和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

有職文様・2〜☆


正六角形を上下左右に繋いだいわゆる亀甲文様はおめでたい柄として案外知られている。



東洋では亀の甲羅を連想する。浦島太郎が竜宮城に行った時の亀を連想するか・・小さなミドリ亀を連想するか・・は自由であるが、亀と思うと何だか野暮ったい。
同じ柄ではあるが西洋ではミツバチの巣、「ビーハイブパターン」と呼ばれる。
イギリスかどこかの映画を見ている時に柔らかいシフォンか何かの綺麗な柄のスカーフにこの亀甲模様の柄が綺麗にプリントされていたのを見た記憶がある。小さな亀甲文様はあくまでミツバチの巣の一つのしきりなので何処までも小さくて垢ぬけていた。
また、横道行きそうなのでもどる・・

全部を隙間なく埋め尽くすものもあれば、ところどころ切れた形で繋がっているものもある。それを「破れ亀甲」という。
さしずめ英語では「ブロークン・ビーハイブ・パターン」か??  知らぬ。

この六角形、三つくっつけたら毘沙門亀甲。上の図では左。
毘沙門天の甲冑の文様に使われたことからこの命名。
毘沙門天は北の方角を守る守護神で、福徳富貴を司どり、日本では七福神の一つ。
この毘沙門亀甲も着物や帯に使われる。

さてこの亀甲文様はそれだけだと単なる割り付け文様にしかすぎぬ。
亀甲絣とか、亀甲小紋とか。

実際には亀甲文様の中に色々な模様を配して着物や帯に使われる。
           ・・・松、鶴、宝尽くし、楓、つる草、・・・などなど・・

あしらう模様が、菊、鶴、花菱を配したときだけは例外として有職文様とみなされるとされている。
菊や鶴はなんとなくわかるだろうが、花菱・・について。
花をひし形に意匠化したもので良く出てくる。それを亀甲模様の中に配すると・・


         ★  亀甲花菱文様  



私の手慰みぐらいでは分かりにくい。
上手にならねば。(お絵かき帳は案外難しい。)
何か実物はないかと探してみた。
     
振袖の時にする袋帯
40年前位のもの。40年前、緑とか青とかの地色が一時流行した。その時のもの。
亀甲花菱文様が瑞雲の中に配されている。
写真では分かりつらいが織の技法「繧暈(うんげん)」が使われている。
織の暈しの表現方法。それはまたいつか・・機会があれば・・だが。




銀糸が反射してうまく見えない。美しい輝きがある。
フラッシュも使わないのにここまで反射するのは多分プラチナ箔の糸を使っているのではないか・・自分が買ったものでないので知らぬ。
留袖用の袋帯として求めたものと思われる。頂いたもの。
30年程前の物らしい。その時までは金地の帯がはやっていたが、銀地にスポットが当たりだした頃のもの。
大きな亀甲柄の中に様々の花が配置されている。
画面の角度を変えてみてもらうと柄がはっきりする。




ここ何日かで、正倉院文様、有職文様・・とても簡単に。
柄の格と言うことを書いたが、格は柄だけでなく糸、技法、素材などにも及ぶ。糸は細ければ細いほど緻密になってくる。色糸だけでなく金糸、銀糸、プラチナ糸の種類もある。織の技もある。一概には言えないが・・機会を見つけて少しずつ書いていけたら・・・と思っている。私もまだまだひょっこ。書くことにより知識のステップアップが図れたらと思う。

まあ、その前にお絵かき帳のスキルを少しみがかねば・・・

と、いうわけで今日はお絵かき帳が不要なのに無理くそ使った感がある。
許されたし。