なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。
参考食品安全情報ナビbyましゅうさん
2010-02-23
■窒息予防のための新しいAAP方針
米国小児科学会
NEW AAP POLICY ON CHOKING PREVENTION
Monday, February 22, 2010
http://www.aap.org/advocacy/releases/feb2210studies.htm
窒息は、特に3歳以下の子どもにとって主要な死亡や怪我の原因である。何でも口に入れる小さい子どもの窒息の原因は食べ物、おもちゃ、コインが多い。米国小児科学会AAPは子どもの窒息予防のための方針をPediatricsの3月号に発表した。
内容としては以下のようなものを含む。
・窒息リスクの高い食品に警告表示を
・窒息ハザードが相当ある食品は回収
・窒息事故の全国モニタリングシステムをつくる
・企業は窒息リスクを最小化するようなデザインを
・保護者や教師や子どもの世話をする人達には窒息への救急対応方法を教える
Policy Statement—Prevention of Choking Among Children
PEDIATRICS (doi:10.1542/peds.2009-2862)
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/content/abstract/peds.2009-2862v1
オープンアクセス
子どもの窒息による死亡で最も多い食品がホットドッグで、他にハードキャンディ、ピーナッツやナッツ、種、ブドウ、生のニンジン、リンゴ、ポップコーン、ピーナッツバターの塊、マシュマロ、チューインガムなど
(子どもはねぇ・・)
■英国議会は「NHSでホメオパシーはもう扱わない」と言う
Science NOW
"End Homeopathy on NHS," Say British MPs
February 22, 2010
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/02/-end-homeopathy-on-nhs-say-briti.html?etoc
英国下院科学技術委員会は本日発表した報告書で、ホメオパシーはただのプラセボであり、NHSで提供されるべきではない、と結論した。1948年からNHSでホメオパシーを扱っている。さらに委員会は医薬品安全性担当機関であるMHRAに対し、無作為対照化試験で有効性が示されていないホメオパシー医薬品の薬局での販売承認を中止すべきであると助言した。
この結論は驚くべきことではない。委員会はさらに「ホメオパシーは十分な試験が行われており、ホメオパシーには効果がないというたくさんの根拠がある」と結論してさらなる研究の要請も否定した。
また委員会に根拠を提出した英国ホメオパシー協会British Homeopathic Association (BHA)に対しても、恣意的選択と誤解を招く提示を非難した。
報告書本文
House of Commons
Science and Technology Committee
Evidence Check 2:Homeopathy
Fourth Report of Session 2009–10
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200910/cmselect/cmsctech/45/45.pdf
かなり明確に否定している
ホメオパシーについてはもう調査や研究すら必要ない、と完全否定。
Sense about science
Publication of Sci&Tech Select Committee’s report on Evidence Check:Homeopathy
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/457
英国メディアは一斉に報道
一方日本では厚生労働大臣が
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1265989441
■[EFSA]EFSAはプラスチックではない食品と接触する物質についての共同プロジェクトを開始
EFSA launches cooperation project on non-plastic food contact materials
22 February 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/cef100222.htm
近年インクや接着剤などのプラスチックではない食品と接触する物質に使用されている物質が食品に移行するという事故がたくさんおこったため、そのような物質の安全性に関する情報を集めて解析するためのワーキンググループを設立した。
2011年3月末までに報告書を提出する予定である。
■[FAO]より持続可能な畜産を目指して
Towards a more sustainable livestock sector
18 February 2010, Rome
http://www.fao.org/news/story/en/item/40117/icode/
FAOの報告書は急激に変化する世界の畜産を解析する
動物由来製品への需要の増加に対応しながら同時に貧困の削減、食糧安全保障、持続可能な環境、ヒト健康に寄与するために、研究や統治が必要である。
The State of Food and Agriculture
Livestock in the balance
■[BfR]リスクとハザードの違いについてのコミュニケーションの評価
22.02.2010
Evaluation of Communication on the Differences between “Risk” and “Hazard”
最終報告書
英語版
PDF 84ページ
一般人対象に実験を行っている。一般のヒトはリスクとハザードを区別していない、しかし適切な情報を与えられれば違いを理解する兆候がある。
推奨される対応としては、できるだけハザードだけではなくリスクについての情報を伝えること、伝えたい相手によって内容は変わる、誤解を減らすために説明のための用語は一定のものを使う、不確実性をきちんと説明する、わかりやすいリスクとの大きさ比較を使う、など。
(日本では一般人の前に自称専門家から教育しないとダメかも。ハザードしか言わないヒト、多いよね。)
■[BfR]ほ乳瓶のビスフェノールAに関するFAQ
22.02.2010
http://www.bfr.bund.de/cd/7195
おしゃぶりのラテックスやシリコンから検出されたという環境保護団体の検査は用いられた手法が不適切であり心配する必要はないことなどを追加
■[論文]メラミン汚染乳製品を摂った中国人の子どもたちの12%に腎障害
Kidney damage in 12 percent of Chinese children exposed to melamine-contaminated dairy products
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-02/cmaj-kdi021710.php
中国においてメラミン含有製品を摂ったことにより病気になった子どもたちの多くが回復したが、12%で腎の異常が残っている。CMAJに発表された論文。
Jian-meng Liu et al.
