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2016-08-19

[]甲状腺がん流行の主要駆動力は過剰診断:高所得国の女性の甲状腺がんの最大50-90%が過剰診断と推定される

Overdiagnosis is a major driver of the thyroid cancer epidemic:up to 50–90% of thyroid cancers in women in high-income countries estimated to be overdiagnoses

18 August 2016 –

http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2016/pdfs/pr246_E.pdf

IARCがイタリアAviano国立がん研究所と協力して行った新しい報告は、近年いくつかの高所得国で報告されている甲状腺がんの流行増加は多くが過剰診断(つまりその人が生きている間に症状をおこしたり死亡につながったりする可能性がほとんどない腫瘍を診断すること)のせいであることを示した。

NEJMに本日発表されたこの論文はIARCの質の高いがん登録データを用いて12ヶ国(オーストラリア、デンマーク、イングランド、フィンランド、フランス、イタリア、日本、ノルウェー、韓国、スコットランド、スウェーデン、米国)の甲状腺がんの過剰診断事例数を推定した。

この研究を主導したIARCの職員科学者Salvatore Vaccarella博士は「米国、イタリア、フランスで、超音波検診が導入された後の1980年代以降最も激しく甲状腺がんの過剰診断がおこっているが、韓国が最近の最も劇的な事例である」という。「甲状腺超音波検診が広く提供されるようになってたった数年で甲状腺がんが韓国女性で一番多いがんになった。2003-2007年に甲状腺がんと診断された事例の約90%が過剰診断と推定される」

同じ期間に女性の過剰診断事例の割合はオーストラリア、フランス、イタリア、米国で70-80%、日本、北欧諸国、イングランド、スコットランドでは約50%と推定された。男性でも銅余杖あるが女性ほど激しくはなく、症例ははるかに少ない。男性での甲状腺がんの過剰診断の割合はフランス、イタリア、韓国で約70%、オーストラリアと米国で45%、その他の国で25%以下である。

全体としてこれら12ヶ国で過去20年間に女性47万人と男性9万人が甲状腺がんと過剰診断されたと推定する。

健康診断の増加や頸部超音波検査(1980年代以降)やより最近ではCTやMRIなどの新しい診断技術の導入が多くの致死的でない、健康な人によくある病変の検出につながった。ほとんどのこれら腫瘍は症状や死亡の原因とはならない。

「過剰診断された甲状腺がんの多くが、生存率を上げる根拠がないまま甲状腺全摘手術となりしばしば頸部リンパ節切除や放射線療法などの他の有害な治療対象となっている」と論文の著者の一人Silvia Franceschi博士は言う。

これらのデータに基づき、IARCの報告の根拠は甲状腺の系統的スクリーニングと小さな結節の精密検査をしないよう注意を呼びかける。経過観察が低リスク腫瘍患者にとっては望ましい選択肢であろう。

IARC長官のChristopher Wild博士は「研究対象となった12ヶ国で50万人以上が甲状腺がんと過剰診断されていると推定される。甲状腺がんの過剰診断と過剰治療の劇的な増加は、多くの高所得国で既に深刻な公衆衛生問題であり、同じようなことが中から低所得国でも起こっている兆候がある。従って甲状腺がんの流行対策と患者を不必要に害することを避けるための最良のアプローチを評価する根拠を得ることが重要である」という。

  • 世界中で甲状腺がんが流行している?過剰診断の影響が増加している

Worldwide Thyroid-Cancer Epidemic? The Increasing Impact of Overdiagnosis

Salvatore Vaccarella, Ph.D., Silvia Franceschi, M.D., Freddie Bray, Ph.D., Christopher P. Wild, Ph.D., Martyn Plummer, Ph.D., and Luigino Dal Maso, Ph.D.

