和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

十人十色〜♪♪

11月9日(土曜日)十二単の着せつけ講習会の最終回が行われた
一年にわたり講習を受けた皆の努力が報われる日。



この講習の話があった時、華やかな十二単なので
われも・・・われも・・・と志願者が多かった。
最初はなんと十二人が名乗りを上げた。
しかし実際始まってみれば決して簡単な講習内容ではなかった。
志願者は十二人が十人になり七人になる。そしてその後も脱落していく。
歯が抜けるように落ちて行く。

回を重ねる度に難しさを体感。見ていると実に簡単そうに見えるのであるが、やってみるとこれがまたとんでもなく難しい。

たとえば・・・紐の結び方一つとっても・・・
小袖の上に結ぶ帯の結び方と袴の紐の結び方と五衣の紐の結び方とさらには裳の結び方と皆結び方が違う。しかもスムースに結ぶためには何回も何十回も練習しないといけない。その都度「えっ?」「あれっ?」「・・・・?」の繰り返し。
しかも講習は隔月なので最初は覚えている気持ちでいても次の講習には完全に忘却。
一人抜け・・・一人抜け・・・ていく。

仕事が・・・家庭が・・・体調が・・・・・・。
決して自分の力不足をはっきり言う方はいない。
そして私はこの性格。何としても踏みとどまってほしいとは思わない。

      「去るもの追わず」
自分で諦めた方はその時点で何を言っても駄目だと思っている。
説得して、協力して一緒に頑張ろうと励ましても、その時は踏みとどまっても何時かは抜ける。
一旦なだめたりすかしたりして残った方はいつも気を使ってやらないと直ぐめげる。
かつて何度かそんな体験をしているので、今では無駄な労力はかけないことにしている。
ただくらい付いても粘る方々は下手であろうが、ドンくさくても何としても一緒にがんばりたいと思う。人の二倍練習時間をかければいい、単にそれだけのことなのだ。
仕事帰りや空いている時間、一緒に頑張ってきた。
頑張る方にはどんな形でもバックアップをしてあげたいと思う、のはこれまた人情というもの。

最終回まで残った方はなんと私をいれて四人。
人の覚悟と言う物はそんな程度のものである。
誰でも手に入れていないものを手に入れる時にはそれ相当の覚悟がいるのである。
中途半端な覚悟は中途半端なものしか手に入らないのである。

そういう意味で今回残った方々は気合の入れようが違っていたし、それに見合う努力もした。仕事帰りにも関わらず最後の追い上げは素晴らしかった。
「分からん!!」「できん!!」「私って馬鹿??」
などという言葉が教室内に炸裂しながらお互いの記憶をつなぎ合わせながら良く頑張った。

以前から教室でそんな話をしていたので、その方々の着せつけを見学したいと言っていた方々に披露することにした。
滅多にない機会ではある。モデルは教室の生徒さんにお願いした。一言言葉を添えると、十二単は着せつける方も大変だが、実は体力的にはモデルが一番大変である。
正しい姿勢、重い衣装、一時間にわたる同じ姿勢・・・幸いなことに、モデルをかって出てくださった方がいたのでお願いをした。
最後まで最初と同じ姿勢を貫かれ、この方の気力も相当なものだと脱帽した私である。




ところで今日のブログは十二単の途中経過は書かない。
これはそのうちHPでドキュメントに書くので・・・
今日はこの見学会に参加した方々の着物と帯のコーディネートをお見せしたい。

各人のコーディネートや素材や柄は言及しない。
楽しんでいただければ・・・・
二重太鼓の形や大きさ、柄の出し方、前の胸元や小物の処理、背中のゆったり感、など写真でないとかなかな分からないのでこの機会に自分の着姿を振り返ってほしい。もし、自分の着姿を批評してほしい方は番号を添えましたので申し出ていただければ気のついたことをお話ししようと思う。ブログのコメント欄を使ってください。
実際目で見ていると難のないように見えても、写真だと案外汚く見えるのも事実。
更なる美しさへのステージに上がるには絶好の機会。


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帯に反対色を持ってくる方、同色でまとめる方、濃淡で合わせる方・・・
小物類もそれぞれの個性で選ぶので正解と言う物はない。
単なるそれぞれのお好み。自分がどうありたいかで決まるだけ。
こういう写真を色々見ることによってお太鼓の柄を何処に持ってくるかで随分印象が違って見えるのも覚えていただけるとありがたい。

着姿の一部分なので完全な全体像は見えないのだが、頭が付き顔が付き足元まであると印象も又随分違ってくるので一番良いのは本物を見ることが一番の勉強であるのは言うまでもない。ブログではお見せできないのだが、なるべくこういう機会をこれからも作って行きたいなあと思う。



最後に私の着物と帯・・





最終回であることと、これまで頑張って講習を受けられる皆さんへの敬意をこめて一つ紋の色無地の着物を選んだ。帯はこの時期の冬の日本海の荒波をイメージして螺鈿の帯。自分のこだわりにすぎないのだが、気持ち良く着物での時間を過ごす・・という点では好きな柄を着る、と言うことはこれはこれで大切なことかと思っている。



今回は最後に茶話会の中で、十二単の知識を含めて少し勉強できる時間も設けましたが、見学のかたがたはいかがだったでしょうか。知識での指導を担当したのはコメントでおなじみのケセラセラさん。



また、取材に来ていただいた中日新聞社の記者さんもすこぶる感激してくださいました。
良い記事にしていただきました。



参加いただいた皆さんに心から感謝いたします。
ありがとうございました。

京都の熊谷先生からは最後まで残った参加者もさることながら、見学しておられた皆さんに大変素晴らしいおほめの言葉を頂きました。見学の姿勢、挨拶の仕方、着物の選び方、着方、そして何より見学する時の皆さんの真剣な態度が実にすばらしく感動したとのお言葉でした。何だか私までちょっと誇らしく嬉しかったですよ。ありがとうございました。


きっと皆さんは何時もとは違う緊張した雰囲気で肩が凝ったのではないでしょうか。
お疲れ様でした。

今回の十二単に関しては出来るだけ早くHPにアップすべく今原稿作成中。
今しばらくお待ちあれ〜♪


最後になり恐縮ですが、

一年間を通し、つたない私たちを指導してくださいました熊谷先生、松山先生本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。(深謝)