「無貌伝〜夢境ホテルの午睡〜」 望月守宮。

無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)

無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)

「双児の子ら」に続くシリーズ2作目。「ヒトデナシ」と呼ばれる怪異が存在する世界。ヒトデナシの一種「無貌(むぼう)」は人の顔を奪う…という超特殊設定のなかでの殺人事件の謎を解く。


面白かった!前作はレトロな雰囲気だったけど、今回はファンタジー度高めでメルヘンちっく。ホテルがみる夢の世界で過ごす一週間、って、簡単には説明できないのが残念なのですが、それがとても魅力的でホンマ夢の世界でしたわ。よくこんなの思いつくな〜感心。その世界に選ばれた人々が、それぞれの思惑のために行動する…視点がコロコロ変わるやり方。登場人物が多いのに混乱することもなく読みやすかったです。
ミステリー部分は、あまりにも特殊な設定なのでアレですが(現実ではありえないもんねぇ)、伏線が丁寧に張られていて手が込んでました。犯人(真相)は気付かなかったぜ。
ストーリーは切なくしんみり。三探偵の一人である近松が今回の主役だったな〜彼の歩んできた道が険しくて泣けました。これからは茜さんと幸せになってほしい。
主人公の望くん。使命に燃えたり、凹んだり、立ち直ったり、の浮き沈みが大きすぎで、ちょっと気になりました。
さてさて、これで主だった面々が本気になった様子。無貌と探偵の真っ向勝負とか用意してるのか、どうなの?次回作が楽しみだ。