N Engl J Med 2016; 375:614-617August 18, 2016

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1604412

ここ数十年、甲状腺がんに関連した死亡率に変化がないにもかかわらず甲状腺がん、主に小さな乳頭腫、の発生率が劇的に増加していることを記述したいくつかの報告がある。最大の増加は韓国でかんさつされている:15から79才の年齢での発生率(世界人口で標準化)は1993-1997年の10万人当たり12.2例から2003-2007年の10万人当たり59.9例に増加し、甲状腺がんが韓国女性で最も多いがんになった。

新しい診断技術(超音波検査、コンピュータートモグラフィー、磁気共鳴画像解析)と検診の増加、医療へのアクセス向上との組み合わせで、甲状腺に存在することが知られている致死的ではない症状のない保有者の、小さな乳頭病変の検出が劇的に増えることにつながった可能性がある。ハイリスクと噂された(purported、どちらかというとネガティブな、つまり大した根拠もなく偽って宣伝された)集団での大規模甲状腺サーベイランスによる突然の甲状腺がん発生率の変化もおこっている。日本の福島県では、2011年の核事故対応として始められた集約的スクリーニング計画の開始後たった数ヶ月で検査対象になった子どもや青少年の甲状腺がん発生率が全国平均の約30倍にもなった。

異なる期間の各国での甲状腺がんの発生率を比較する研究が過剰診断−つまり放置していれば症状も出ず死亡することもない甲状腺腫瘍を診断すること、の推定に役立つ。ここに我々は、質の高いがん登録データと最近開発された方法に基づく、特定の高所得国での過去20年間の甲状腺がん過剰診断の指標を提供する。がん登録が長期間ある国の人々を対照集団として用いて、1970年代後半に超音波が導入される前の1960年代の甲状腺がん発生率の年齢ごとの傾向の形を推定した。この「歴史的」年齢曲線は集団が違っても驚くほど似ていて、年齢に応じた指数関数的増加を示し、Armitageと Dollにより記述された多段階発がんモデルの知見と一致し、ほとんどの上皮がんのふるまいとも一致する。この歴史的年齢カーブを用いて、もし甲状腺がんの検出が主に触診でありつづけた場合に予想されるであろう甲状腺がんの数を推定した。

1980年代以降、年齢別曲線は劇的に変化したがその程度は国により違う(グラフ参照)。中年女性での発生率は次第に増加しているが(男性でも、補遺参照)、高齢者ではもっと少なく多様で、年齢カーブは時代とともに指数増加型から逆U字型に変わってきている。

我々は診断技術の改善と検診の増加の後での、主に若年から中年の、症状のない、多段階モデルで予想される数を超えて診断される症例は過剰診断事例だとみなした。

女性の観察された年齢カーブの大きな変化は甲状腺がんの「流行」が最も大きい国、米国、イタリア、フランスを含む、で見られた。驚くべき増加は50-59才の韓国女性で観察され、1998-2002年は10万人あたり約35だったのが2003-2007年は10万人あたり120以上になった。これは1999年には韓国成人の約13%が他の5つのがん検診の枠組みでの任意の甲状腺超音波検査を受け、最も参加率が高かったのが50-59才の女性(26%)だったからである。一方米国、オーストラリア、イタリアの発生率の増加は1980年代に始まり、特に45才未満の女性で、産婦人科病院に超音波が導入され始めたころで、そのせいで生殖可能年齢の女性がたまたま甲状腺を調べることが多いことになる。

甲状腺検診の増加による甲状腺がんの推定数もまたびっくりするようなもので時代とともに増えている。もし年齢カーブの形に変化がないとすれば(超音波導入前のデータから推定される)、米国では1988年から2007年に甲状腺がんと診断された女性の約228000例が過剰診断だと推定される。イタリアでは65000、フランスでは46000、日本では36000である。韓国女性では1993年から2007年に約77000の甲状腺がんが過剰診断である。オーストラリアではもっと少ないがそれでも相当数の10000、イングランドとスコットランドで7000、北欧諸国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)で6000である。

過剰診断は1988年から2007年の間に多くの国で増加した(グラフや補遺参照)。2007年以降のデータはないため我々はこの傾向が続いているのかどうかわからない。しかし最新の2003-2007年のデータを見ると、韓国では甲状腺がんと診断された女性の90%が過剰診断、米国、イタリア、フランス、オーストラリアでは70-80%、日本、北欧、イングランドとスコットランドでは50%が過剰診断である。

