大滝渓谷「大滝」 0052福島031

滝名称：大滝（おおたき）　Oo falls
所在地：福島県郡山市（ふくしまけんこおりやまし）　Kooriyama City Fukushima　prefecture　　
滝落差：１０メートル
滝　幅：２メートル
河川名：
その他：
駐車場：あり
難易度：★★★★★（歩きやすい林道を10分、微妙な踏み跡と崩落した斜面、川の石渡りを1時間）
訪問日：2013年6月2日

ネットを探しても全く画像が出てこない滝で、与えられたヒントは、「大滝渓谷の奥にある落差10メートルの滝」。落差的にこの滝が大滝と思われるのですが、次のスケジュールがあったので、ここより奥の探索は断念しこの滝で撤退しました。
訪問される方へ、とにかく深山です。熊除けは必携です。

付近の御霊櫃峠は風の通り道。標高は1000メートル程度ですが森林限界を超えています。

車が並んでいる辺りが御霊櫃峠の分水嶺。
この峠は中央分水嶺なので、写真の左側に降った雨は、阿武隈川を経て太平洋に、右側に降った雨は阿賀野川を経て日本海に注ぎます。

　前九年の役のとき、義家に従ってきた鎌倉権五郎景政がこの地の賊徒を征伐し、多田野神社に御霊として祀られた。
　ところが賊徒の怨霊がその後里人に崇り、冷風や雨がしきりに襲って五穀が実らなくなってしまった。困り果てた里人は相談して景政の御霊を多田野神社から奉じて、峠の頂上近くにある櫃の形をした大石の上に鎮座を願った。
　するとこの祈りが通じて冷風雨はおさまり、五穀は豊かに実った。それ以来、里人はこの石を御霊櫃石とあがめ、峠を御霊櫃峠と呼ぶようになったという。

名前が高じて心霊スポットのようですが、夜に訪れると郡山市の夜景が見られます。
さて、早速大滝渓谷に向かいましょう。
渓谷の入り口は、御霊櫃峠郡山市街地側手前に看板が出ています。
その看板にしたがって走ると、民家の切れたところで、2車線のタ―マック（舗装路）から、1車線のグラベル（砂利道）になります。（今度ラリーを見に行くのでラリー用語を使ってみたかったのです。）
ひたすら奥へ走ると、2013年6月2日現在、崩落の為通行止めの看板が出ています。
ですが、頑張れば、もう少し奥まで行けます。
右側を流れていた川が、通行止めの手前で左側に変わり、その川をもう一度渡る手前に駐車スペースがあります。
その奥は、道が水流によって大きくえぐれているので通行できません。

林道と川が交わりながら奥の広場まで続いています。
ここには、案内板が立っていて大滝渓谷には10メートルの大滝がある旨が記されています。
「手付かずの自然が残されており、地域の人に守られ親しまれている美しい渓谷です。」
これを読んだ時に、「手付かずの自然」より、「地域の人に親しまれている」を強く読んでしまい、そんなに奥まで行かなくても大滝があるんだろうと錯覚しなんとなくそのまま川の遡上を開始しました。

そんなに大変ではないと錯覚したもう一つの点が、踏み跡があった事。
道ができる位人が行っているなら、そんなに大変じゃないだろうと思ってしまいました。
冷静に考えれば、ネットに滝の画像が無い、それなりに幅のある渓流と言う事を考えると、釣り人がつけた踏み跡だったのでしょう。

所々崩落が見られますが、進む事が困難な状況は起こらず、奥へ奥へと進みます。

時々訪れる分岐は、流れる水量が一番多い沢を選択しました。

小さな滝が時折現れます。

沢に分け入って以降では、大滝に次いで落差のある滝で、その落差は2メートル。

ここが全行程で一番の難所でした。
右岸の崩落による倒木で沢が完全に閉鎖されています。
行きは、右岸の土の斜面に取り付き、川底から5メートル位の位置に土の斜面を削って足場を作りながら突破。
帰りは、左岸の土手上を歩いて、土手の左岸に斜めに生えた木を最初の手がかりにし、さらにその下に生えていた細い木を次の手がかりにして降下。
細い木が根こそぎ抜けて2メートル位飛び降りるような形になってしまいました。

　
小さい滝が次々に現れます。渓谷も両側が狭まってきて、いい加減大滝が出てきてもいい頃だよな…と、思いながら歩を進めます。

なかなかもったいつけて滝は現れません。

次のスケジュールがあったので、あの角を曲がって滝が現われなかったら、撤退しようと決めました。

角を曲がると、大きな滝が目に飛び込んできました。
ようやく大滝に到着しました。

水中です。