「窓の外は向日葵の畑」樋口有介。
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/07/29
- メディア: 単行本
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息子と父親、二人の視点で描かれたミステリー。
迷い癖のあるシゲルと思い込みの激しいハードボイルド親父の会話が面白い。ミステリー部分も、高校生の失踪から溺死事件、ひき逃げ事件、暴かれる過去、と急展開が目白押しで面白い。
しかしながら、トータルでは微妙な…。まず幼馴染みで幽霊の真夏ちゃんの役割が謎。可愛くっていい味してて好きだったけど、ストーリーには全く絡んでこなかったし、いなくてもよかったんじゃないかと。
そして事件の真相が重過ぎてる。しかも主役二人が事件に翻弄されたまま終わった感じで、一層読後感がスッキリしなかった。「美しい女はその宿命に、みんな罪を背負っている」って親父の小説そのものってオチなのかもしれないねえ。