男性でも同様のパターンが観察されているが女性ほど顕著ではなく、ピークはより高年齢にある。推定される過剰診断の数も女性より少ない。2003-2007年の男性の甲状腺がんのうち過剰診断と推定されるのはフランス、イタリア、韓国で約70%、米国とオーストラリアで45%、他の国では25%以下である。

全体としてこれら12ヶ国で過去20年間に女性47万人と男性9万人が甲状腺がんと過剰診断されたと推定する。それは時代とともに増加し安定化の兆しはない。従って現時点では、甲状腺がんに関連する死亡率は変化していないあるいは少し減っているにもかかわらず、症状のない甲状腺がんの同定に限界はないように見える。

これらの似たような、地理的に近い高所得国の急激な増加傾向や国による違いを説明できる、甲状腺がんの原因となる新しいリスク要因ができたあるいは既知の要因への暴露が増えたという根拠はない。甲状腺がんの体細胞突然変異パターンの時代による変化が報告されているがこれは超音波導入による乳頭腫の比率の増加を反映している可能性がある。さらに診断用放射線、過体重あるいは糖尿病の増加のようなリスク要因の変化はそれ自体が検診増加と関連する。医療へのアクセスや医師の実務の変化、甲状腺の意図的検診あるいは偶然の発見などが最も可能性の高い説明であろう。

我々の研究した国で甲状腺がんと診断された人たちの相当多くが甲状腺の全摘手術を受けていること、相当な割合がさらに頸部リンパ節切除や放射線療法などの他の有害な治療を受けていることに留意することが重要である。これらは最近アメリカ甲状腺学会のガイドラインで薦めないとされた。さらに日本の研究では甲状腺がんによる死亡を避けるには監視と直ちに手術することに差がないことが報告された:小乳頭腫のある1235人の患者を平均75ヶ月フォローしたところ臨床的な症状が出るまで進行したのはごく僅か(3.5%)で、誰も死亡していない。韓国、米国、イタリア、フランスの例は甲状腺がんの系統的検診はしないよう注意すべきであること、1cm以内の小さな結節は過剰治療すべきでないことを示唆し、低リスク乳頭甲状腺がん患者のより良い選択肢として経過観察を最優先研究課題とすべきであることを示唆する。

最後に、韓国での超音波検診導入後の膨大な甲状腺がんの増加は、福島での核事故のような例外的事象での放射線暴露後の大規模甲状腺スクリーニングの文脈におけるデータの解釈について強い警告strong warningを発する。(ここで引用されているのはEpidemiologyに発表された津田論文。要するに強いダメ出し)

[]子どもの肥満:行動計画

Childhood obesity: a plan for action

18 August 2016

https://www.gov.uk/government/publications/childhood-obesity-a-plan-for-action

https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/546588/Childhood_obesity_2016__2__acc.pdf

ソフトドリンク業界に課税する。その収入は肥満対策と運動促進計画に使う。

輸入製造業者への課税であって消費者への課税ではない

2020年までに子どもの砂糖摂取量を最低20%削減する

  • 英国砂糖税:政府は計画を発表し意見を募集する

UK sugar tax: Government unveils plans and consultation

18-Aug-2016

http://www.beveragedaily.com/Regulation-Safety/UK-sugar-tax-consultation-launched

3月に発表されて2018年4月から発効するとされた砂糖税は、6月の英国のEU離脱投票で政治的に葬られたと言われていたが本日政府が詳細を発表した。この税は100mLあたり5g以上の砂糖を含む飲料に適用される。

意見募集は8週間で2016年10月13日まで。

フルーツジュースと乳飲料は課税対象から外される。濃縮ジュースは推奨通りに薄めたときの容量で判断する。0.5%以上のアルコールを含むアルコール飲料には適用されない。

小規模事業者は免除される。詳細と意見提出は以下から

Open consultation Soft Drinks Industry Levy

18 August 2016

https://www.gov.uk/government/consultations/soft-drinks-industry-levy

[]ソフトドリンク業課税:あなたが知るべき12のこと

Soft Drinks Industry Levy: 12 things you should know

18 August 2016

https://www.gov.uk/government/news/soft-drinks-industry-levy-12-things-you-should-know

ソフトドリンク業課税は政府の子ども肥満戦略の重要な部分であり、2016年予算で初めて発表された。ここにその仕組みを示す

1. 砂糖税と同じ?

