食品安全情報blog RSSフィード

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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2017-07-12

[]汚染物質と食品添加物のデータ提出に求められる特別な要件

Specific reporting requirements for contaminants and food additives occurrence data submission

10 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1262e

EFSAは食事暴露評価を行うために食品中の化学物質存在に関するデータを求めている。食品と飼料の標準サンプル表記(SSD)は、様々なデータ提供者(加盟国、学術研究所、企業関係者など)からEFSAに提供される化学物質データのEFSA基準である。SSDは各サンプル固有の説明を可能にするおよそ20の必須データ要素(分野)を含んでいる。いくつかの化学物質にはサンプルと分析結果を説明するためのより詳細で特別な情報が必要である。この文書はEFSAに食品添加物と食品と飼料中の特定汚染物質に関する分析データの提出に必要な特別要件について詳しく述べている2015年に発表された以前のバージョンを改訂し置き換え、2017年から報告が義務化される。

[]動物実験の必要性を減らす可能性のある新しいツール

New tools to potentially reduce need for animal testing

10 July 2017

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170710

EFSAは最近食品と飼料中の化学ハザードのOpenFoodToxデータベースを開始した。このデータベースは動物実験の削減を支援する可能性のある、リスク評価のための毒性情報の豊富な情報源である。

  • EFSAのオープンツールボックスのデータベースで刷新的なin silicoモデルを開発

Developing innovative in silico models with EFSA’s OpenFoodTox database

10 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1206e

外部監査報告

  • 危機管理に関するEFSA2017ワークショップ―植物の健康

EFSA 2017 Workshop on Crisis Preparedness – Plant Health

6 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1266e

植物の健康の科学者やリスク管理者など29の代表者がポルトガルに集い、植物の健康に関する様々な話題について3日間会議を行った。

[]食品添加物としてのペクチン(E 440i)及びアミド化ペクチン(E 440ii)の再評価

Re-evaluation of pectin (E 440i) and amidated pectin (E 440ii) as food additives

EFSA Journal 2017;15(7):4866 [62 pp.]. 6 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4866

欧州委員会の要請を受け、EFSAの食品添加物および食品に添加される栄養源に関するパネル(ANS)は食品添加物としてのペクチン(E 440i)とアミド化ペクチン(E 440ii)の再評価について科学的意見を出すよう求められた。食品科学委員会(SCF)はE 440i と E 440iiに許容一日摂取量(ADI)を「特定しない」とした。ペクチンとアミド化ペクチンは完全なままで吸収されないが、動物とヒトの腸内微生物叢により広く発酵される;消化管のペクチンから形成される製品はペクチン由来の酸性オリゴ糖製品(pAOS)と類似している。ペクチンとアミド化ペクチンに遺伝毒性の兆候はないが、入手可能なデータは限られている。ラットの慢性毒性試験では最大5,000 mgペクチン/kg bw/日の量で有害影響は報告されていない。ラットのペクチン由来酸性オリゴ糖での食事一世代生殖毒性試験では、調べた最大用量6,200 mg/kg bw/日で投与関連の影響は観察されなかった。パネルはE 440i と E 440iiにアレルギーを起こす可能性があるとは考えていない。ヒトでは6週間 36 g/日の用量(515 mg/kg bw/日に相当)で有害影響はなかった。食品添加物として使用するペクチンへの暴露は95パーセンタイル(ブランドロイヤルシナリオ)で幼児に最大442 mg/kg bw/日までである。一般人に食品添加物としてのペクチン(E 440i)とアミド化ペクチン(E 440ii)の使用に安全上の懸念はなく、ADIを数値化する必要はない。

[]ヒトと動物の麦角アルカロイドへの食事暴露

Human and animal dietary exposure to ergot alkaloids

EFSA Journal 2017;15(7):4902 [53 pp.]. 6 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4902

