプロの竜王戦には出られません」なんて、勝つ前からわざわざ話を盛り下げるような約束事を作っておくとは、読売新聞将棋連盟もどうしようもないな、本当に。こういうところから話題を作って盛り上げて、ジリ貧になろうとしている将棋の世界に新しい風を吹かせなくてどうする、って思うけど・・・。

さて、「激指」については、日経新聞5/15にも大きく取り上げられていた。

「激指」の開発者科学技術振興機構鶴岡慶雅研究員は指し手を評価する計算式に、玉の周りから包み込むよう寄せる指し方を重視するような要素を取り入れた。一方向から敵玉を寄せるよりも、挟み撃ちする方が評価を高くする。これで玉を捕まえ損ねることが少なくなった。

鶴岡氏らは羽生四冠の六百局を分析して、有力な指し手だけを選ぶ手法を採用した。「直前に動いた駒を駒得しながら取る手」や「駒を取りながら王手をかける手」など羽生四冠がよく指す手を確率的に解析。約四十種類に分け、そうした手が指せるときは優先する。

これからの新しいデータベース、新しいアルゴリズムに期待したい。

この記事は、

序盤で有利に立つ名人に対し、ソフトが終盤で追い込む。未来の「将棋ソフト対名人戦」ではこんな展開が予想される。

こう結ばれているが、そのもっと先で将棋は、F1みたいに、人間とマシンがチームを組んで戦うものになっていくべきだと思う。そういう方向に、将棋という産業が破壊的に進化していけるかどうなのか。ここにも「狂気の継続」がないと難しいだろう。

さて、「激指4」のレビューはこちらが詳しい。

http://www.shogitown.com/book/consi/soft/17geki4-1.html

[] Class

ニューヨークタイムズ紙の「Class Matters」という特集連載が始まった。

http://www.nytimes.com/indexes/2005/05/15/national/class/index.html

けっこう力の入った特集連載記事で、アメリカに興味のある人にはお薦めである。読むとアメリカの今がよくわかる。これからしばらく続くらしいので、その間は無料で読めるのではないかと思う。

1988年社会の五階層が10年後の1998年にどう移動したかのグラフ

http://www.nytimes.com/packages/html/national/20050515_CLASS_GRAPHIC/index_03.html

もある。実際の統計数字では年々階層の固定化傾向が進んでいるが、自助努力によってこの階層を上っていくことができるという考え方がアメリカには根強い。

Most Americans remain upbeat about their prospects for getting ahead. A recent New York Times poll on class found that 40 percent of Americans believed that the chance of moving up from one class to another had risen over the last 30 years, a period in which the new research shows that it has not. Thirty-five percent said it had not changed, and only 23 percent said it had dropped.

More Americans than 20 years ago believe it possible to start out poor, work hard and become rich. They say hard work and a good education are more important to getting ahead than connections or a wealthy background.

キーワードは「ハードワーク」と「教育」だ。

[] 「オープンソース開発者の7割がヨーロッパ」は本当?

Software Onlyの「Ballmer on Stage, at the annual Microsoft VC Summit」

http://blog.softtechvc.com/2005/05/ballmer_on_stag.html

を読んでいたら、バルマーとの質疑応答の一部が載っていた。目を引いたのは、

Statistics report that there are 2M Open Source developers, 70% Europe, 70% under 25. Entire generation "lost to capitalism" ?

という質問。「世界中で200万人いるオープンソース開発者のうち70%がヨーロッパ、やはり70%が25歳以下」だけれど・・・と、あたかもこれが常識かのように質問の前置きに使っている。へぇー。こんな数字、聞いたことなかったけれど、これはオープンソース世界の常識なんだろうか。

リーナス・トーバルズフィンランド出身だし、ヨーロッパにはソフトウェア関係の面白い仕事アメリカに比べて圧倒的に少ないから、ヨーロッパ若者たちがオープンソースの世界に流れ込むのはロジックとしてはよくわかる。でも世界全体の7割がヨーロッパと言われるとちょっと驚く。

情報ソースは何なのだろうとちょっと調べてみたが簡単に見つからず、「はてな人力検索」質問初体験をしてみた。一日以内で出た回答結果がこれ。

http://www.hatena.ne.jp/1116169906

もっとたくさんの回答を待ったほうがいいのか、ここまでの迅速な回答に感謝してポイントを割り振って終了にしたほうがいいのか、まだ人力検索リテラシーが足りないのでかなり悩みつつ、後者を選んで質問終了とした。

教わったのは、2つのサーベイ結果である。回答者morningrain氏の「オープンソース開発者国籍を聞いた調査です。2002年ヨーロッパを中心に行われたものです。」という解説が付されていたこのサーベイ

http://www.infonomics.nl/FLOSS/floss1/stats_35.html

は、2208人回答のうち1557人がヨーロッパである(今、電卓で数えてみた)。この数字がちょうど70%である。ひょっとするとこの「2002年ヨーロッパを中心に行われた」サーベイの数字が一人歩きしているんだろうか。ちなみに日本人は3人しか回答していない。

もう一つのサーベイは、「こちらは2003年アメリカで行われた同じような調査。国籍の割合が出ています。」との解説付き。

http://www.stanford.edu/group/floss-us/stats/q42.html

スタンフォードの調査だ。ではこちらはアメリカにかなりバイアスがかかるかと思いきや、1458人回答のうち752人がヨーロッパ(西欧)である。52%。ちなみにアメリカは322人の22%である。加えてロシア・東欧が162人。ここまで加えれば60%以上になる。ちなみに日本人の回答は4人。

この2つのサーベイから読めることは、「世界中オープンソース開発者のうち70%がヨーロッパ」はちょっと多すぎるかもしれないけれど、確実にアメリカよりもヨーロッパのほうが多い。西欧単独だと少し届かないかもしれないけれど、ロシア・東欧まで含めると世界の開発者の半分以上にはなる、という感じかな。

事実誤認等あれば、またその他の統計数字をご存知の方あれば、ご指摘いただけると大変有難いです。

こたろうこたろう 2005/05/17 07:11 アマ竜王戦にソフトが出る件ですが、もしソフトがアマ竜王になったらプロ竜王戦に出られるなんていう設定にしたら将棋連盟が許可しなかったでしょう。
読売としては多分、まずはソフトを出しておいて、優勝してから、さあ、連盟はどうするんだ、と迫るのでしょう。その方法の方が利口なのでは?

umedamochioumedamochio 2005/05/17 07:26 そうですね。本当にそうであってほしいと思います。

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