砂糖への税ではなく砂糖入りソフトドリンクの製造・輸入業者への課税

2. これでソフトドリンクの値段がどのくらい上がる?

消費者への課税ではない

3. 何に課税?

100mLあたり5g以上の砂糖を含む飲料について企業に支払いを求める。8%以上の砂糖を含むと税が増える。フルーツジュースやミルクの多い飲料は課税されない

4. 集めたお金は何に使う?

学齢期の子どもの運動や健康な食生活のプロモーション活動に使う

5. 何故ソフトドリンク?

330mLの缶コーラ1本にティースプーン9杯(35g)の砂糖が含まれる。5才の子どもの一日の砂糖の上限摂取量は19gである。

6. 肥満は重大問題か?

イエス

7. ソフトドリンク製造者は製品の組成を変えることがほんとうにできる?

できる

8. 他の国でやっていることと比較してどうか?

フランス、フィンランド、ハンガリー、メキシコなどが何らかの形でソフトドリンク税を導入している

9. 誰が課税を支持している?

健康推進団体やJamie Oliverシェフなど。公衆衛生団体60以上が砂糖税を求めている

10.いつ発効?

 さらに2年はかかる

11.次は?お菓子などにも課税する?

 ノー。お菓子に拡大する予定はない

12.意見を言えるか?

 夏の間パブリックコメントを募集する

[]抗生物質誤表示−カメルーン、コンゴ:シプロ、ナリジクス酸、医薬品は入っていない

Antibiotic mislabel - Cameroon, Congo DR: cipro, nalidixic acid, no drug present

2016-08-18

http://www.promedmail.org/post/4423600

Date: Wed 10 Aug 2016 From: Paul Newton

オリジナルはAlbert PetersenによるE-drug Mon 20 Jun 2016; 13(38),とE-med, Fri 1 Jul 2016; 13(93).

Difäm(ドイツ医療ミッション研究所)−EPN(世界キリスト教会医薬品ネットワーク)−ミニラボMinilab−ネットワークの報告

1.カメルーン:シプロフロキサシンのにせ物

'Jiangxi Xier Kangtai Pharmaceutical Co., Ltd.‘社製と表示されたシプロフロキサシン500mgと750mgに、HPLC検査の結果、医薬品は含まれていなかった

2.コンゴ民主共和国:ナリジクス酸錠剤のにせ物

「アムステルダムのIDA財団が配布」「アイルランドPram-Inter Lab Ltd製造」と表示してある錠剤にナリジクス酸は検出されなかった。IDA財団は彼らのものではないと否定

注としてEPNの声明を紹介している。

Difäm-EPN-Minilab ネットワークは2015年11月にウガンダで開催したワークショップで12ヶ国24人の参加者で2015年の結果を報告し2016年の行動計画を議論した。

検査の結果にせ物だったのはアモキシシリン、クロキサシリン、ジヒドロアルテミシニン−ピペラキン、メベンダゾール、エリスロマイシン、スルファドキシン/ピリメタミン、キニーネ、グリセオフルビン。およそ5%がにせ物であった。

[]ASAは誤解を招く宣伝をしていた代替療法提供者の起訴を歓迎する

ASA welcomes successful prosecution of alternative therapy provider following misleading advertising

4 August 2016

https://www.asa.org.uk/News-resources/Media-Centre/2016/ASA-welcomes-successful-prosecution-of-alternative-therapy-provider-following-misleading-advertising.aspx#.V7Z0EtMkpaQ

