ゼペットの娘たち

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コミカル6癒し4
三木遊泳『ゼペットの娘たち (電撃文庫)アスキー・メディアワークス,2008
三木遊泳さんの作品感想


意思を持つ機鋼人形・ハリケーンと犬型のトルネード、そして彼女たちを作り上げた少年・サツキの物語。サツキは人形のことしか頭にないし、ハリケーンは作られて日が浅いので経験が足りないしで、犬型のトルネードに常識をたしなめられるという構図の三人組が楽しいな。


三人組が楽しい要素は色々あります。サツキが周りに気を配らないように見えて一本筋は通っている少年らしさが素敵です。もっとも、変態すぎるし胸をもませろとか言うのでおじゃんですが。
おかしな機能をつけられてその変態なサツキに従うしかないトルネードは無性にかわいいです。かっこいいセリフを吐くものの犬型であるための不便さからいまいち決まらないところも憎めないですね。
また、サツキの傍にいたいという一途さには思わず私の心もピュアになりそうでした。サツキとトルネードの仲に嫉妬するところはきゅんと音を立てそうになりましたよ。機械仕掛けじゃないのでそんな音しませんが〜。


同じく作り手と人形のコンビであるニコとエレガンテやロックハイム家の人々、最高の技術を持ったレイン・ミラーなど登場キャラもわりと多め。
しかも、連作短編の形をとっているのですが、どのキャラも一話使い捨てじゃないところがグッド。これは楽しみなシリーズが一つ増えました。


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