◆ おもちゃを取り上げられました

朝、疲労からぐっすり休んでいるところに友人から「野球を見に行かないか?」との電話が。アメリカに行ってたこと知ってるはずだし、朝からの電話は勘弁してください。私はゆっくり眠りたいんだよ〜。
ああ、それにしも本当に帰ってきてしまいました。非日常から日常に。さよならアメリカ。さよなら夢の国。さよならミッキー。
まあ日常があるから非日常が楽しく思えるのかも知れませんでして。

最初は笑えて最後は笑えないミステリxダーク


浅井ラボTOY JOY POP (HJ文庫)ホビージャパン,2006   著者検索類似検索


HJ文庫は初めてです。酒店でバイトする奈緒美が、奇行で有名な脚本家・福沢が主催する<フクサークル>なるものに巻き込まれるところから、物語は始まります。このサークルはただ駄弁るだけが目的で、この小説自体もそんな側面を持ているような。そんなわけで万人受けする話ではないです。
ひたすらに福沢がボケて、他の女四人が突っ込みという進行。ギャグの切れ味はされ竜の如くよし。奈緒美の視点でずっとそんな展開が続くと思いきや、奈緒美が関節ババアに因縁をつけられたり、他の四人にしても何やら暗い部分が明るみに出てきます。躊躇もせずに関節をバキバキ折ってしまう関節ババアこえー。老婆なんて分類では絶対くくれないし。
そしてそれ以上に怖いのが、瑛子と真央のコンビ。ガクガクブルブル。逆に「私たちは、私たちの言動の動機を、すべて意識的に捉えられるわけではない」とかおっしゃる椎名と福沢さんのコンビはわりと超然としているので、恐怖はないのです。共感するとかそういう話じゃなくて、劇を眺めてる感じで読むのが吉かな。と言っても、共感しながら読める人はなかなかいないとは思うのですが、どうなんでしょう。
終盤は怒涛の伏線回収騒ぎ。こんなものまで伏線だったのかと思うこと確実です。おもちゃ箱の中には色んなものが詰め込まれていましたよ。そうそう、福沢の無茶苦茶な脚本で作られた劇ってのを一度見てみたいものです。女の子に囲まれてる福ちゃんに幸あれ!
(追記)てかこれ、実行犯とかいたんだ。てっきりこの本全部が福沢シナリオとかそんな話かと思ってましたよ。いや、なんとなくですが。


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