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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2014-10-06

[]キノコを採るときには注意、中毒専門家が警告

Take care when picking mushrooms, poisons experts warn

2 October 2014

https://www.gov.uk/government/news/take-care-when-picking-mushrooms-poisons-experts-warn

英国では毎年数十人が野生のキノコを食べて病気になって医師に相談する

英国では野生のキノコのうちいくつかは有毒で一部のものは致死的である。最も危険な毒キノコの毒は調理により破壊されない。

今年これまでPHEの委託する中毒情報サービス(NPIS)に84症例についての相談があり、キノコシーズンであるため再び警告する。

NPISのJohn Thompson博士は「気候が変わり多くの人が田舎で野生の食品を探しにいくだろう。これはとても楽しい。しかし野生のキノコについては現実的な危険の可能性がある。中毒症例が増えるのは毎年この時期だ。野生のキノコには安全で美味しいものもあるが毒キノコと見分けるのは経験者でも難しい。このため本当に詳しいヒト以外は野生のキノコを食べるべきではない」

2013年のNPISへのキノコ中毒についての問い合わせは237件で、英国全地域から報告されている。その多くが10才未満の子どもである。

[]適量定期的飲酒が「精子を傷つける」かも

Behind the headlines

Moderate regular drinking may 'damage sperm'

Friday October 3 2014

http://www.nhs.uk/news/2014/10October/Pages/Moderate-regular-drinking-may-still-damage-sperm.aspx

Guardianが「週にたった5杯の飲酒で精子の質が下がる」と報道した。デンマーク軍人の研究で例え適量でも定期的に飲酒することは質の低下に関連することがわかった。この研究は1200人のデンマークの軍の新人(平均年齢19才)について精子の質をしらべ飲酒習慣について質問したものである。全体としては飲酒と精子の質に明確な関連はなかったが、その週はいつも通りだったという45%のヒトに限定して解析すると飲酒と精子の質の低さに用量相関がみられた。全く飲酒しないヒトでも精子に質の問題はみられること、精子の質と飲酒を同時に評価していること、飲酒量の正確さなどに問題はある。しかしながら大量飲酒の悪影響については既に知られているため、飲酒量を減らすことに悪いことはないだろう。

[]TR-589:ペンタブロモジフェニルオキシド(テクニカル) (DE 71)

TR-589: Pentabromodiphenyl oxide (technical) (DE 71)

http://ntp.niehs.nih.gov/results/path/tablelistings/longterm/tr500599/tr589/index.html

病理の表更新

[]論文等

  • 中西部の4つの米国保護地域での両棲類集団の状態についての指標とそのアトラジン暴露の可能性

Indicators of the Statuses of Amphibian Populations and Their Potential for Exposure to Atrazine in Four Midwestern U.S. Conservation Areas

Walt Sadinski et al.,(USGS(米国地質調査所)の研究者)

PLoS ONE 9(9): e107018. doi:10.1371/journal.pone.0107018

http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0107018

トウモロコシ栽培地域から距離の異なる湿地の両棲類を繰り返しサンプリングし測定した結果。ヒョウガエルLithobates pipiensの奇形はトリアジンの濃度とは関連がなく吸虫感染と関連がある。吸虫感染とトリアジン濃度は関連がない。トリアジン濃度はトウモロコシの栽培地域に近い方が高い。結論として両棲類の苦闘はトウモロコシの栽培とはあまり関係なくそれぞれで、アトラジン暴露の生態影響は複雑である。

(何の話かというとアトラジンがカエルを滅ぼすというTyrone Hayesの主張はフィールドでは根拠がない、ということ)

  • シブトラミン含有減量コーヒーを使用したことによる命に関わる精神病

[Life-threatening psychosis caused by using sibutramine-contaminated weight-loss coffee].

Bertholee D, et al.,

Ned Tijdschr Geneeskd. 2013;157(51):A6676. Dutch.

Brazil Potent Slimming Coffeeを使用した43才女性がナイフで自分の腹を刺した症例

  • ニンニクを密着させたことによる化学火傷

Chemical burn caused by topical application of garlic under occlusion.

Xu S, et al.,

Dermatol Online J. 2014 Jan 15;20(1):21261.

http://escholarship.org/uc/item/88v527wg

オープンアクセス

自然療法としてニンニクを使ったための41才男性の重症化学火傷の症例。

ニンニクと塩でペーストを作ってラップで3時間。写真がある

  • がん予防のためのセレニウム

Selenium for preventing cancer.

Vinceti M, et al.,

Cochrane Database Syst Rev. 2014 Mar 30;3:CD005195. doi

一部のがんでセレニウム暴露と負の関連が観察されているがこれを因果関係の根拠とみなすことはできず解釈には注意が必要である。逆相関、無相関、相関など矛盾する結果が報告されており最近の研究では利益がなく一部の試験では有害影響が示唆されている。セレニウムサプリメントがヒトでがんを予防するというしっかりした根拠はない。

2011年のレビューの更新

  • GIANT研究は身長に関連する多数の遺伝子を発見

GIANT study reveals giant number of genes linked to height

5-Oct-2014

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-10/bch-gsr100214.php

これまで最大の国際共同研究により400以上と2倍になった

300研究機関以上が参加し25万人以上を対象にした過去最大規模のゲノムワイド関連研究(GWAS)は、身長に影響する遺伝子の数を約2倍の400以上に増やした。Nature Geneticsの10月5日号に発表。

身長はヒトの遺伝学の理解のモデルとして、測定が簡単で約80%が遺伝子で決まると推定されていることから選ばれている。

(わずか数十程度の遺伝子検査が占いレベルである理由)

その他

  • 我々は肥満の科学を間違った方法でみているのか?

