「傍聞き」長岡弘樹。

傍聞き

傍聞き

ミステリー風味のあったかいお話が4つ。表題作は第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。
読みやすく優しい人情物でしたが印象は薄いかな〜この方は初読みですが、しばらくするとお名前も忘れてしまいそうな雰囲気。もっとインパクトが欲しかった。それと納得できない点もチラホラ。
以下メモ。
『迷い箱』刑務所を出所した人の社会復帰を手伝う更生保護施設で働く女性が主人公。ずっと気がかりだった人物が行方をくらまし…。
どんなに心を尽くしても気持ちが伝わらないことがあるもどかしさ。でも続けていればいつかきっと報われることもあると信じていたいよね。
『899』消防署員の独身男性が主人公。自宅アパートの隣に住む子持ちの女性に恋をして。その女性宅が火事に!
乳児虐待を含みちょっと重いのだけれど。結末は、、、これでいいの?みたいな。私的には虐待も職務怠慢も許せないよん。
『傍聞き』夫に先立たれた女性刑事が主人公。思春期の娘とのやり取りが良かった。お母さんは自分の子供のことを信じてあげなくっちゃいけないなあ…はぁ。
『迷走』救急車に搭乗する救急救命士が主人公。婚約者の女性は交通事故で車椅子生活。加害者は医師で…。
これは、、、いけないと思います。なんだか納得いかないけれども、結果的にキッチリ仕事してるからいいってことなのかな…。ま、フィクションだし、いいか。