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umejiさんのにっき

2009-08-28

おむつに頼らない排泄介護術 青山 幸広

| 14:44

健康な私たちは,普段何気なく行っていることの一つ「排泄」について考えるのにとても役に立つ一冊です。

病気や障害,老いによって日々の暮らしに介護が必要になったとき,「排泄」は自分でしたいと思う方が多いと思います。

それだけ「排泄」は,「食事」と並んで「人間らしさ」に結びつく行為では無いかと私は思います。

まえがきのところで,元々保育士だった著者が,保育の現場では当たり前の「おもらしに気をつける」ということが介護の現場では見られないことに疑問を抱いたという部分があります。

私も同じ疑問を感じたことがあります。

同じ「人間相手」の仕事でも,年齢が違うとここまで違うのかなぁと感じました。

この本では,主に施設へ入所している方々の,不必要なおむつは外してトイレで自然排泄してもらうことについての,実際に役に立つ介助方法が写真付きでのっています。

著者の介護哲学にも共感するところがあり,実際の行動力にも感心しました。

トイレの改修についてもふれられているので,参考になりそうです。

おむつに頼らない排泄介護術

2009-08-15

ここ―食卓から始まる生教育 内田美智子・佐藤剛史

| 08:21

行橋の助産師である内田 美智子さんの「ここ 食卓から始まる生教育」という本を読みました。

保育園のお母さんのおすすめで貸してもらったのですが,読み始めてびっくり。

それはそれは深く考えさせられる一冊でした。

産婦人科という命に向き合う場所で働く筆者は,命の大切さを訴えます。

「生まれてきただけですごいこと」

「生」の反対は「死」ではない。「生まれてこないこと」である


産み月になって陣痛を待つ母親が,ある日,胎動が無いことに気付きました。

母親の予感どおり,胎児は命を落としていて,それでも母親は出産しなければなりません。

苦しい陣痛に耐え出てきた我が子は動きませんが,一晩だけ一緒に寝たいと言います。

その夜,動かない我が子を抱きしめ,母親は一生懸命,授乳していたという場面。

内田さんは,どんな言葉をかけてあげればよいか分からないと書いてありました。

産婦人科では,こんな場面もあれば,中学生や高校生の性病中絶も多いそうです。

「性」を大切にしようと思えば,生が大切になります。

 性教育は生教育です。

 生を大切にすれば食が大切になります。

 生きることは食べること,食べることは生きることです。

 「性」と「生」と「食」はつながっていたのです。

食育と言えば,何を食べるかという部分に焦点が当たりがちですが,

それよりも「どう食べるか」,楽しく家族で過ごす食卓の時間が大切だと述べています。

以下は,内田さんの言う,少しがんばって目指す子育てです。

よくまとまっていると思ったので,プリントアウトして目につくところに貼っています。

 内田流、いい子育て半歩先宣言

 子育て全般編

 一、 まず抱き締めよう。なめ回すなら今だ!

 二、 抱き癖をつけよう。

 三、 二十四時間べったりしよう。今しかない。

 四、 可能なお母さんはおっぱいを飲ませよう。ミルクは抱いて見つめて飲ませよう。

 五、 「赤ん坊は泣くもの、泣くことしかできない」と悟ろう。泣く子を抱えて泣く、そんな日があってもいい。必ず笑って話せる日が来る。

 六、 父親の役割は「母と子」を丸ごと包み込み、支えること。

 七、 子どもの前では喧嘩はしない。

 八、 幼稚園・学校行事には必ず参加しよう。そこにいるだけで価値がある。

 九、 家族全員の誕生日のお祝いをしよう。お父さんのお誕生日もお母さんのお誕生日も。

 十、 一日は「おはよう」で始まり「おやすみ」で終わろう。

 遊び編

 一、 一緒に遊ぼう。

 二、 外で遊ぼう。

 三、 汗をかかせよう。ドロドロになってもいいじゃない!

