”菓子パンの王”、メロンパン? オカシ屋ケンタ氏とメロンパン・2

  メロンパン、不思議な菓子パンだという。ジャムやクリーム、チョコにあんパンはまだわかる。なぜそこに唐突に、”メロン”なのか。メロンパンは別にメロンの切り身あるいは緑色のメロンジャムやクリームが入っているわけではない。ただ、カタチがメロンしているだけのことだ。しかも、その形状はさほど忠実にメロンを描いているわけではない。どちらかと言えば、グレープフルーツの2分の1割りに近い。

 そして、オカシ屋ケン太氏は続ける。−−−しかし僕らは、そのフルーツショップの最高位の棚を飾るマスクメロン様とはあまりにもかけ離れた図体をしたメロンパンを、メロンと信じて愛してきた。表面に塗られたペーストからはるかに香るメロン・フレーバーに、他の菓子パンでは味わえないゴージャスな心地を抱きつつ....。

 やはりメロンパンはメルヘンチックでドリーミーな菓子パンなのだ、と私もつくづく痛感する。