人生 第3章

人生 (第3章) (ガガガ文庫)

人生 (第3章) (ガガガ文庫)

炎上したけど祭りはないよ……! 夏休みも終わり、二学期が始まってから数日。 主人公の赤松勇樹(あかまつ・ゆうき)は例によって第二新聞部の部長・二階堂彩香(にかいどう・あやか)に叱責されていた。「勇樹に必要なのは、心のアンテナを張り巡らせること。そして燃えるような情熱を持つこと!」「……そういえば、なんか焦げくさくない?」 炎上ッ! 祭りやマーケティングじゃなくて、人生相談受付BOXそのものが焼失ッ! 必死で消火にあたった赤松を横目にスクープ写真をゲットした彩香は、この件を記事にすべく取材をはじめる。 一方、燃え残りを集めて作られた切り貼りの質問に答える、体育会系代表のいくみ、理系代表の梨乃(りの)、文系代表ふみの3人。当然、質問にも答えにもなるはずがなく……。 お悩み相談の舞台は学校から商店街へ! 報道、露出、売上、欲望、放火のこと……。twitterでも相談募集中! 超☆感動・人生相談3回目!! いくみの憧れ、商店街のヒーロー・コガネン登場! 【編集担当からのおすすめ情報】 TVアニメ絶賛放送中『人類は衰退しました』の田中ロミオがゲスト審査員を務めた「第3回小学館ライトノベル大賞」にて、審査員特別賞を受賞した川岸殴魚の最新シリーズ! 業界内外で話題騒然!

3巻目。1巻でフォーマット作って2巻でフォーマット崩しにきて3巻で安定してきて、という流れ的にもいい感じで成長してきてるんじゃーないでしょうかこのシリーズ。たまにギャグラノベを手にとってみると笑わせようとしすぎで白々しい、パロディネタばっかり読まされる、の2点が必ずマイナスポイントになるんですがこの著者の作風はそういうところがなくて安心なんです。文章が素朴でぼそっとぼやいているようなところに侘び寂びがあって自然に笑ってしまう。パロディも使うときには使うんですがスパイス程度。それより独自にシチュエーション作ってギャグを振って落としにくる姿勢に誠実さを感じるというか。あと萌えキャラを書くタイプの作家ではないと思うんですが頑張って萌えを書こうとしたのが効いたのかヒロイン3人が立ってきたし会話が面白くなってきましたね。ギャグは豊富なんだけど脱線したりどうでもいい展開が多いな、と思ってたら終盤きっちりまとめてオチに持っていくのはなかなかの芸でした。暑さで頭が回らない中、ゆるーく読めてたいへん楽しかったです。次巻は文化祭ネタらしいのを匂わせていたので秋ぐらいには出ると勝手に決めつけて新刊を待ちたいと思います。ところで赤松って誰だよ、と思いながら読んでたら主人公か!