害虫回想記・その4・”蚊と蚊帳”


蚊にも悩まされたもの。もっとも蚊は少なくなったとはいえ広く出没している。**マットというような器具を今は使い、防ぐ人も多かろう。

 蚊といえば、昔なつかしい蚊帳。もう日本全国、博物館にでも行かなければお目にかからないだろう。今の若い人たちはそんなものの存在すらも知らないかもしれない。

あの蚊帳ってのはいかにも日本的というか、蚊が発生するのは宿命的なものでしょうがない。それならば甘受して、そのなかでよりましな生活をする道具として考えられたのだろう。だから、そこには蚊を根本的に駆除する、蚊の発生するサイクルを絶つなんて発想はない。蚊をも友として生活するって感じに近い。