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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ルパン三世PARTIII 第22話「ダイヤに炎は似合わない」

脚本:平野靖士 絵コンテ・演出:曽我部孝 作画監督:柳野龍男

綿密な計画を立てダイヤモンド商社の大金庫を狙うルパンたち。金庫に忍び入りお宝を目の前にしたまでは良かったが、何とダイヤは一瞬の内に燃え尽きてしまう。金庫に保管されていたダイヤの正体はただの石炭。ダイヤを燃やしたのはルパンだと新聞が報じる中、その真相を探る不二子は商社の社長セシル・ローズの企みを掴む。元々この仕事はローズから不二子を通じてルパンに依頼されたもの。ダイヤを盗み市場価格を吊り上げて欲しい、と言うのが狙いであったが、ローズはルパンさえもダシに使い、本物のダイヤをアラビアの商人に売りさばくつもりだったのだ。取引現場でダイヤと代金の両方600億ドルを頂戴しようと企むルパンだが、銭形警部の乱入と、自らの策に溺れた結果残ったダイヤは僅かに一個だけだった。

「二兎追う者は一兎をも得ず」「策士策に溺れる」を地で行く破目になる作品。演出のテンポも軽快で良作の一つ。今回の不二子さん、肩を出した黒と赤の服装で色っぽい。ダイヤモンドが炭素の結晶であることを利用し、燃えて焼失することをトリックとオチに使っている。中盤からはローズに雇われたマヌケな殺し屋が登場。銃を撃てば撃つほど自滅していくお馬鹿な殺し屋で、逆ギレの態度に次元も「ああいうのを責任転嫁って言うの。Are you know?」「走ってたら自然に全滅してくれるんじゃない?」と余裕の態度。アラビアの取引現場では、ダイヤの山にガソリンを撒きタバコの火を近づけて脅迫するルパン。ところが銭形警部の乱入と、ヘリが飛行できる重量をオーバーしていることからまず札束を投げ捨て、更には咥えタバコのままローズと喋るもんだから、タバコがポロっと落ちて……。こういうオチもたまには良い。作画については、Aパートは柳野が全て修正を担当。空中ダッシュしながら機銃の弾を叩き落す五右ヱ門など動きも激しい。なお、五右ヱ門の斬鉄剣でダイヤモンドは斬れないそうだ。Bパート直後からルパンが灰の中からダイヤを一個見つけ出すまでは柳野が修正を加えていない。恐らく曽我部孝だと思われるが真相は?セシル・ローズ役には村松康雄。「セシル・ローズ」って、イギリスでダイヤモンド産業を牛耳った政治家の名前なんだってね。なるほど。

ルパン三世 PARTIII Disc.5 [DVD]

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