沼地のある森を抜けて 梨木香歩「沼地のある森を抜けて」。
いろいろと気になる部分が多すぎて、なんて感想を書いていいかわからなかった。(-_-)ゞ゛ウーム
「苺」「ぐるり」の流れなんですよね。そうそう。
今回は、細胞膜とか、表現されているけれども(笑)。そこんとこを突き詰めた結果、こういう物語ができたと。
作中人物の風野さんという人は、自分の中の男性性に絶望して、「有性生殖ということを自分の存在の埒外に置く」を実践している人だったのが、最終的には、あんなことになって・・・(読んだ人はわかる)。これはフィクションだけれど、こうして人の世が続くのは結局のところ、遺伝子の記憶のおかげであることは間違いないんだろう。個をどんなに主張したところで、人間はそもそも、遺伝子には勝てないし(いや、今は勝てるのか?)、「任せる」「信じる」ことができれば、なんとか種としては生き延びることができるんじゃないかな〜とかなんとか。ああ、まとまんないな。でも明日は返さないといけないし。買うか?

書店のレヴュー

叔母が突然亡くなり、先祖伝来のぬか床を受け継ぐことになったOL上淵久美。そのぬか床から不思議な人々が現れるようになり・・・。◆ストーリーは、ファンタジーというかSFというか、あっと驚くような展開となるわけだけれど、それは読んでのお楽しみ。前作のエッセイ集「ぐるりのこと」で個と群れ、そして境界について様々に考察を重ねて行き着いた物語と言えるでしょう。戦争や暴力、事件など退廃的な世の中にあって人の在り様を考えたとき、たとえ種が滅びようとも新しい可能性にかける必要があるのではないのか・・・?◆なかなか難解な結末でしたが、読み応えあり。05/10/29 ★★★★