空ろの箱と零のマリア 2

空ろの箱と零のマリア〈2〉  Amazon
ミステリ5癒し3コミカル2
御影瑛路空ろの箱と零のマリア〈2〉 (電撃文庫)アスキーメディアワークス,2009
シリーズ感想
御影瑛路さんの作品感想
人々の願いを歪な形で叶える箱を巡る物語。シリーズ2巻目。イチゴタルトに乗っかってるカラーイラストが好きです。芋羊羹じゃこうはいかない。
前回綺麗に終わらせていたので、どうするのかなと思っていましたが、敵は放置状態でしたね。一輝と麻理亜は再び事件に巻き込まれていきます。


購買のパンなど、前巻の拒絶する教室の影響が出たりあるいは出ていなかったりするのが、ゾクゾクしますね。麻理亜と2人で周囲を警戒しつつ学校で過ごす場面は、前の緊張感を思い出させてくれていい刺激。
新登場の浅海さんの嫉妬と毒舌っぷりが加減を知らないな〜と思いながら読んでいましたが、全力を発揮しだすのは一輝の告白が始まってから。
この展開は麻理亜の動揺も見られて楽しい限り。一輝の母親に堂々と一夜を共にしたことを宣言するなど、麻理亜の行動もズレててニヤニヤです。その面白さと反比例して一輝の日常は追い込まれてゆくのですが。
ただ絶体絶命のピンチに陥っても、「私は世界中の誰よりも、星野一輝と共にいた人間だからだ」発言に繋がる辺りがポイント高し。どうしようもない状況だったはずなのに、かなり勇気づけられましたよ。


ミステリとしての醍醐味を中盤まで味わい、その後は内面の物語に踏み込んでいきます。人格と存在の区別についてにも触れられていましたよ。妙に心をくすぐるテーマが出されるのでこのシリーズは好きです。
最後の修羅場もおいしゅうございました。そして物語が片付いたと思った最後に、爆弾発言が。これは3巻が気になります。