「僕たちは歩かない」古川日出男。
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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なんか、マーガレット・ワイズ・ブラウンの「あかいひかり みどりのひかり」を思い出した。リズムが似てる。
書店のレヴュー
僕たちの野心が、僕たちに叶えられるのを待っている。◆ここでないどこか。あっちには一日26時間の東京がある。料理を極めようとする僕たちは集まり、あっち側の厨房で料理の研究会を作って切磋琢磨している。が、突然の事故でメンバーの一人を失ってしまう。◆時間のずれが生じる場所に26時間の東京の入り口がある、というファンタジーか都市伝説のような設定だ。仕事が終わったあとあちら側の世界へ行き、「多い2時間」を使って料理の研究を続ける若者たちの真摯な姿勢に胸を打たれることが度々。「2時間多い」あちら側の世界は、寸暇を惜しまずより上を目指し努力する人のためのもので、誰でも行けるわけではないのだろう。◆独特の文体が力強くてとてもよい。07/04/04★★★