 四、 思いっきり遊ばせる。我を忘れて遊ばせる。一日中、子どもと、我を忘れて遊んで夕食の支度ができない日もある。そんな日があってもいい。それが幸せな日になる。

 五、 家事も遊びだ。

 六、 おもちゃじゃないものを与えてみよう。完成されたおもちゃはすぐ飽きる。

 七、 テレビやビデオ、ゲームに子守をさせない。電子メディアは「お〜よしよし」とは言ってくれない。

 八、 食べ物であやさない。

 九、 絵本を読んで聞かせよう。読み手も癒される。

 十、 音痴でも子守唄は歌おう。わたしがそうでした。

 食事編

 一、 テレビを消そう。テレビを消すのは子どもの仕事にしてはどうでしょう。

 二、 携帯、パソコンの電源を切ってみよう。

 三、 食事は「いただきます」で始まり「ごちそうさま」で終わろう。

 四、 楽しく食べよう。楽しくなれば、つばが湧いてきます。

 五、 一回でも多く家族そろって食事をする努力をしよう。

 六、 ホカ弁、コンビニ弁当、店屋物は、子どもの食器に移し、飲み物も子どものカップで!

 七、 忙しいとき、一品でいいから手作りを添えよう

 八、 間食の習慣はやめよう。子どもがものを口にするのは一日五回。三色とおやつ二回。

 九、 「ひもじさ」こそご馳走。

 十、 三食食べさせよう。子どもは食べて成長します。

ここ―食卓から始まる生教育

2009-03-06

10. もっと自由に母乳育児 マニュアルより赤ちゃんとの「対話」を 山西みな子著

| 14:48

仕事を始めるにあたって,母乳育児を続ける勇気を貰える一冊。

引用したい箇所は沢山あるのですが・・・

授乳ということを,排尿すること(からだの排泄作用)と同様に考えてみてください。仕事を妨げるほどのことはないでしょう。働いていても大丈夫,母乳育児は望みどおり継続させられます。

それは在宅中だけ,頻繁に短時間のみ授乳したらよいのです。

(中略)

代用乳を昼二〜三回与えたからといって,完全母乳主義のメンツが潰れたなどと悲観しなくてもよいほど,赤ちゃんは,「母乳ッ子」の良さを十分発揮して育ってゆきます。

p.33〜34

また,仕事中には,負担になる搾乳をしなくても,三時間おきに「圧抜き」をするだけで良いとも書かれています。

「圧抜き」については,以下の部分に書かれていました。

圧抜きは,両脇の下から胸の中央側へ向け乳房を軽く押し上げます。そのあと服の上からでよいのですが,目安としては,乳輪部のあたりと思しきところに人さし指とおや指をそっとおき,胸の中心側へ向けてそっと押し付けたあとで,指の腹と腹を軽く打ち合わせます。

(中略)

この方法を講じていると,およそ一週間後には,昼間は乳房が張らなくなります。

(中略)

こうして朝晩と,夜,入眠時(十一時ごろ)と,ふと目覚める午前三時すぎ頃に授乳をしているだけで,らくらくと続けられます。

p.36

自分の赤ちゃんによく向き合うことが大切なんですよね。(ASIN:4540950185

もっと自由に母乳育児―マニュアルより赤ちゃんとの「対話」を (健康双書)

2009-02-13

09.母になった女性のための 産後のボディケア&エクササイズ(吉岡マコ)

| 16:24

一人目・梅男を産んだとき,自分の身体に対する意識がとても低く,セルフケアの概念すら持っていませんでした。解剖・生理・運動学の基礎を一応学んだにも関わらずです。

知識と経験が結びついていない良い例でしょうね。

著者は,産後の母親に必要なのは,産後ダイエットではなく,心と身体のためのリハビリであると主張します。

  • 10ヶ月弱の妊娠期間・出産を経た女性の身体はとてもダメージを受けているので,健康的な身体作りが必要である。
  • 産後は大変な子育てが待っているが,ダメージを受けたままの身体では上手く取り組めない。

