◆ 人はなぜ積んでしまうんだろう

このところ頭を悩ませていた問題も解決し始め、十全とはいいませんが九全くらいにはなってきた海獺です。
今日はほんとにぐーたら過ごしておりました。録画してあったトリックやミュージックステイションを見たり、バイマイメロディーのプロモをみて明るい曲調のわりに歌詞がせつないなーと思ったり。……ここで青空(AIR)が思い出される私はだめですかい?
後、明日から一週間ばかし物語書くことに集中しようと思います。まあ、本は読むだろうし、何年か積んであった「歌月十夜」をやり始めたので大して意味なさそうですが。つか、何度目の宣言なのだろうか? ……うん、宣言するのは楽しいな(笑)
そうそう、最近はメールチェックすると一日に十数件スパムメール来るのですが、こう毎日くると相手方もスパムを出すことに意義があるように思えてくるんじゃないかなー。そんなスパムメールが出てくる話を含んだアンソロを読んだわけでして。

鬱やホラーな話が多いかというと、そうでもない印象ホラーxダーク 乙一『恩田陸『北村薫『誉田哲也『西澤保彦『桜坂洋『


乙一, 恩田陸, 北村薫, 誉田哲也, 西澤保彦, 桜坂洋, 岩井志麻子七つの黒い夢 (新潮文庫)』新潮社,2006   類似検索

 
乙一さんの「この子の絵は未完成」は本編とは違うところでちょいと驚きました。本のタイトルが黒い夢だし、出だしは黒い雰囲気を纏っていたので、もっと鬱っぽい話かと思っていましたが白いほうの乙一さんでしたよ。いや、白というかファウスト乙一さんか。息子が異常な能力(臭いのする絵を描くなど)を持ってしまう母親の話です。
恩田陸さんの「赤い毬」は、ノスタルジック全開です。イメージ先行で、描かれている幻想的な風景が脳裏に浮かびます。
北村薫さんの「百物語」は文字通り百物語をする話。ま、百じゃありませんが。オーソドックスなんだけど、話を始めるまでの流れとかこじゃれていて好きです。これだけ(初掲載が)十年以上前の話ですねー。
西澤保彦さんの「浅敷がたり」はミステリっぽい作品。整備不良のため飛行機が定刻に出発できないことから始まる出来事です。謎がすべて解明されるわけではありませんが、犯行の動機がいやらしいです。確かにこれは黒い夢です^^
桜坂洋さんの「10月はSPAMで満ちている」は、スパムメールを書く仕事に就いた男と魚肉ソーセージの話。桜坂さんの小説「よくわかる現代魔法」の果穂ちゃんがちょっと大人になって出てきます。主人公の男が果歩ちゃんと間接キスしやがって!思わずほほが緩んでしまったけど、どこも黒くないじゃん(笑)
ここまでは名前を聞いたことのあった人の作品。
誉田哲也さんの「天使のレシート」は天使という名前のコンビニ店員のお姉さんと主人公である少年のお話。途中からどこにオチが行くのか分からないまま読んでいましたが……この中で一番鬱な終わり方でしたよ。
岩井志麻子さんの「哭く姉と嘲う弟」は、直接的ではないけれどもエロチックで意味深な雰囲気を持つ小話が素敵でした。