我々は、補完代替療法と器具を販売していたElectronic Healingに対する法的対応の結果を歓迎する。我々は取引基準局にElectronic Healingが規則に従うことを拒否したことについて紹介し、不公正取引から消費者を守る規制と食品安全法違反で有罪答弁を経てオーナー夫妻に対してそれぞれ1000ポンドの罰金が8月4日言い渡された。さらに費用の7000ポンド、被害者追徴100ポンドの支払いも命じられた。

Electronic Healingは‘Bob Beck Protocol’という製品については人体の微生物を殺す、‘液体酸素ドロップLiquid Oxygen Drops’についてはエネルギーと免疫を強化し病気を予防する、と宣伝していた。宣伝者はその根拠を提示せず、ASAは違反として掲示した。しかし同社は宣伝を続けたため取引基準局に起訴を依頼した。

(液体酸素云々という商品が売られている)

[]ASA裁定

  • ASA Ruling on FW Medical Ltd

17 August 2016

https://www.asa.org.uk/Rulings/Adjudications/2016/8/FW-Medical-Ltd/SHP_ADJ_337925.aspx#.V7Z4l9MkpaQ

Silicolgel(製品名、コロイド状ケイ酸)が消化管を守り各種消化管疾患の治療や予防に有効だという宣伝が違反。企業はこの製品がClass IIa医療機器に分類されるというドイツの認証を提出したが、分類は有効性の根拠にはならない。また提出されたいくつかの研究は有効性の根拠とは認められなかった

  • ASA Ruling on riotanningtablets.co.uk

17 August 2016

https://www.asa.org.uk/Rulings/Adjudications/2016/8/riotanningtablets,-d-,co,-d-,uk/SHP_ADJ_341684.aspx#.V7aCQdMkpaQ

ケイ酸サプリメントがアルツハイマー病リスクを減らすという宣伝が違反。ASAの問い合わせに回答がない。

  • ASA Ruling on Science in Sport Ltd

https://www.asa.org.uk/Rulings/Adjudications/2016/8/Science-in-Sport-Ltd/SHP_ADJ_313947.aspx#.V7aC1dMkpaQ

スポーツ用栄養ゼリーの「他の製品の2倍早く効く」の根拠が提示されなかった、栄養強調表示にそのような文言は認められていない

[]カルシウムサプリメントは女性の脳卒中後の認知症に関連する

Behind the headlines

Calcium supplements linked to post-stroke dementia in women

August 18 2016

http://www.nhs.uk/news/2016/08August/Pages/Calcium-supplements-linked-to-post-stroke-dementia-in-women.aspx

「カルシウムサプリメントは脳卒中になったことのある女性の認知症リスクを劇的に増加させる可能性がある」とMail Onlineが報道した。しかしサプリメントを使用していた女性のサンプルサイズ(98)は小さく、この主張の信頼性には疑問がある。

このスウェーデンの研究は認知症のない70才以上の700人の女性を含み、そのうち98人がカルシウムサプリメントを使用していた(多分骨粗鬆症への懸念による)。5年後、サプリメントを使用していた女性のうち14.3%が認知症になり、サプリメントを使用していない女性の7.5%に比べて高かった。さらなる解析でリスクが上がるのは脳卒中の既往の人あるいは脳スキャンで血管に傷害の兆候がある人にのみであることを示した。しかしながらこれは脳卒中の経験者15人中6人、血管障害の兆候のある人316人中50人に基づいている。研究者らはこの研究は比較的小規模で観察研究であるため、この知見には確認が必要と言っている。彼らはこの知見を根拠に直ちに何かをするようにとは言っていない。

カルシウムの摂取量は食事だけで増やせる。乳製品や緑の葉物野菜、大豆、ナッツなどは良いカルシウム源である。

[]論文

  • 食事からのオメガ3脂肪酸の摂取量の多さが糖尿病性網膜症リスクの低さと関連する

Greater intake of dietary omega-3 fatty acids associated with lower risk of diabetic retinopathy

18-Aug-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/tjnj-gio081616.php

JAMA Ophthalmologyに発表された研究によると、2型糖尿病の中高年の人で、最低500mg/dの長鎖オメガ3多価不飽和脂肪酸の摂取(油分の多い魚を週に2回食べると達成できる)は糖尿病性網膜症リスクの低下と関連する。スペインPREDIMED研究。

  • オリンピックでのお腹の不調−リーキーガット症候群?

