お盆といえば仏壇周り・・・
夏用の紗の打ち敷きをお盆用の蓮の花のものに。
全体はこんな感じ。
仏花は蓮の実と花を加える。
多分このあたりまでは宗派もあるだろうがそんなに違わないかと思う。
実は金沢・・というか石川県ここからがちょっと違うらしい。
キリコ・・というものをお墓に下げる。
お墓回りはそれを下げれるようにしないといけない。
で・・そのキリコだが・・・
表には「南無阿弥陀仏」の六字が印刷してある。
勿論昔は全部各自の家で墨をすって書いたのだ。
今は・・・
ま後ろに「南無阿弥陀仏」と自筆で書く。
印刷してあるからと手を抜かぬのだ。
何事も自分でしてこそ意味がある。
横にはこう書く。「献灯」と。
又反対側には・・
「先祖代々」は自分ちのお墓にあげる。
「進上」はよそのおうちのお墓にあげる。
そのキリコを携えてお墓に行くのだがそれぞれ自分の名前を書き入れる。
今年もお墓にお参りしましたよ・・と。
それをどうするかというと・・・
キリコの中にこんな釘がでている。
その釘に蝋燭を立て灯をともす。
で、お参りしたりお経をあげたりするのだ。
勿論ロウソクの火をつけたままにしておくと危ないので今はお参りの後すぐ消してしまう。
昔はこの釘にまず榊(さかき)や樒(しきみ)の葉を一枚挿してから蝋燭を立てたものだ。
その葉がキリコを火から守って消してくれる。
どこのお墓にも榊や樒の木が一本は植えてあるのはそういうわけ。
お盆になれば、お墓にもおうちの仏壇にも灯をともし、お墓から霊魂が家の仏壇に帰ってこられるようにしておくのだ。又お盆が終わればお墓に帰っていけるようにお墓のキリコに灯をともすのだ。小さい時にそんな話を聞いた記憶がある。だからお盆はお墓にも家の仏壇にもきちんとお参りしないといけない・・・と。
何処でも日本国中でお盆はそうするものだと信じていた私。
ところが案外県外ではそんなことをしない・・・キリコって何?・・・の世界だった。
私はこの金沢のというか・・石川県のお盆の風習が何とも好きである。
家の仏壇にお参りしていると先祖の各々方が皆この仏間や仏壇の中に集結している。今でこそ家と言う物は個人の前には余りに意味をなさないような教育を受けている。しかし長い長い年月、辛いこと耐えがたいことがあるなかで、昔の人は粛々と生活し、親を守り、先祖を大事にし、子を育て、家業にいそしんできたことを思うとやはり仇やおろそかにはできないと思うのである。そして今をキチンと生きないと・・・と思うのだ。お盆はそんなことを考えさせてくれる時間をくれるからとっても好きだ。
なんて・・・昨日はそんなお盆の準備をしていた時に電話。
雅詠さん・・・金沢に到着との知らせ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪・・・・・・
昨日は東山で三人で食事会。
何を着て行こうかと随分迷う。
タンクトップにジーンズ姿でいつも動いているのでドレッシーなワンピースでもきようかな、と。
余りの暑さにそのまま行こうかとも。
でもはるばる遠いところから何時間も電車で来てくださった方に、こちらも暑い時とはいえ、礼を尽くそうと思う。
相手がタンクトップにジーンズでも、私は着物以外にないだろう。
白地に蚊絣の麻の着物に科布の帯に着替え雅詠さんのお迎えに行く。
彼女は寒色系のワンピースに白いジャケット。
MIKUちゃんは紫がかったピンクの優しいワンピース。
女性っていいなあ・・・皆さん素敵。
食事会はここ・・・・
実はこの日はお店の定休日。
でも雅詠さんはこの日でないと時間が取れなかった。
金沢に来てここのお店の料理を食べないで何処のお店で食べるというのだ・・・。
で、お店に念の為に聞いてみた。
「定休日は分かっているのだけれど、お盆なのでひょっとしたら営業しているかも・・・」と。
「お休みです。」と。
「・・・・そう〜」力なく言う私に、
「大切な方?」とマダムが聞く。
「とっても。」
なんとマダムもオーナーも実に気持ち良く受け入れてくださったのだ。
しかも行ってみて分かったのは私たちだけ。
ついでに他の客もとる・・・なんてことはしないのだ。
この日はVIP席で私たち三人の為だけに料理を提供してくださったのだ。
あの建物の中に私たち三人。
「満席」の看板を見ながら感謝〜☆
「くりゑンテ」のオーナー、マダムありがと。いつも無理を聞いてくださって。
店内写真撮影禁止なのだが余りに風格のあるお人形に許可を頂いた。
少し年代物だけど多分名のある方の作品に違いない。
薄暗い店内に入った瞬間、そこだけあきらかに光を放っていた。
見た瞬間、いつもコメントをくださる南天さんにお見せしたい、と。
「もし、これがなくなったらその時は私が持って帰ったと思ってたい〜♪」と軽口をたたく。
ここのオーナーの趣味の良さは天下逸品。
この日は雅詠さん、MIKUちゃん、そして私。
出てくる料理は輪島塗の本漆のトレイに盛られていたり、人間国宝の九谷焼の器に盛られていたり、バカラのグラスで美味しいワインを頂く。一番素晴らしいのはそれらの器に負けないお料理。シェフのこだわりと一途さと真剣勝負の心意気までも伝わってくる。しかもこの日は私たち三人の為だけに作っていただいたことを思うと三人とも感無量。写真を撮ることも忘れ料理を堪能。博物館のガラスケースの中に陳列してあるようなものを間近に見、美術館のガラスのケースの中に陳列されているような器で食し、素晴らしい音楽を私たちだけの為に厳選してくださり、本当に至福の一時でした。「くりゑンテ」のオーナーシェフ、マダム・・・ありがとうございました。
私たち三人と言えば、何年も前からの知り合いのように、何回もあっている気心の知れた友人のようにその日は話に花を咲かせましたよ。
昨日は思った以上に遅くまでお喋りしていたので帰宅はちょっと遅れてしまいました。
何を話したかはほとんど記憶にない。ただとっても楽しく穏やかで心地の良い一時でしたよ。
雅詠さんありがとう。疲れたでしょう?
MIKUちゃんありがとう。あれからちゃんと帰れました?
私はといえば、本当にゆったりと穏やかな時間、過すことができかなりリフレッシュ。
雅詠さんのお土産・・・・ダリアの旦那、垂涎の・・・これ・・・。。。
えへっ・・・あげないよ・・・・見せるだけさ〜♪