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2008-02-12

[] 「しないことリスト」で考えてほしいこと

日経ビジネス・アソシエ2月19日号は、「できる人の「しないことリスト」」という特集だ。僕も常々「やめることを決める」大切さを主張しているので、興味を持って読んでみたのだが、非常に面白い発見をしたので、ここでご報告しておこう。

松本大(マネックス・ビーンズCEO)と川本裕子(早稲田大学教授)の「しないことリスト」を比べることで考えよう。

まず松本の「しないことリスト」は、

(1) よく分からない人とはつき合わない。

(2) 苦手な人とは食事しない。

(3) 中華料理を食べない。

(4) 風邪薬を飲まない。

(5) 大切なことを夜に判断しない。

(6) 悩みすぎない。

である。

では川本の「しないことリスト」はどうか。

(1) 夜の宴席には出席しない。

(2) ショッピングで迷わない。

(3) 表裏を作らない。

(4) テレビは見ない。

である。

こういう特集を一生懸命読む人は、「しないこと」をなかなか決めることができない人だと仮定する。自分はなかなか「やめること」が決められないなあと思っている人だと仮定する。

だとすれば、松本の「しないことリスト」は零点。そういう読者にとって、何の参考にもならない。一方、川本の「しないことリスト」はかなり点数が高いと思う。こちらから学ぶべきだ。

なぜか。

松本の(3)(4)は「独り言」のようなものなので除くとして、(1)(2)(5)(6)のすべてにおいて、判断基準が曖昧だからである。「よく分からない人」「苦手な人」「大切なこと」「悩みすぎ」はすべて、主観的であって客観的でない。たとえば、誰かが「よく分からない人」かどうか、の判断のところで「甘さ」が入ってしまえば(こういう特集のコア読者は、そういう判断の甘い人たちが多いから何事もやめられないという悩みを抱えている)、このルールは骨抜きになってしまい、いつまでも何も変わらない。

松本大はおそろしく能力の高い人間なので、ひょっとすると「しないことリスト」なんて本当はあんまり考えたことなどなく(何でもすぐにできてしまうから、じつは悩んだことなどない)、取材を受けて適当に思いついたことを話したのではないか、と勘ぐりたくなるほどである。

それに比べると川本裕子は、激しく働く二児の母として、「時間のやりくり」に悩み抜いて生きてきたからであろう、彼女の「しないことリスト」は切実だ。この特集の読者は、こちらを見習ったほうがいい。

何が違うか。それは自動的に「しないこと」が判断できるということだ。その都度、この人ならいいやとか、そういう曖昧な判断がいっさい入らないことが大切なのだ。

(1)夜の宴席には出席しない、(4)テレビは見ない

にそれが顕著だ。

妥協の余地がまったくない。相手が誰であろうと「夜の宴席」には行かない、番組によらずテレビは見ない、のだから、悩まず自動的に判断できる。だから必ず効果が出る。松本の「(2) 苦手な人とは食事しない」とは本質的にまったく違うというのが、おわかりいただけるだろうか。

Kenji RikitakeKenji Rikitake 2008/02/12 20:58 目標設定では,第3者が見て明確に判断できる内容である必要がありますが,TODO/anti-TODOリストも同様だと思います.

通りすがり通りすがり 2008/02/13 03:45 実際には殆ど使えないという点では両方とも変わらない。

suzukyusuzukyu 2008/02/13 07:29 テスト項目表のように曖昧さを限りなく除外するのが望ましいということですね。
そういう意味では川本さんのリストもテレビは見ない以外は曖昧さがあり、例としてはわかりにくさがありますね。

☆ひな。☆☆ひな。☆ 2008/02/13 17:11 要は、自分にかかるストレスを減らして、いかに要領よく生活するかって事だと私は勝手に解釈してます。

teraponterapon 2008/02/14 03:20 物事を取捨選択する時に基準が明確だとそれだけ自動的に判断できるって事ですね。

SakuraPlanSakuraPlan 2008/02/14 06:41 私もこの記事読みました。
「しないこと」は本当に決めたいなと。でも難しいですよね。とりあえず自分でリストを作ってみて、その効果をみてみたいと思います。

初めて通りすがり初めて通りすがり 2008/02/26 05:09 非常によくわかりました。おもしろいです。
この記事は読んでいましたが、このコラムに出された具体的な例とその講評で、今、腹に落ちた気がします。

普通に読んだ人普通に読んだ人 2008/02/26 06:00 プレイヤーとしてのビジネスマン松本氏が、一刀両断では決められない曖昧な判断を常に強いられ、オブザーバーとしての学者川本氏は一刀両断(よく言えば明確に)な基準で動いても生活していける世界にいるというだけの違いのようにも思えます。
そして、梅田さんはオブザーバー(しかも純粋なオブザーバーではなく、プレイヤーとしての立場と利益相反が生じることが良くある)として川本さんの立場に馴染むというだけの話のように思えます。その意味で結構主観的なことが書いてあると思います。
あと、「自己矛盾」さんのHNとコメントに共感します。例えば梅田さんは、いつも「肯定的であれ」と言いながらひどく否定的なコメントを続けておられるように思います。

びりびり 2008/03/01 19:44 「否定論」「あるべき論」は「可能性を消す話」ので僕は好きではない。だけれど「見方を変えて、価値を見つける」という事は好きなので、そのコメント。
▼松本さんのリストの僕の捕らえ方
1)わかることを言ってくれる人を探す
2)常に気のあう友達と食事するようにする
3)中華料理以外の食べ物を探す
4)具合が悪いときは、安易な方法で、長々と治療をしない。
5)朝のうちに考える
6)昨日とはちがうことを考える
そうすると時間ができて、「しないこと」を決めなくてもよくなる。ということ、、、かな?

unknownmelodiesunknownmelodies 2008/03/28 09:34 川本教授が羨ましいです。
サラリーマンがそれをやったら、
きっと仕事をさせてもらえなくなるか、
相手にされなくなります(この二つは同じですね)。

akiraakira 2010/01/12 01:06 こんな本を読みました。
「しないこと」by辻信一
梅田さんの記事に書いているしないことと、全然ちがう
「しないこと」です。

akiraakira 2010/01/12 01:07 あ、リンクを加えるの忘れました。
http://namakemono.shop-pro.jp/?pid=17499354

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