「きのう、火星に行った。」笹生陽子。

きのう、火星に行った。 (講談社文庫)

きのう、火星に行った。 (講談社文庫)

主人公の山口拓馬君(小学校6年生)は、頑張らなくともそこそこ何でも出来てしまうタイプ。勉強も優秀、足だって速い。そんなわけで面倒なことは何もしない、頑張らない。テストだって、メンドーな作図問題はやらないで出しちゃうし、見直しもしない。
・・・こんな風に世の中ナメてると、ろくな事にならないよ、ホント。
もちろん、ちゃんとストーリーは否が応でも面倒なことに巻き込まれるようになってくる。
病弱で入退院を繰り返していた弟が戻ってきたり、体育祭の選手に選ばれたり、ガキ大将のカンニング事件とか。
「クール」と「無気力・無感動」は違う。欲しいのは生きてる実感。カッコ悪くたって、がむしゃらとか一生懸命の方が人生楽しいんだよね。
大人も充分楽しめる児童書でした。

書店のレヴュー

小学6年生山口拓馬、趣味は何もしないこと。◆この主人公の拓馬君、小学生にして既にやたらと冷めている。何でもそつなくこなすことが出来る反面打ち込むものが見つからないのだ。そんな時に、病弱で療養中だった弟が久しぶりに家に帰ってきて、彼の生活は一変していく。◆今の暮らしがつまらない、満足できない、そんな不平不満を並べたところで、何も変わらないのだ。「熱く生きている人たち」が羨ましく見えたなら、とりあえず何でも一生懸命やってみよう、という気にさせられる、大人の人にも読んでもらいたい一冊。05/11/28 ★★★