麦角アルカロイド(EAs)は草の子房上に寄生する数種の菌が生産するマイコトキシンである。欧州で最も広まっている種は麦角菌で、一般にライ麦、小麦、ライ小麦、大麦、キビ、オート麦などの穀物に影響を与えている。食品と飼料のサンプルを使って、主な12のC. purpurea EAs:エルゴメトリン、エルゴシン、エルゴコルニン、エルゴタミン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン(α-及びβ-異性体)及びそれらの類似-イニン(s)-エピマーについて分析してヒトと動物の食事暴露を推定した。ライ麦とライ麦を含む商品に高濃度のEAsが報告された。ヒトでは平均慢性食事暴露は「幼児」と「その他子供」のそれぞれ0.47 と0.46 μg/kg bw/日の最大UB推定量で最も高かった。95パーセンタイル暴露は最大UB推定量0.86 μg/kg bw/日の「幼児」で最も高かった。UB推定量はLB推定量より平均して4倍高い。平均急性暴露(MB 推定量)は「乳児」の0.02 μg/kg bw/日から「その他子供」に推定された最大0.32 μg/kg bw/日までの範囲だった。95パーセンタイル急性暴露では、「その他子供」(0.98 μg/kg bw /日)の年代の食事調査で最大量が推定された。動物の食事暴露推定量は平均濃度シナリオを想定して、肉牛の0.31–0.46 μg/kg bw/日から子豚の6.82–8.07 μg/kg bw /日 (LB–UB)まで多様であり、一方、想定される高濃度シナリオの暴露推定量は同種で1.43–1.45 μg/kg bw /日から 16.38–16.61 μg/kg bw /日 (LB–UB)まで多様である。菌核含有量とEAs量の間の統計的に意味のある直線関係が、様々な穀物(大麦、オート麦、ライ麦、ライ小麦、小麦粒)で観察された。だが、菌核のないことが確認されたサンプルで測定可能な量のEAsが検出されているため、菌核がないことがEAsの存在を除外できない。 

[]意見等

  • 確証データを踏まえたメトスルフロン-メチルの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for metsulfuron-methyl in light of confirmatory data

7 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1257e

スロベニアが概要をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントに関する結論を提示した。

  • 確証データを踏まえたイプコナゾールの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for ipconazole in light of confirmatory data

6 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1260e

英国が概要をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントに関する結論を提示した。

  • 植物と動物由来各種製品のフルアジポップ-Pの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for fluazifop-P in various products of plant and animal origin

EFSA Journal 2017;15(7):4871 [31 pp.]. 6 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4871

報告された農業慣習や検討されている動物由来製品によると、フルアジポップ-Pのニンジンとズッキーニへの使用による残留物の短期及び長期摂取に、消費者の健康リスクはありそうもない。 

  • 確証データを踏まえたピクロラムの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者、EFSAのパブリックコメント募集結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for picloram in light of confirmatory data

3 July 2017

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1258e

英国が概要をまとめ、EFSAの科学的見解と個別に受け取ったコメントに関する結論を提示した。

[]興行収入トップ映画でのタバコの使用−米国2010–2016

Tobacco Use in Top-Grossing Movies — United States, 2010–2016

MMWR / July 7, 2017 / 66(26);681–686

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6626a1.htm?s_cid=mm6626a1_w

レイティング別タバコインシデントの経年変化

[]塗料企業が消費者を誤解させたことでFTCに罰金を払う;製品は何も排出しない、VOCフリー、赤ちゃんやその他感受性の高い集団に安全と宣伝

Paint Companies Settle FTC Charges That They Misled Consumers; Claimed Products Are Emission- and VOC-free and Safe for Babies and other Sensitive Populations

July 11, 2017

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2017/07/paint-companies-settle-ftc-charges-they-misled-consumers-claimed

揮発性有機化合物を含まない等の詐欺的宣伝で塗料を販売していた4社が罰金を払うことに合意した。

  • 消費者向けブログ

害のない「グリーン」塗料という怪しい宣伝

Shade-y claims of harmless “green” paint

July 11, 2017 by Lisa Lake

https://www.consumer.ftc.gov/blog/shade-y-claims-harmless-green-paint

もしあなたが家の内装を変えようと塗料の塗り直しを考えているなら、VOCフリーペンキは重要かもしれない。しかしFTCは一部の塗料企業がVOC放出量について消費者を誤解させていることについて警告した。

企業が何も放出しないあるいはVOCフリーと宣伝していた製品の宣伝は、実際に塗料が使われる条件と異なる条件での試験結果に基づくものだった。全ての塗料は塗っているときと乾かしているときに化合物を放出する。一部は安全でない可能性がある。

さらに二つの企業は一見公的なもののようなシールを作って認証があるかのようにみせかけていたがそれは自社で作ったものである。

安全のためには適切な換気を行い、赤ちゃんやその他の感受性の高い人は部屋にいないようにすること。

(日本でも売ってるっぽい

http://benjaminmoore.co.jp/products/regalselect/

「リーガルセレクトは、VOC(揮発性有機化合物)をほとんど含まない」

この文言が詐欺的deceptiveと判断されたわけ

他社でも天然だから安全とかオーガニック塗料とかいろいろ胡散臭い宣伝文句は溢れているようだ)

[]オンラインQ&A:公衆衛生調査の倫理

Q&A: Ethics in public health surveillance

June 2017

http://www.who.int/features/qa/surveillance-ethics/en/

公衆衛生調査とは何か?