HealthUnlocked

Are we looking at Obesity Science the wrong way?

JossS

https://healthunlocked.com/healthyevidence/posts/131207974/are-we-looking-at-obesity-science-the-wrong-way?

私自身が肥満なので肥満についての論文や意見には興味がある。

問題なのは多くの政治家や科学者がジャーナリストやセレブ同様、自分の利益のために事態を悪化させているということだ。肥満の真の科学はなにか?

私が言いたいのは入るエネルギーから出るエネルギーを引いたら太る・あるいは痩せるということだ。真実はたくさん食べればどんなものでも太る、という単純なものである。

食品毎にカロリーは違うが、足せばいい。食べる量を減らしたら体重が減った。

ジャンクフードだろうが地中海食だろうが同じ。それなのに我々は何か悪いもの、批判すべきもの、規制すべきものを探し続け明白なことには目をつぶっている。

  • 希望の力

Be Well  The Power of Hope

by John Swartzberg, M.D. | October 02, 2014

http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/stress/mind-body/article/power-hope

私はここしばらくプラセボ効果について書いてきた−プラセボは健康と福祉にとって極めて重要で時に混乱を招く。鍼についての記事では何度も出てくる。

鍼の見かけ上のメリットのうちどのくらいがプラセボ効果なのだろうか?これはほとんど全ての補完代替医療にとって重要な質問であるが、主流の医学にとってもそうである。研究者や医師はプラセボ効果を憎み/愛している。プラセボ効果が出るのは好ましいが治療の効果が全てプラセボであるようなものは欲しくない。

プラセボ効果は治療薬や施術者への信頼や期待があると見られる。これは患者の期待と治療の効果を見分けるのを難しくする。大体どんな治療でもプラセボ効果は10-40%のヒトに見られると推定されている。プラセボは詐欺に使われるのが悪評になっている。

鍼についての論文をいくら読んでもプラセボ効果以外の効果があるかどうかわからない。しかし通常の治療で改善しない患者さんの腰痛などに鍼を薦めることはある。治療に役立つならプラセボ効果を利用するのは有りだろう。

  • 鍼のツボ

The Finer Points of Acupuncture

by Berkeley Wellness | October 01, 2014

http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/finer-points-acupuncture

アジアで数千年にわたって行われてきた鍼は近年世界中で科学的研究がなされている。しかし本当に効くのか、効くとしてもどのような状態に、についてはいまだに議論が続いている。単なるプラセボであるという主張から効果があるという主張まで、誰が正しいのだろう?

(長い説明)

鍼の効果に対する期待が結果に影響するのは確実、二重盲検プラセボ対照試験は難しい

基本として普通の治療に反応しない慢性の腰痛などのある人はやってみる価値はあるかもしれないが重要なことは滅菌鍼を使ったよく訓練されたプラクティショナーを選ぶことと(他の重大な病気はないという)医師の診断を受けていること。

  • ワクチンのアルミニウム:あなたが知るべきこと

Aluminum in Vaccines: What you should know

http://www.quackwatch.org/03HealthPromotion/immu/aluminum.pdf

フィラデルフィア子ども病院のワクチン教育センターの報告書

Vaccine Education Center

https://www.chop.edu/service/vaccine-education-center/home.html

他いろいろ資料あり

  • Martha Grout医師、アリゾナ医事当局から叱責

Casewatch

Martha Grout, M.D., Reprimanded by Arizona Medical Board

Stephen Barrett, M.D.

This page was posted on October 2, 2014.

http://www.casewatch.org/board/med/grout/reprimand.shtml

アリゾナ州で高度医療アリゾナセンターを設立・運営しているMartha Grout医師が、網膜芽細胞腫の18ヶ月の女の子にアミグダリンを投与し呼吸不全で5時間後にシアン化合物中毒で死亡した。Martha Grout医師はホメオパシー医でがんの自然療法をやっていると謳っている。

  • Whole Foodsがホメオパシー宣伝で訴えられる

Whole Foods sued over homeopathic claims

August 27, 2014

http://washingtonexaminer.com/class-action-filed-over-whole-foods-allegedly-worthless-homeopathic-medicine/article/feed/2160181

Whole Foodsのホメオパシーインフルエンザ薬等のオリジナルブランド“365 Be Well”に対して、成分は希釈されていて効果はないのに消費者を騙しているとして集団訴訟。

http://www.casewatch.org/civil/whole_foods/herazo/complaint.pdf

  • イタリアの悪徳幹細胞療法を終わらせる道

Natureニュースblog

End of the road for rogue stem-cell therapy in Italy

03 Oct 2014 | 17:05 BST | Posted by Lauren Morello

Posted on behalf of Alison Abbott.