本当にその通りなんです。

二人目・梅子を産んだあと,自分の身体をよく意識してみると,

「リハビリが必要な状態だな」

と気付きました。

よく「産後三週間は床上げをせず」と言われるのも産後リハビリの第一歩であると思いました。

実際に,身体に障害を持つ人にリハビリは,第一段階として重力の影響を最小にするため,ベッド上仰向けの姿勢で行われることが多いと思います。


この本では,まず人間の身体構造について触れています。

その後,抗重力筋をしっかりと使う姿勢について以下のようにあります。

  1. 骨盤(仙骨)の角度〜床と垂直になるように
  2. 恥骨からみぞおちまでの距離〜長く保ち,腹腔の容積を増やして背骨のカーブをゆるやかに
  3. 背中の溝〜脊柱起立筋を使う
  4. バストの位置〜背筋を使って胸を広げでバストを起こす
  5. 肩甲骨の動き〜僧帽筋・菱形筋を動かす
  6. 肩関節の位置〜耳よりも後(背中側)で首から肩まで伸ばす
  7. 首の長さ〜まっすぐ伸ばす
  8. おしりから脚のライン〜大殿筋を使っておしりをキュっと締める・太ももの筋肉を使って脚の付け根から外巻きに

こういう姿勢を,普段の生活の中で意識することが

充分な筋トレ(リハビリ)になると言っています。

筋肉だけじゃなくて,人間の身体の各パーツは,使わなければ用無しということで衰えてしまいますからね。

私も,実は,同じように考えて,姿勢を普段の生活の中で意識するということを実践していました。

なので,この著者の言うことに凄く共感できます。

体幹機能をしっかり持つということは,やっぱり子どものころからしっかり足腰を使うことが大事なんだろうなぁと思います。その点で言うと,私なんかガンガン意識して鍛えないと,今後が怖いです。



さらに,この本は産後のセルフケアの本なのですが,身体・心・脳のリハビリについて書かれてあるのも幅広い着眼点であると思いました。

女性の産後のための本ですが,産後に限らず女性・男性にも参考になるであろう内容だと思います。

この著者の言い回し,すごく特徴があるのですが,私は共感できるところが多くて好きです。

中でも最後のところが最も印象的です。

子どもができるということは,育てる(世話する)対象ができるだけではなく,同時に自分がその子どもの一番身近なロールモデルとなるということでもあります。また,人は一人で生きているのではないという,言葉にするとシンプルだけれど忘れがちな事実を強く実感する機会でもあります。人生において,産後ほど自分が試され自分と向き合うことが求められる機会はなかなかないのではないでしょうか。

私も,本当に同じことを実感しました。

子どもへの責任感と愛情を感じる一冊。(ASIN:4062131145)


母になった女性のための 産後のボディケア&エクササイズ

2009-02-06

08.「作業」って何だろう―作業科学入門(吉川ひろみ)

| 14:14

「作業科学」について平易な日本語で読める入門書を再読しました。

価格もお手ごろだし,本当にお勧めの一冊です。

医療の中の作業療法士の間ではあまり前面に出てこないとされる,作業における「文脈」や「主観的意味」の大切さを訴えています。


この本の中でも,作業には生存のための基本的ニードを満たす機能があるというところに興味を持ちました。

近代化してからの現代の方が,狩猟時代に比べて基本的なニードを充足できていないというものです。

資本主義社会になり,労働の対価として「お金」が得られる様になったことで,自分にとって必要なもののために働く(作業をする)機会が失われているという見方です。

この様に,「作業」の視点から,社会の変化をも説明ができるということは重要なことだと思います。


作業科学が注目されるということは,自分のしていることを上手い言葉で説明できにくい面が作業療法にはあるからだと思います。

最近,後輩がケーススタディをまとめていて,それを手伝っていたのですが,まさにここで作業科学の視点を使ったらうまく説明がいくのになぁと思った点が随所にありました。

クライエントにとって大切で意味のある作業ができることを目指した作業療法を自然と行っているセラピストは,実際には大勢いるのでは無いかと思います。ただ説明する言葉を持っていないだけで。

作業療法の今後の発展のためには,作業科学は欠かせない学問であると,私は思います。(ASIN:4263213122)

「作業」って何だろう―作業科学入門

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