何故公衆衛生調査に倫理が重要なのか?

信頼がなければならないから

コミュニティは公衆衛生調査にどう関与すべきか?

コミュニティは調査のベネフィットやリスク、あるいは有害影響の可能性を知らなければ関与できない。どんな方法であれ意志決定は透明で公正で公開であることが重要である

調査の倫理と研究倫理はどう違う?

公衆衛生調査の害はどうやって避けられる?

(個人情報の話)

公衆衛生データは共有すべきか?そうなら誰と?

何故監視が重要なのか?

[]農業灌漑と帯水層回復に再利用される水のEU最小品質基準案

SCHEER

'Proposed EU minimum quality requirements for water reuse in agricultural irrigation and aquifer recharge

https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/scheer/docs/scheer_o_010.pdf

2017年6月9日採択

欧州共同研究センター(JRC)が作成した報告書をSCHEERがレビューしたもの

いくつか(かなり重要な)欠点を指摘

[]APVMAの科学者がオーストラリアの農家のために安全な動物用医薬品を速やかに提供したことで国際賞受賞

International honour recognises APVMA scientists for providing safe and fast access of veterinary product for Australian farmers

12 July 2017

https://apvma.gov.au/node/27191

カナダ政府の公共サービス賞2つを受賞。

[]論文

  • 欧州10ヶ国でのコーヒー摂取と死亡率:多国コホート研究

Coffee Drinking and Mortality in 10 European Countries: A Multinational Cohort Study

Ann Intern Med. 2017

10.7326/M16-2945

http://annals.org/aim/article/2643435/coffee-drinking-mortality-10-european-countries-multinational-cohort-study

  • 障壁バイパスクローン拡大アッセイと大規模並行配列決定によるがんを誘発するイベントのin vitroモデル作成

Modeling cancer driver events in vitro using barrier bypass-clonal expansion assays and massively parallel sequencing

Oncogene, Published online 10 July 2017;

http://dx.doi.org/10.1038/onc.2017.215

http://www.nature.com/onc/journal/vaop/ncurrent/full/onc2017215a.html

[]論文

  • 心血管系疾患予防のための行動カウンセリングについてのUSPSTFの助言

USPSTF recommendation regarding behavioral counseling for cardiovascular disease prevention

11-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/tjnj-urr070617.php

USPSTFがプライマリーケア専門家に、肥満でない、高血圧でなくやコレステロールや血糖値が異常ではなく糖尿病でもない成人に健康的食生活や運動を薦める行動カウンセリングを行うことを決めるのは個別にするよう助言する。既存の根拠は、この集団に対しては行動カウンセリングの心血管系疾患予防の効果はポジティブではあるが小さいことを示している。

USPSTFのC助言。JAMAに発表。

(既に健康な人は「ますます健康」にはならないよ。そういう人にお金を使わせるために「未病」といっている)

  • PAINS-キラー:UNCの研究がよく使われている医薬品スクリーニングツールの重大な問題を発見

PAINS-killer: UNC study finds serious issues with popular drug screening tool

11-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/uonc-pus071117.php

PAINS(汎試験系干渉化合物)は偽陽性の大きな発生源である。7年前に科学者チームが480の分子断片をPAINSアラートとして同定した。そのうち328がたった4つ以下の化合物で作られることを発見した。

  • 植物が芋虫を共食いにする

Natureニュース

Plants turn caterpillars into cannibals

Laura Castells 10 July 2017

http://www.nature.com/news/plants-turn-caterpillars-into-cannibals-1.22281

害虫に攻撃されたときにトマト植物が作る化合物が、昆虫の行動を変えることができる

害虫に警告を発する化合物、ジャスモン酸メチル(MeJA)をトマトに様々な量暴露すると、昆虫にとって栄養を減らす毒素を作る。それから芋虫(Spodoptera exigua)に食べさせると、MeJAをより多く暴露したトマトのほうが失うバイオマスが少なかった。芋虫の方はMeJA処理した植物を食べた方がより早く死に、仲間に食べられていた。

Nature Ecology & Evolutionに発表。

  • 証明されていない幹細胞を用いた介入の販売:対応要請

Marketing of unproven stem cell–based interventions: A call to action

Douglas Sipp et al.,

Science Translational Medicine 05 Jul 2017

http://stm.sciencemag.org/content/9/397/eaag0426

幹細胞を使った根拠のない治療法の宣伝は世界的問題で、規制の努力に抵抗性があることがわかっている。ここに我々は各国と国際レベルでの協調的アプローチを提案する

(登録すると無料でアクセスできる。適切な情報を与えられていない消費者に個人の選択だとか自由だとかの一見美しい単語を並べて唆すやつらは世界中で活躍中。専門知識を軽視し個人の感覚を大事にしようという主張は詐欺師にとってこの上なく有り難い)

