私家版・金子金五郎全集

そろそろ「親知らず抜いて、それでしばらく休んで将棋・・・」とか言っている場合ではなく、仕事に戻らなければならないのではあるが、昨日の昼、それを阻む荷物が、ついに東京から届いてしまった。荷物とは、
ちょっとした贅沢をした。金子金五郎、再び。
で書いた「昭和25年から「近代将棋」誌への連載が始まった、金子金五郎が書いた将棋解説すべて」のコピー(12キロ)である。(また、これを書きながらも、同時に観ている4局のC級1組順位戦で手が更新されるたびに「パチッ」という音がして盤面にかえらなければならず、なかなかブログが進まない)
荷物が届いた瞬間から、机に向かい整理を始め、一局ごとにホッチキス止めをし、年代順に並べ、四年ごとにボックスファイルに収納し、その四年ごとのトピックを書き出して見出しをつけ、という作業に没頭していた。
途中で仕事に出かけた妻が、二時間後に帰宅したとき、「ねえ、出かけたときからぜんぜん動いていないの? まったく同じ格好で机に向かっているけど」と僕に聞いたが、そのとき初めて、整理を始めてからまったく体が動いていなかったことに気付いた、というほどに没頭していたようである。
いずれ「うるさい」と言われるほどに、金子金五郎の著作については書くが、金子が昭和25年(48歳)から昭和61年(86歳)まで37年にわたって書き続けた400局以上の将棋解説(それぞれが十数ページ、400字原稿用紙で40枚から60枚)を実際に目にすると、そのすさまじさには頭が下がる。晩年は年に数回の寄稿かと勝手に思っていたが、昭和58年(1983年)2月(83歳)までは、毎号、つまり毎月寄稿し続けていたのである。これは本当に凄いことだ。
読みながら並べて1局1時間として、2回ずつで800時間くらいか。思っていたより何とかなりそうである、というのも実際にボリュームを目の前にするとわかる。「ウェブ進化論」以来のネット上の読後感想を読み考える時間には、これまでだいたい2,000時間くらい費やしてきたわけだが、その半分くらいでいけるな。ならば2年くらいで制覇できるかと思う。
整理を終えた「私家版・金子金五郎全集」の姿はこんな感じである。僕の宝物だ。