My Life Between Silicon Valley and Japan このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-01-03

[] 「ウェブ時代 5つの定理文庫版が2月10日に発売されます。

新春のお知らせです。

ウェブ時代 5つの定理」が急きょ、文春文庫として文庫化されることになりました。

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

昨年の政権交代以降「成長よりも分配」が「時代のテーマ」になりましたが、そろそろきちんと成長について考えるべき時なのでそのための「考える素材」をいま提供したい、との出版社の判断で、単行本発売から二年弱という異例のスピードで、文庫化が決まりました。

本書は、タイトルシリコンバレーという言葉こそ入っていませんが、シリコンバレーについて書いた僕の二冊目の本です(一冊目は「シリコンバレー精神」) 。日本人シリコンバレーから学び得るとすればそれはいったい何なのか。シリコンバレーに住んで、そのことを考え続けて十五年が過ぎましたが、この本を書き終えて、シリコンバレーについて日本に向けて書くべきことのエッセンスは書き尽くした、そんな気持ちを持ちました。

何年もかけて経験したことや考えつづけたことを凝縮して一冊に詰め込む本を、僕は自分の中で「真水(まみず)の本」と呼んでいます。本来、「真水の本」というのは、どんなに頑張っても4年か5年に一冊くらいしか書けないものです。シリコンバレーに94年にやってきてから2000年までの経験は「シリコンバレー精神」にまとめました(これは「真水の本」を書くにはちょうどいいペース)。そして続く三冊の「真水の本」としての「ウェブ進化論」「ウェブ時代をゆく」「ウェブ時代 5つの定理」を書くことに、05年から07年のほぼすべてが費やされました(振り返れば一年に一冊のペースはちょっと無理をしすぎたと思います。モノを書く仕事を、集中してし過ぎました。反省)。

そしていつかまた「真水の本」が書けるよう、さらにしばらく充電を続けるつもりです。

このたびの文庫化に際して、改めてこの「真水の四冊」を読み返してみましたが、日本の若い人たちに僕が届けたいと思ったメッセージは、やはりこれらの四冊に全部入っていて、いま特に付け加えることはないと思いました。

分配の話は確かに重要だけれど、そればかりでは日本も行き詰まってしまう。そう感じ始めている新しい読者と、本書が新しい環境下で出会えることをたいへん嬉しく思っています。

文庫版の解説は、僕の著作の中ではこの本がいちばん好きだと言うグリー(株)創業者田中良和社長が書いてくれました。ありがとうございました。

2008-05-21

[] 『ウェブ時代 5つの定理』刊行記念講演の映像の一部がYouTubeにアップされていました

三月に八重洲ブックセンターで行なった講演内容の一部(最後の部分と質疑応答の一部)が、YouTubeにアップされていました。きっと最前列ビデオカメラを回していた人がいたから、彼がアップしたものと思います。

僕はこんな言葉に未来を見てきた― make the world a better place ―」という講演録とあわせてどうぞ。

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2008-05-05

[] ゴードン・ベル(Gordon Bell)「ハイテク・ベンチャーを始めるプログラム」の和訳

「デジタルな広告たち」というブログの「ゴードン・ベル(Gordon Bell)「ハイテク・ベンチャーを始めるプログラム」の和訳」にご注目。

ウェブ時代 5つの定理」冒頭でご紹介したゴードンの「人生のプログラム」の詳細版の日本語訳を読むことができます。

【 詳細版: ハイテク・ベンチャーを始めるプログラム 】 

if 技術/製品/サービス会社のアイデアがある

and フラストレーション > 現在の仕事の計画での報酬

and 欲 > スタートアップの失敗の痛み

and スタートアップへの財務的・情緒的サポートがある then

begin

I. Concept stage:

exit(仕事); find(チーム);

get(スプレッドシート・ツール); write(計画); find(投資家);

if 計画がローリスク then

go to Product development stage;

II. Seed stage:

・・・・・・

ゴードンはこの「ハイテク・ベンチャーを始めるプログラム」を1991年に書き、シリコンバレーの起業家に絶大な影響を与えました。

ゴードンは豊富な経験をもとに、ハイテク・ベンチャーの成長段階モデルを構築し、成長段階ごとに、違うタイプの人材と、違いタイプのマネジメントと、違う判断基準に基づく意思決定が必要なことを、明確に後進たちに伝えるべく「High Tech Ventures」という本を書きました。このプログラムに出てくる「5つのステージ」がそれです。

