My Life Between Silicon Valley and Japan このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-06-02

[] 山本七平日本人

最近出版された「山本七平日本歴史」(上・下)

山本七平の日本の歴史〈上〉 (B選書) 山本七平の日本の歴史〈下〉 (B選書)

の上巻の冒頭に谷沢永一が「埋もれていた名著、ついに刊行」という少し長い解説を書いている。その中で山本ベンダサン三部作山本日本人論五部作が紹介されていた。

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本教徒 (山本七平ライブラリー)

日本教徒 (山本七平ライブラリー)

 

(谷沢の解説には「日本教」とあるが、「日本教について」か「日本教徒」のいずれかではないかと思う。ここでは「日本教徒」にリンクを張った)

日本的革命の哲学―日本人を動かす原理 (PHP文庫)

日本的革命の哲学―日本人を動かす原理 (PHP文庫)

勤勉の哲学―日本人を動かす原理 (PHP文庫 ヤ 2-1)

勤勉の哲学―日本人を動かす原理 (PHP文庫 ヤ 2-1)

現人神の創作者たち (山本七平ライブラリー)

現人神の創作者たち (山本七平ライブラリー)

日本資本主義の精神―なぜ、一生懸命働くのか (PHP文庫)

日本資本主義の精神―なぜ、一生懸命働くのか (PHP文庫)

これが谷沢が薦める山本ベンダサン三部作山本日本人論五部作である。

高校時代の倫理社会の教師が一年間、「山本七平を読む」という趣味に偏した授業をやってくれたおかげで、以来山本の著作はずいぶん読んできたが、趣味読書の域を出ることなく、何が書かれていたのかをしっかりと把握して記憶することもなく、それについて何かを深く考えることなどせずに今日に至った。ただいずれは山本の全作をきっちり読みたいと、機会があるたびに本は買い揃えてきた。

さてこの山本ベンダサン三部作山本日本人論五部作。持っていないものは皆、絶版の本ばかりなので、「スーパー源氏」と「日本古本屋」で注文して、東京の友人宅に届けてもらうようにした。今回の出張中にそれらを受け取り、パラパラと眺め、その中の「勤勉の哲学」という本に目を奪われた。

この本は1979年に書かれ、文庫になったのは1984年。入手したのは文庫版だが、この文庫版に小室直樹の超長文解説が書かれているのである。解説だけで85ページ。この解説が書かれたのは21年前である。この解説が素晴らしかった。

日本資本主義とは何か。その本性は。この解明こそ、現代日本理解のために、最初に、そして最後になされるべき作業である。

このテーマに正面からとりくんだ山本七平氏の力作「勤勉の哲学」は、日本社会科学が産んだ最高業績の一つである。今後日本社会学経済学とくに経済史学および経済人類学、そしてあるいは政治学法学も、本書を無視して前進することはできないであろう。

このように本書は、学説史的といってよいほどの研究でありながら、本書ほど、理解されず、無視されてきた作品も珍しい。

この文章に、小室直樹が異常に長い解説を付すことになった理由が凝縮されている。

繰り返しになるが、「勤勉の哲学」は1979年に書かれ、小室直樹の解説は1984年に書かれている。

それからの21年間、80年代末バブル景気とその崩壊があり、90年代の「失われた10年」があり、90年代末ITバブルとその崩壊があり、21世紀に入って現在に至った。当時の日本と比べ、何が不変で何が大きく変わってしまったのだろう。

縁があって(株)はてな取締役になって、1975年生まれの創業者・近藤淳也や、彼よりも若い連中と、はてなという会社をこれからどうしていくべきなのかについて、かなり哲学的な議論を続けている今、近藤らの世代がこの世に生を受けた当時の日本でいったい何が懸命に議論されていたのかをこの山本の著作と小室直樹の解説から強く感じ、何かを深く考えるきっかけが得られたような気がした。

カテゴリーを改めて、山本の「勤勉の哲学」を、付記された小室の解説を補助線に読んでいこうと思う。日本の若い世代がこれから作っていく「新しい日本」は、「勤勉の哲学」に支えられた日本資本主義(「古い日本」)の何を引き継いでいけるのであろうか、ということを考えるきっかけとしたい。こういう学問分野についてはど素人の僕でも、自分のBlog感想を書く分には、碩学の先生方からお叱りを受けることもなかろう。そういうところもBlogの効用の一つである。

kaikai 2005/06/04 03:27 連続ですみません。あと一つ。
なんではてなは小室直樹がキーワードにならないんですかねえ。このあたりがどう考えてもおかしいと思うんですけど。 > はてなさん

zokkonzokkon 2005/06/04 03:54 キーワード化されてないとしたら、単にそうしたいと思うユーザーがこれまでいなかったというだけのことです(あるいは著書をはまぞうで記述したユーザーがいなかった)。欲しければ自分で作成すればいいだけのこと。

kaikai 2005/06/04 14:52 なるほど、そういう考え方なわけですか。要は、目障りだけど無視すれば良いだけと。

zokkonzokkon 2005/06/04 22:58 小室直樹はキーワードになってますね。失礼しました。梅田さんの記事からは自動リンクされてないだけです。
「目障りだけど無視すれば」というのが何を指しているのかよくわかりませんが,基本的にはてなのキーワードは日記ユーザーが作成するもので,運営者が関与しているわけではありませんので誤解なきよう。非ユーザーは,キーワードの作成こそできませんが,トラックバックを送ることで迂遠ながら改善に寄与することは可能です。

kaikai 2005/06/05 17:07 あっ、キーワード表示が消えてますね。なるほど調整できるんですね。失礼しました>はてなさん。おかげで余計な情報が入らなくて大変読みやすくなりました。

umedamochioumedamochio 2005/06/05 19:31 mitsuruiiyamaさん。ありがとうございます。「日本教について」を探してみることにします。

setta77setta77 2005/06/06 00:09 「日本教について」の情報UPしましたので、本を探すときに参考にしてください。

umedamochioumedamochio 2005/06/06 08:08 「スーパー源氏」経由・広島県の古本屋で「日本教について」を発見。注文することができました。感謝します。