日露外相会談 領土問題は平行線

前原外相は会談後、「これまで合意された諸文書と法と正義に基づいて、交渉を続けることを確認した」と強調。平和条約締結後の歯舞、色丹両島引き渡しを明記した日ソ共同宣言や、四島の帰属問題を解決するとした東京宣言などを念頭に置いたものだが、文書名には言及しなかった。ロシア側が有効性の確認を避けているためだ。
 領土問題の存在自体を認めなかった冷戦期の旧ソ連を思わせる厳しい対応は、ここ数年で領土交渉が大幅に後退したことを示すものだ。前原外相は会談前、「ロシアとの信頼関係を高めたい」と意欲を示したが、菅直人首相が7日の北方領土返還要求全国大会で、昨年11月のメドベージェフ大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙」と非難したことで、ロシア側は激しく反発。「信頼関係を築く」との基本線は早々と崩れてしまった。
さらに、首相発言は、前原外相には「寝耳に水」(周辺)。4日後の外相会談に向け、首相が北方領土大会でどんなメッセージを発するのか、事前に意思統一すら図っていなかった。これには民主党内からも「首相の発言からおかしくなった。とんちんかんな対応だ」(中堅)と批判の声が上がった。
一方のロシア。メドベージェフ大統領は、就任当初こそ領土問題解決に積極姿勢を示したものの、日本の首相の頻繁な交代などで「交渉意欲を失った」(日ロ関係筋)とも言われる。首相発言を受けた9日には「ロシアの不可分の領土」とまで言明した。

政権自身が自分達で一方的にハードルを上げておいてこの結果。

ロシア軍のマカロフ参謀総長は、クリール諸島(北方領土を含む千島列島)に新たなタイプの駐留部隊を創設すると明らかにした。11日のインタファクス通信が伝えた。
メドベージェフ大統領の指示に沿って、駐留部隊に新たな兵器を配備し近代化を図るという。<<