My Life Between Silicon Valley and Japan このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-05-16

[] すべての本がスキャンされて「あちら側」に格納されて検索できるようになったら

Kevin Kellyが刺激的かつ長文の論考をNew York Times Magazineに寄せた。

「Scan This Book!」

http://www.nytimes.com/2006/05/14/magazine/14publishing.html

このコンテンツはいまは無料で読めるが、しばらくすると有料になってしまうので、興味のある人は早く読んだほうがいい。

アマゾングーグルらが推進している「古今東西すべての本をスキャンしてしまうプロジェクト」の進展がもたらす今後を展望したものである。

冒頭でBrewster Kahleのこんな言葉引用されている。

Brewster Kahle, an archivist overseeing another scanning project, says that the universal library is now within reach. "This is our chance to one-up the Greeks!" he shouts. "It is really possible with the technology of today, not tomorrow. We can provide all the works of humankind to all the people of the world. It will be an achievement remembered for all time, like putting a man on the moon." And unlike the libraries of old, which were restricted to the elite, this library would be truly democratic, offering every book to every person.

明日の技術ではなく今の技術で、

The dream is an old one: to have in one place all knowledge, past and present. All books, all documents, all conceptual works, in all languages.

という夢は実現され、限られた人々にだけでなく、すべての人に、過去の叡知たる書物の内容すべてが提供される時代に向かっている。ただスキャンされただけでは使いようがない厖大な情報も、検索エンジンの成熟とさらなる発展によって、それが世界中のどんなデバイスからも簡単に本当に利用できる価値として提供される時代が来るだろう。

From the days of Sumerian clay tablets till now, humans have "published" at least 32 million books, 750 million articles and essays, 25 million songs, 500 million images, 500,000 movies, 3 million videos, TV shows and short films and 100 billion public Web pages. All this material is currently contained in all the libraries and archives of the world. When fully digitized, the whole lot could be compressed (at current technological rates) onto 50 petabyte hard disks.

ディスク容量は「チープ革命」の恩恵で、限りなくコストゼロに近づいていく。Kevin Kellyはそういう情報全部をiPodの入れて持ち運べる時代が来るとまで言っているが、そこまで言わずとも、今の検索エンジンの対象に「過去から現在までのすべての書物」が入り、検索に付随する機能が今のペース以上のスピードで進化していくことは間違いないから、十年後、十五年後にはかなり面白いことが起きるだろう。

詳しくは全文をどうぞ。

またTechDirtにも簡単な解説がある。

「Rethinking The Book

http://techdirt.com/articles/20060515/0226221.shtml

もあわせてご参照。

この論考の本題からはそれるが、中国インドで厖大な量の本が、今も時々刻々とスキャンされて「あちら側」にどんどん取り込まれているわけだが、つい最近Business Weekでも、

Barbara Kempf used to work on an assembly line for words. Her job: take a company name (say, Joe's Diner), think up several words that describe it (restaurant, dinner, burgers), come up with other words about its location (Cincinnati, downtown, Main Street), then create more than 200 combinations of those words and write six- to eight-word sentences associated with each combination. The finished product? Paid search ads, or those "sponsored links" that show up when you search for things like "burgers in Cincinnati" on Google (GOOG ), Yahoo! (YHOO ), or Ask.com (IACI ).

Over eight-hour shifts, the 51-year-old Kempf "assembled" thousands of these ads every day for $15 an hour for Marchex Inc. (MCHX ), a Seattle-based company that runs online advertising campaigns for local businesses all over the U.S.

という文章で始まる記事「Life On The Web's Factory Floor 」

http://www.businessweek.com/magazine/content/06_21/b3985092.htm

が掲載されたが、「あちら側」時代のアウトソーシングビジネスも確実に始まっている。

netarou0815netarou0815 2006/05/16 18:21  なるほど、なんだかワクワクしますね。人類のすべての知の集積を個人が私有できる状態というべきでしょうか。

 もっとも、自分はアナログな感覚の持ち主なので、どうしてもウェブドキュメントよりは、本屋でぷらぷらしつつ、かびた紙の香りをかぎながら、手でページをめくるというスタイルがしっくり来てしまうのです。

 技術の進歩が自分の生活感覚を追い越してしまっているようです。所詮は感傷ですが。

fukkenfukken 2006/05/16 19:53 かびた本の香りはともかく、ハードウェアとしての本の優位性(携帯性、耐衝撃性、軽量、高解像度、安価、高速ブラウジングetc.)は確かに存在しますね。
メディアとしても、web上のドキュメントを検索・表示する際には、文字の大きさやレイアウト、色といった情報が軽視されがちというのもあります。
しかし、Amazon.comが売り上げを伸ばしている点からも明らかなように、「検索可能」というのは非常に大きなアドバンテージです。全部ではないにしても、現在の書店に要求されているニーズの一部を持っていくのは確かでしょう

r-westr-west 2006/05/19 22:27 これはこれでワクワクしますが、書いて飯を食うと言うことが、生活コストの安い途上国の人々の専売になってしまったりしないんでしょうか。

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