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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2011-10-29

お知らせ

10月に本が出ました。

「安全な食べもの」ってなんだろう? 放射線と食品のリスクを考える

「安全な食べもの」ってなんだろう? 放射線と食品のリスクを考える

内容としては先に出ていた本の発がん物質部分を今回の事故に照らし合わせて少し詳しく説明したもの、という感じです。

できれば先に↓の本を読んでから読んで頂くのが望ましいのですが。

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

新しい本の目的は、食品中の発がん物質を含めたリスクの大きさの相場をつかんでもらう、ということです。数字がでるとどうしても数値を絶対視してしまうかもしれませんが食品の場合は桁が同じなら同じ程度、くらいの感覚です。

先の本の中では発がん物質のリスク評価の方法として、いわゆる線形閾値無し(LNT)モデルを使って何人ががんになるとか推定する方法については、敢えて(意図的に)取り上げませんでした。理由はそれが不正確であることもあるのですが、なによりもリスクコミュニケーションの妨げになるから、です。LNTは、いろいろな物質について何人ががんになって死ぬ恐ろしいものだと恐怖を煽るのにとても便利に使われてきました。どんなに微量であっても絶対にゼロにはならないので「○○は危険だ」という宣伝には都合がいいのです。だから暴露マージン(MOE)を使うようになってきているのですが、残念ながら放射線分野についてはそういう考え方が採用されていないようです。それで仕方なくその手の方法も紹介しました。

このblogを読んでいるような人たちなら大丈夫だと思うのですが、この本を読んで、○○も××もこんなに危険なんだ、とかえって心配になってしまわないといいのですが。

この本の中で一番価値があると思うのは204-205ページの参考表12のMOEの表です。「ほんとうの「食の安全」を考える」にも同様の表がありますが、2009年以降の更新部分を見て頂ければ現在盛んに使われていることがわかるかと思います。

余談。

まえがきで私が学部生の時に与えられたテーマの発がんプロモーターのことに触れているのですが、当時ラットの皮膚に発がんプロモーターを塗って炎症をおこすという実験をしていました。発がんプロモーターとして与えられたものはほとんどが天然物なのですがその中にパリトキシンがあって、これは他の物質より3桁低い濃度(nM程度だったような)で使ったにも関わらず、皮膚局所に炎症をおこすどころかあっさり動物が死んでしまったということがあります。用量を設定したのは指導者ですが、in vitroではそんな猛毒という印象でもなかったので驚きました。この毒素をもつサンゴを素手で触っただけで死ぬというのもなるほど、と思いました。でもそんなものの発がんプロモーター活性なんてどうでもいいような・・。

(パリトキシンはいろいろな魚介類にほんの少しだけ入っていることがありますが測定法はなかったはず。)

シッフズ 鈴木シッフズ 鈴木 2011/10/31 11:35 原発コーナーですぐに見つけました。
図1の食品の安全性についてのイメージ比較は話のツカミとして良いですね。