Olympic stomach upsets -- leaky gut symdrome?

18-Aug-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uop-osu081716.php

たくさんのリオオリンピック選手がお腹の問題を報告している。選手村で食中毒になったという説は公式見解は否定している。Plymouth大学のRaymond Playford教授はそれが「リーキーガット」のせいではないかと言う。暑いときに激しい運動をすると「ヒートストローク(熱中症)」とお腹の症状がおこる。Playford教授らはAmerican Journal of Clinical Nutritionに健康食品亜鉛カルノシンを単独でまたはウシの初乳と一緒に摂ると役にたつかもしれないという(8人での)研究を報告している。

(うさんくさいので覚えておく。アスリートは注意。これが大学のプレスリリース)

  • ゲノム配列の決定が如何にしてがんのケアにおける人種格差を拡大するか

How genomic sequencing may be widening racial disparities in cancer care

18-Aug-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uomh-hgs081816.php

科学者が異なるがんの原因となる遺伝子変異について研究すればするほど、彼らは治療の効果に対してたくさんのお金を払う可能性のある少数の患者の治療法開発に集中する。マイノリティは置き去りにされていることが新しい研究で示唆された。JAMA Oncology

(移植だって貧しい人から豊かに人に偏っているのだから再生医療でも最新がん治療でも格差の拡大になるのは明らか。地味な公衆衛生のメリットを享受する人たちはお金持ちでも大声でもない。)

  • 細胞では一部の酸化剤は必要

In cells, some oxidants are needed

18-Aug-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/jdc-ics081816.php

活性酸素分子は多くの病気で傷害をひきおこすが、同時に細胞の防御機構に警告もする

Molecular Cellに発表された線虫とヒトの細胞でのIRE-1研究

(この論文の知見が特にどうこうというのではなく、最近の流行が活性酸素悪玉説に異議を唱える、というものであるという例)

  • 脂肪組織の多価不飽和脂肪酸が死亡率の低さと関連

Polyunsaturated fat in adipose tissue linked to lower mortality

18-Aug-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-08/uu-pfi081816.php

JAMA Cardiologyに発表されたUppsala大学の研究によると、皮下脂肪組織のオメガ6脂肪酸リノール酸が高齢男性の15年間フォローした死亡率の低さと関連する。脂肪組織のリノール酸の割合が多いことは主に各種植物油を多く摂っていることを反映する。

食事研究では長期にわたる食事からの摂取量の信頼できる測定が大きな課題であり、脂肪組織の脂肪酸組成は価値のある貢献ができるだろう。ウプサラ成人男性縦断研究(ULSAM)では853人の男性の71才の時の血液と脂肪組織を採取している。食事記録との相関は良好だった。脂肪組織のリノール酸は心血管系疾患との明確な関連はなかったが総死亡とは関連した。

その他

  • 妊娠中の不健康な食生活とそれに関連するエピジェネティック変化が子どものADHDと関連するかどうかを調べた研究への専門家の反応

SMC

expert reaction to study investigating unhealthy diet in pregnancy and associated epigenetic changes linked to ADHD in children

August 18, 2016

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-unhealthy-diet-in-pregnancy-and-associated-epigenetic-changes-linked-to-adhd-in-children/

Journal of Child Psychology and Psychiatryに出産前の高脂肪高砂糖食とエピジェネティックマーカーとそれらのADHDとの関連を調べた研究が発表された。不健康な食事がADHDの症状の多さと関連すると報告している。

小児科と子どもの健康学会コンサルタント地域小児科医Neel Kamal博士

このアプローチは新しく期待できる。IGF2のDNAメチル化を介した影響という説明はありそうである。さらなる研究が役立つだろう

オックスフォード大学生理学名誉教授John Stein教授

この研究は予備的なものだが非常に面白い。母親が妊娠中に脂肪と砂糖をたくさん食べた場合の影響が子どもが13才になっても続くことが報告されているがその一部がIGF2のDNAメチル化のせいかもしれない。関連は弱く砂糖と脂肪が原因だと証明したわけではないが面白いのは第11番染色体であることである。砂糖と脂肪の影響を区別できるかもしれない。

