テレビをつけずに日々が過ぎていく

僕はもともとテレビ好きだった。1992年に初めてサンフランシスコに一年住んだときなど、出張で少しだけ東京に戻ったときはホテルでテレビをよく見た。1994年にシリコンバレーに引っ越して以来、年に五回以上日米を往復をする生活をしているけれど、わりと最近まで、東京のホテルで朝起きれば必ずテレビをつけたし、夜部屋に戻ってもとりあえずテレビをつけた。それが、だんだんに少しずつテレビなしでもよくなってきた。
前回の出張で東京に八泊してチェックアウトしたとき、テレビを一度もつけなかったことに気づいた。初めてのことだった。そして今回もまったくテレビをつけていない。
ネットに向かえば、自分が物理的にどこにいるかまったく関係ないわけで、ごく普通の日常に戻れる。東京でのホテルでの寸暇は、そういうふうに過ごすのが当たり前になってしまった。