北洋サケ・マス流し網禁止 ロシア下院通過 道東への影響は数百億円規模 他

【モスクワ渡辺玲男】ロシア下院は10日の本会議で、日本漁船も操業するロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁を2016年1月から禁止する法案を可決した。禁止時期の延期を求める声がロシア国内からも出ていたが、下院通過後、上院で法案修正は行われないため、原案通り承認される公算が大きい。法案が成立すれば、北洋でのサケ・マス流し網漁は今年限りで、その歴史に終止符が打たれる。
成立にはプーチン大統領の署名が必要となるが、上下両院を通過した法案を拒否するケースは極めて少なく、禁止見送りを求めてきた日本側は厳しい状況に追い込まれた。
北洋サケ・マス漁が中止になれば、関連産業も含め道東経済への影響額は数百億円に上るとみられる。北方領土交渉を抱える日ロ関係への影響も懸念される。
法案は早ければ24日の上院本会議で承認される。上院が承認すれば、19日以内にプーチン氏が署名するか拒否するかを判断する。

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ウクライナのハルチェンコ大使は11日、東京都内の同国大使館で毎日新聞と会見し、安倍晋三首相が6日にキエフでポロシェンコ大統領と会談し、紛争収束に向けた支援を表明したことを「最も適切な時期に訪問が実現した」と評価した。
一方で、安倍首相がプーチン露大統領の訪日実現に意欲を示していることには「日本政府が(ロシアとの)領土問題を交渉で解決しようとする立場は一貫しており、ウクライナへの支持表明とは矛盾しない」と理解を示した。だが「ウクライナも(2月に結んだ紛争解決のための)ミンスク合意などを通じて、ロシアとの間で外交による紛争解決を試みてきたが、相手側が合意に違反している」と指摘。北方領土問題の解決について「個人的には懐疑的だ」との見方を示した。【大前仁】<<