◆ 耳栓のティターニア

昨日の夕食に続き、今日の昼食も運に見放されていました。そこで当初の予定とは違うオムライス屋に行ったのですがとてもおいしかくかつボリュームもあったのでよかったよかった。しかも、お店からの帰り道でお笑いコンビのロバートが撮影を行っている現場に遭遇。なんかカレンダーをやぶいていましたよ。人生なにが起こるか分かりませんね。塞翁が馬ってことでしょうか。
さてさて、ロバートの馬場さんは緑色の髪をしているわけですが、それに触発されてか、緑色の髪をした南国の精霊さんが踊り狂う小説を読んだわけでして。

続きがでて欲しいものです。コミカルxシリアス


増子二郎土くれのティターニア (電撃文庫 (1290))メディアワークス,2006   類似検索


大好きな『ポストガール』シリーズを書かれていた増子さんの新シリーズ。頭もよく取り巻きまでもいて”花の女神”と呼ばれている美少女・明日香とその幼なじみであり主人公・良文のコンビが不思議な体験に顔を突っ込む物語。
きみは闇を狩って」明日香と良文が久々に出会うところから始まります。良文は半ば強引に巻き込まれる形で、魔女狩りと関わります。前とは変わったことやってきたなーと思ってましたが、ここまで陰湿な雰囲気を帯びているのはこの話だけかな。「鳥と獣の集う場所」コンビを組んでマガツモノ退治をする話。案山子扱いされる主人公に対して、精霊さんがいい味だしてます。
声は響いて」たまたま拾った携帯電話を巡る話。一話目で周りの環境を書き、二話目で二人の距離感を描くことで骨組みを作り、流れに乗り始めてきたこの三話目から特に私好みの話になってきた予感を覚えました。「全部、それぞれの想像のなかにあったほうがよかったのだ。」という言葉が印象的。
秘密は封じて、胸のなか」クラスメイトの女子に、お気に入りのブツのタイトルを握られ良文が脅迫される話。わりあいコメディ風味で読んでて楽しかったですよ。「虹の下には」一話目とこの巻そのもののまとめみたいな話。
増子さんがあとがきにも書かれていますが、甲田学人さんの「Missing」シリーズっぽさはあるし妖怪なんかもでるけどホラーではないし、世界観を細かく作り上げた異能バトルってわけでもありません。連作短編集だしジャンル分けはうまくできませんが、なんとも妙な雰囲気を持ったコンビを温かく見守っていければいいかなと。「恋愛物だろうが、ホラーだろうが、童話だろうが――ハッピーエンドなら、それでよし!」こんな感じです。


③ 天外レトロジカル 四巻 Amazon② 僕の血を吸わないで コミック Amazon① ポストガール Amazon
この小説が好きな人にお勧めする③
①増子さんの『ポストガール』シリーズ。ロボットの郵便屋さんの少女の物語。→四巻感想
阿智太郎さんの『僕の血を吸わないで (電撃文庫)』シリーズ。吸血鬼がでてくるラブコメ
浅野りんさんの『天外レトロジカル』シリーズ。星の記憶を集める少女の物語。→五巻感想