「魚神」千早茜。

魚神

魚神

本土から離れ独自の自治を持つ孤島に捨てられていた赤ん坊の姉弟、白亜とスケキヨ。婆に拾われ育てられたが、いずれ成長した時には身売りに出される運命。二人だけの世界で生きていたいのに離れ離れに…

雷魚の伝説、遊郭、隔絶した世界とその中の裏の世界、月の光、夜の闇、生ぬるくヌメヌメした水のイメージ。妖しく幻想的です。
途中から蓮沼というヤクザな人物が登場して、そこからの勢いが良かった。激しく惹かれつつも、避けあう二人の関係が悲しいな…。ラストはもっと壮絶な悲劇でも良かった気がするのですが、、、。
第21回小説すばる新人賞受賞作だそうです。これからが楽しみ。