CMAJ 10.1503/cmaj.091063
Urinary tract abnormalities in Chinese rural children who consumed melamine-contaminated dairy products: a population-based screening and follow-up study
コメント
The continuing barriers to research in China
Jin-Ling Tang
三鹿乳児用ミルクと関連技術はリコール発表の8ヶ月前に中国優秀科学賞を受賞していた。このことは中国において質の高い研究を行うことが、評価システムや資金獲得も含めて、如何に困難かを示す。
■[NAS]米国の高血圧対策のための戦略が必要
Strategies Needed to Curb Hypertension in U.S.
February 22, 2010
http://www.nationalacademies.org/morenews/20100222b.html
IOMの新しい報告書によれば、国民の高い高血圧率を削減するために、公衆衛生当局はより健康的な食生活、塩分摂取量の削減、運動量の増加を支援する政策を作るべきである。高血圧は比較的容易に予防や治療が可能であるにもかかわらず、米国第二の死因であり続けている。医師は患者の血圧管理にもっと貢献できる可能性があるが、まず健康的な食生活と運動により高血圧を予防するための環境を作ることが大きな違いになるだろう。
プレスリリース
IOMの報告書は高血圧は無視されている疾患で、アメリカ人の高血圧予防のためにはライフスタイルと食生活を変えるための戦略が必要と明言
IOM REPORT DECLARES HIGH BLOOD PRESSURE A NEGLECTED DISEASE, CALLS FOR STRATEGIES TO CHANGE AMERICANS' LIFESTYLES AND DIETS TO CURB HYPERTENSION
Feb. 22, 2010
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12819
高血圧の主要リスク要因は体重が重い、運動しない、ナトリウムの多いカリウムの少ない食事、である。いずれも変えることは可能である。
報告書
A Population-Based Policy and Systems Change Approach to Prevent and Control Hypertension
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=12819
(世界は減塩に向かっているわけだけれど、日本は?トランス脂肪よりはるかに重要な課題なのに市民団体も政治家も動かない?)
- 関連
ILSIの2010年年次会合の発表より
http://www.ilsi.org/Pages/2010AnnualMeetingPresentations.aspx
食品のナトリウム含量を削減することによる食品安全上の懸念
Food Safety Concerns Associated with Reducing Sodium in Foods
http://www.ilsi.org/Documents/2010%20AM%20Presentations/Doyle.pdf
一定レベルの安全性を確保しながら減塩するための留意点など
他TTC(毒性学的懸念閾値)プロジェクトの概要などこの会合のプレゼン資料は興味深いものが多い
A Summary of ILSI and HESI Projects on Threshold of Toxicological Concern
http://www.ilsi.org/Documents/2010%20AM%20Presentations/Felter.pdf
遺伝毒性発がん性の構造警告シグナルのある化合物についてのTTCは現在0.15 microg/dであるが、これは生涯暴露を想定したもので、Ames試験陰性で1年以内の暴露については1.5 microg/dを薦める、とか
■[NHS]ピーナッツアレルギー治療法の試験
Behind the Headlines
Peanut allergy therapy tested
Monday February 22 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/02February/Pages/Peanut-allergy-therapy-tested.aspx
BBCニュースが「ケンブリッジの医師らはまもなくピーナッツアレルギーの治療ができるかもしれないと信じている」と報道した。研究者らは2-3年のうちに治療法ができると信じていると言う。
このニュースは大規模無作為対照化臨床試験が始まることに基づくもので、この研究はピーナッツ経口免疫療法(OIT)と呼ばれる、アレルギーをもつ子どもたちに極めて厳格な用量のピーナッツタンパク質を繰り返し投与する、予備的試験が成功したことによるものである。予備的試験が成功したことから予定されている臨床試験の結果が期待されている。
しかしながら重症アレルギー患者に自宅で似たようなことを試みることは死を招く可能性があるため絶対にやってはいけない。もしこの治療法が有効であるなら、成功のために必要な安全で管理された状況で子どもたちに提供されるだろう。
さらにこの治療法は完治させるものではないことにも注意が必要であり、成人で効果があるのかや長期影響などいくつかの未知の問題点も解決する必要がある。
■[FSA]FSAの最新ニュースをメールで
Get the 'buzz' of the latest news from the FSA
Monday 22 February 2010
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2010/feb/fsaenews
FSAの月刊ニュースレターが電子出版として生まれ変わった。印刷や郵送ではなく電子メールで消費者に送付される。これは納税者にとっては節約を意味する。
電子メールアドレスを登録できる。
FSA e-NEWS issue 001
http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/publication/fsaenews0210.pdf
内容はこれまでどおりFSAの活動紹介など
■[その他]オーストラリアのニュース
林業地とがんの「関係」
Tree farm cancer 'link'
February 23, 2010
http://www.themercury.com.au/article/2010/02/23/129601_todays-news.html
ユーカリの木に天然に含まれている毒素が川を経由して飲料水を汚染してヒトのがんを誘発しているという主張がテレビで報道された。
川の汚染による脅威を広報したことで昨年賞を受賞したAlison Bleaney博士が、植えられているユーカリが遺伝子組換えで毒性が増加した可能性があると言っていることについて、林業協会は遺伝子組換えユーカリなど植えていないしユーカリの葉に毒があるのはみんな知っていると反論している。
(警鐘型報道はどんどんどうしようもないものになっていく)