小児科と子どもの健康学会精神衛生部長Max Davie博士

非常に興味深い論文で、再現性の確認が必要。

但し限界はある。特定の子ども達についてのもので一般化できない可能性がある

現時点ではこの研究を理由に臨床の行動が変わることはない

King’s College London精神医学心理学神経科学研究所子供青少年精神医学名誉教授Eric Taylor教授

妊娠中の高脂肪/砂糖食と子どもの行動上の問題の関連については既に知られている。しかし関連があることはそれが原因であることを意味しない。この研究では不健康な食事が赤ちゃんのDNAを変えることによりその後の問題を引き起こすのではないかというプロセスについて調べてみた。結果は示唆的であるが決定的ではない。不健康な食事が後のADHDと直接関係することを示したものではなく、既に行動に問題がある子ども達で妊娠中の不健康な食事とDNAのメチル化の関連と、DNAのメチル化とADHDの症状の関連を示した。影響は大きなものではなく全ての子どもで見られているわけでもない。しかし今後の研究を導く価値はある。

ADHDの子どもの親はこの研究を、自分の食事のせいで子どもがADHDになったと受け取るべきではない。ADHDの原因は多数あり、通常は影響の小さい因子が多数一緒になって関与する。単一の原因に帰すことは普通は不可能である。ただこの研究は妊娠女性は健康的な食生活をするように、という既存の公衆衛生メッセージを強化する

  • 子ども肥満戦略への専門家の反応

SMC

expert reaction to childhood obesity strategy

August 18, 2016

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-childhood-obesity-strategy/

政府が子どもの肥満対策計画を発表した

Southampton大学発達科学研究所長Mark Hanson教授

待ち望んでいた子ども肥満行動計画が今や発表された。それは英国が直面している問題の大きさを正しく強調している。

政府の計画にはいくつかの良いことも含まれるが、この分野の専門家や多くの保護者ががっかりしたのはまだ十分ではないということである。WHOが今年1月に発表したECHO報告書を引用していないのは驚きである。政府の計画では医療従事者や教師同様子ども達や保護者の責任が大きいという立場を続けている。生まれたときから既に肥満への道のりを歩き始めているという、子どもの肥満の一生的性質については無視している。将来親になる可能性のある人たちに、妊娠前から健康的なライフスタイルにし、妊娠前や妊娠中は肥満と糖尿病を予防し母乳を与えることを推進する必要がある。政府の計画が不足していることは現実的な危険である。

この計画はこれがこの問題への対策のための対話の始まりであると言っているのは良い。肥満を止めるには全ての関係者が参加する必要がある

  • 砂糖税:英国業界は課税は失業と値上げをもたらすだろうと主張

Sugar tax: UK businesses claim levy will result in job losses and higher prices

Tuesday 16 August 2016

http://www.independent.co.uk/news/business/news/sugar-tax-uk-effects-obesity-levy-higher-prices-job-losses-businesses-claim-a7193351.html

2016年の予算の一部としてソフトドリンク業界に砂糖税を課すことが発表され、英国の業界団体は再考を求めるキャンペーンを火曜日に開始した。“Face the Fact, Can the Tax campaign”は砂糖税は肥満を減らさず失業と価格の上昇を招くと主張する。

  • Jamie OliverがTheresa Mayが子ども達の肥満対策計画に失敗していると言う

Jamie Oliver says Theresa May is failing children over obesity plans

19 August 2016

http://home.bt.com/news/uk-news/jamie-oliver-says-theresa-may-is-failing-children-over-obesity-plans-11364080625091

政府の子ども肥満対策がTheresa May総理大臣によって生ぬるいものになったと主張。

Jamie Oliverは食品業界に対してお菓子のテレビでの宣伝禁止やスーパーでの販売制限などのもっと厳しい対策を要求している