トマトの匂い、さつまいもの赤!
露地でもいいハウスでもいいトマトが栽培されている畑の中へ入った経験があるだろうか。なんともいえないむあっとした生臭い強烈な匂いである。
ところで、スーパーや八百屋に並んでいる、また冷蔵庫に入っているトマト。鼻を近づけてその匂いがするだろうか。店先にあるトマトにはあの強烈な匂いの何分の一も残っていない。私は店先に並んでいるトマトは、何かその持つエネルギーを大方、去勢されたものののようににも見えしょうがない。
またさつまいも掘りの実体験をしたことがあるだろうか。土の中から掘り出したさつまいも、水で洗ってあらわれる鮮やかな赤色。その色は脳裏にも強烈に焼き付いている。店先に出るさつまいも、これもごくおとなしい色になっている。これはにんじんでも同じだ。学校菜園でも家庭菜園でも、新鮮なおどろきがいっぱいである。
白いレンコンを食べてるかぎり、深い蓮の泥田での収穫作業の苦労はわからない。ごぼうや山芋でも然り。
ところでトマトの本来持つ生臭さを知らなくても別にどういうことはない。生活に支障があるわけでもない。 しかし、トマト畑の林立するトマトの枝幹の中に頭をつっこんで感ずる強烈な生臭さを知っているということは、また体験しているということは、実にこころ豊かになることなのだ。こころがぐ〜んと広がることなのだ。概念だけで理解せず実地体験が必要だということだけを言っているのではない。
一生主食として食べる米。例えば素足を泥田の中につっこんで田植えをすることも、あの泥の匂いを鼻いっぱい吸うことも、こどもたち、いや大人たちにも貴重な体験や財産になるだろう。写真はヤフーの画像検索より。