http://blogs.nature.com/news/2014/10/end-of-the-road-for-rogue-stem-cell-therapy-in-italy.html

イタリアの保健大臣Beatrice Lorenzinが10月2日に、政府は昨年約束した議論の多い幹細胞療法へを支持しないと宣言した。専門家委員会の結論に基づくこの宣言は、この治療の開発者であるDavide Vannoniとイタリアの科学者と健康担当部門との2年にわたる苦闘にけじめをつけるものである。この間、たくさんの患者や家族がDavide Vannoniを支持してローマの街をデモしニュースが多く報道された。昨年10月に専門家委員会がこの治療法はインチキだと結論していたが12月に裁判所がこの委員会の法的根拠が違法だと判断し、大臣が今年初めに再度委員会を作って同じ結論に至った。Davide Vannoniの財団は2007年以降80人以上の重症患者、主に子どもを治療したと推定される。

(専門家が見たら明らかにインチキであっても、信じたい患者がいて政治家が政治力を行使すると大きな問題になりうる。他人事ではない)

  • アルコールのがん警告表示:我々はそれが必要か?

シドニーモーニングヘラルド

Warning labels about cancer on alcohol: do we need them?

October 6, 2014

http://www.smh.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/warning-labels-about-cancer-on-alcohol-do-we-need-them-20141002-10pb8d.html

西オーストラリア大学と西オーストラリアがん評議会がアルコールのがん警告表示についてどのようなものがベストかを調査した。より若い、教育レベルの高い女性のほうが表示を受け容れられるとした。

人々は適量飲酒は害がないと考える傾向があり、赤ワインは健康によいとすら考えている。これは飲酒にとって都合の良いニュースは受け容れやすく、都合の悪いニュースは大量飲酒者や中毒患者に限られるとみなされる傾向があるためであろう。

おまけ

アクリルアミドの発がん性問題 「ポテチに多い」で慌てる必要はない

http://www.foocom.net/column/editor/11634/

補足

毎日新聞の記事は多分食品安全委員会が遺伝毒性発がん物質であると判断したものをフルに評価することになるのはこれが初めて、ということがニュースだということなのだろう。

遺伝毒性発がん物質はアフラトキシンの基準値や放射性物質などでこれまで扱ってはいるのだけれど、今回は食品中の主要課題として真正面から扱うことになる。無機ヒ素については食品安全委員会は遺伝毒性発がん物質とは明確に判断していないので。

「遺伝毒性発がん物質」という専門用語の解釈は松永さんの言うように別に次世代影響について考えているわけではない。もちろん生殖細胞に働けば次世代には影響するが、メインはあくまで発がん物質の中で、遺伝子に直接影響するかどうかで分類するために使っている用語。私は個人的にはgenotoxic carcinogenは遺伝子傷害性発がん物質のほうが好きなのでそっちを使っていたのだけれど学会で用語を統一するというので従ってきた。遺伝子傷害性が却下されたのはこれだとDNAに直接結合したり切ったりするようなものだけのようなイメージになって染色体の異数性を誘発するようなものが含まれないから、だったと思う。専門家的にはそうなのだけれど、この単語が一般の人たちにどういう印象を与えるかまでは考えられていなかったと思う。日本語だと「遺伝」には「遺伝する」hereditaryという意味がどうしても強いのだろう。リスクコミュニケーションに使う言葉、という観点では「遺伝毒性」はあまり良い言葉ではない。だから使うたびに説明するか、あるいは思い切って別の言葉を使ったほうがいいのかもしれない。アクリルアミドに関しては遺伝子傷害性でもいいと思う。

そしてアクリルアミドのリスクの大きさについては日本人での暴露量がよくわからないので――というか海外のデータでも暴露評価がとにかく難しいので影響が有るとも無いとも言えない。一応主な暴露源は欧州ではコーヒー、フライドポテト、ビスケット、クラッカー、パン等とされているが全ての食品のデータが有るわけではないので。ブラックオリーブとか飲料とかズッキーニとかコショウとかが報告されたりする。そして低減策は実はあまりうまくいっていない。極端に高濃度のものを下げることはできても有る程度以下にはなかなかならないし、家庭での調理で生じる分については全く未知数。

あと誤解がありそうなのはこれは魚や肉の焦げの話とは違う(それはPAHや多環芳香族炭化水素)こと、昔から食べているのだから問題ないという「食経験」は、平均寿命が短ければ発がん性はほとんど問題にならないのであまりあてにならないということ。

いずれにせよ、食品添加物や残留農薬よりはるかにリスク管理の優先順位は高いのにほとんど話題にならないのは不思議、というものではある。ただそれは特定の誰かの陰謀ではないだろう。「ポテチに多い」だけではなく「野菜チップに多い」とも「ラスクに多い」とも「コーヒーに多い」とも書ける。「(砂糖や小麦製品など)褐色のものより白いものを」と言うこともできる。