  • I. Concept stage:
  • II. Seed stage:
  • III. Product development stage:
  • Iv. Market development stage:
  • V. Steady-state stage: /* Exit and cash in */

ゴードンが技術開発に専心没頭することから、後進への指導・啓蒙活動やエンジェル投資に、活動の重点を少しうつはじめた頃のことです。

この詳細版を読んでわかるとおり、1991年当時といえば、インターネット時代到来の前、PC、ワークステーション、オープンシステムの時代なので、ハードウェア・ベンチャーが想定事業になっているので、現代に応用して読む必要がありますが、本質はまったく変わっていない、ある種の「定理」になっています。

ゴードンのこの本は、すべてこの目次からネット上で読むことができます。詳細版のプログラムの中身を、言葉でさらに具体的に詳しく解説したものが、この大部の本の中身です。

また、さらにゴードンがこの考え方を、大企業の社内ベンチャーや、ハイテク・ベンチャーの診断手法へとarticulateしたのが、「THE BELL-MASON FRAMEWORK」です。興味のある方は、これらのサイトを読むと面白いと思います。

shibataismの日記」で、「ハイテク・ベンチャーを始めるプログラム」への感想として、

これを見ていて思うのは、やるべきことは非常にシンプルなんだなぁということです。

シンプルが故に難しいということはあるんでしょうが、こうして定理になっていると迷いそうになったときにいいかも、と思いました。

と書かれていますが、まったくその通りだと思います。

ただ1991年当時には、どうしていいのかまだよくわからなかったベンチャー創造のプロセスが、こういう「非常にシンプル」な形で表現されたゆえに、アメリカの多くの若者たちを魅了し、こうすればいいのか、よしやってみよう、と思わせる力を持っていたのでした。

2008-04-21

[] カウンセリングルーム:Es Discoveryの書評

あいかわらず、ほぼすべてのウェブ上での感想を読んでいますが、たいへん力のこもった充実した書評を、二回連続で読みました。ブログ「カウンセリングルーム:Es Discovery」による書評です。

ここで、本ブログ読者の皆さんにもご紹介したいと思います。

書評1:ポジティブな金言と主体的な人生の可能性

書評2:若者を応援する大人の流儀とインターネット

ウェブ時代 5つの定理」未読の方も、どうぞご一読ください。

2008-03-16

[] 『ウェブ時代 5つの定理』刊行記念講演会録がアップされました

昨日、八重洲ブックセンターで行なった「僕はこんな言葉に未来を見てきた― make the world a better place ―」というタイトルの約50分の講演内容が、早速アップされました。どうぞご一読ください。

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僕は常々、本は人ひとりひとりを映し出す鏡だと、思っています。これまで、読者の方々のウェブ上の感想を2万5千件以上読んできましたが、あらためて思うのが、どれ一つとして同じ感想はないということです。この本は発売されてまだ二週間ほどですが、今までの著作と比べてもさらに、「どの部分に惹かれたか」が人によってかなり違っています。どの名言がどう心に響いたかに、いまのその人の仕事や人生経験がくっきりと映し出されているからです。

今日は、本書に収められたビジョナリーたちの金言の中から、僕の現在のベスト10を発表していこうと思います。みなさんも自分自身にとってのベスト金言を思い返してみてください。僕のベストといくつ重なるでしょうか。

第10位から順に名言を取り上げながら、この本のエッセンスをご紹介したいと思います。

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講演を締めくくるにあたって、最後にひとつだけお願いがあります。

僕はたくさんの感想を読んできましたが、最近10代の方のこんなブログを目にしました。「いやーこの本は最高に面白かったと」熱い感想が書いてあった最後、「さあ、ブックオフに売りに行こう」と書いてある。 (会場大爆笑)

若い人の、モノをなるべく手元に置かないカルチャーですね。

僕はなるべく若い人の流儀を理解しようとしていますから、いつもはそれにケンカを売ることはしないのですが、この本に限っては、読み終わってもぜひ手放さないでほしいと思います。ブックオフには持っていかないでほしい(笑)。売ったって二束三文にしかならないんだろうし。

この本は手元に置いて、何年かに一度でもぜひ開いてほしい。そのときどきのベスト10を選んでみてください。まったく違った言葉を選んでいる新しい自分を発見するはずです。

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全文は文藝春秋『ウェブ時代 5つの定理』特設サイトでどうぞ。