  • 研究がホロコーストの生存者にがんリスクの増加を明らかにする

Study reveals an elevated cancer risk in Holocaust survivors

10-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/w-sra070617.php

CANCERに発表された新しい研究は、ホロコーストのサバイバーに小さいけれど一貫したがん発症リスク増加があることを示す。飢餓、過密、感染症、心理的ストレスなどが寄与しているかもしれない。

  • 脳トレーニングは意志決定や認知機能に影響しない

Brain training has no effect on decision-making or cognitive function

10-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/uops-bth070617.php

Journal of Neuroscience。市販の脳トレLumosity™を使って64人の健康な若年成人で10週間調べた結果。

  • コーヒーを飲むことは全原因による死亡リスクを減らす、研究が発見

Drinking coffee reduces risk of death from all causes, study finds

10-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/icl-dcr070717.php

1日3杯程度のコーヒーを飲む人は飲まない人より長生き、Annals of Internal Medicineに発表された研究が発見。これはこの種の研究としては最大のもので、研究者は英国を含む10のヨーロッパの国の50万人以上のデータを解析した。IARCとImperial College Londonの研究者がコーヒー摂取の多さは全原因による死亡リスク削減と関連するが、特に循環器と消化器疾患による死亡リスク低下と関連することを発見した。EPIC研究のデータを用いた。コーヒーを多く飲む人は若い、喫煙者、飲酒する、肉を多く食べ、野菜や果物を少なく食べる。これらの要因を注意深く調整するとコーヒー摂取は全原因による死亡リスクを減らす。カフェイン無しコーヒーでも同様であったが分離が難しい。

(コーヒーをたくさん飲むことと不健康なライフスタイルが関連するが、その不健康なライフスタイルを全て無くしてしまえば、という仮定の上でのこと。現実の人間にそれができるかどうかは別。もともと丈夫な人が選抜されていそう)

  • NIHの資金提供を受けたチームは世界の運動量研究にスマートホンのデータを用いる

NIH-funded team uses smartphone data in global study of physical activity

10-Jul-2017

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/niob-ntu071017.php

Natureにはっpyぷされたスタンフォード大学のScott L. Delp博士らの研究。スマートホンアプリの匿名ユーザー717527人の歩数を解析。参加者は111ヶ国に及ぶが少なくとも1000人のユーザーがいる46ヶ国を解析した。世界平均では1日5000歩。

(地図がある。暑い国の人は歩かない?)

コーヒー論文関連

  • コーヒー摂取と死亡リスクを調査した二つの研究への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to two studies looking at coffee consumption and risk of death

July 10, 2017

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-two-studies-looking-at-coffee-consumption-and-risk-of-death/

Annals of Internal Medicineにコーヒー摂取の多さと死亡リスク低下の関連について評価した二つの研究が発表された

研究についての詳細は「見出しの前の解説」へ

http://www.sciencemediacentre.org/coffee-consumption-and-reduced-risk-of-death/

両方の研究について

Sheffield大学心血管系医学准教授/心臓相談医Tim Chico博士

この二つの研究は何千人もの人々を16年フォローしてコーヒーを飲む人と飲まない人の死亡率を比較した。これまでの研究同様、全くコーヒーを飲まない人に比べて、飲む人の死亡率がほんの少し低かった。この研究は質が高く多くの国でたくさんの人を監察したという利点がある。これらの集団全体でコーヒーと死亡率の関連が同じようであった。

どちらの研究の著者もコーヒーが死亡率の低いことの原因かどうかについては他に原因があるかもしれないと慎重である。どちらの研究も収入については考慮していないようだ。コーヒーは安くはないのでコーヒーを飲まない人の方がお金持ちではない可能性もある。

これらの研究から言えることは?どちらもコーヒーは有害ではなさそうだという以上のことは言っていない。私はしばしば患者からコーヒーについて質問されるが、これらの研究は彼らにコーヒーは安全だと助言するのに役立つだろう。

コーヒーが長生きに役立つかどうかを知る唯一の方法は何千人もの人に無理矢理コーヒーを飲ませ、さらに何千人もの人に絶対コーヒーを飲ませないようにすることである。このような実験が行われることはないだろう。だから我々は決してこの疑問の答えを知ることはない。

この研究を理由に、多分存在しないだろう健康のためにもっとコーヒーを飲むようにすべきではない。運動のメリットと比べるのが役立つだろう。コーヒーショップに20分歩いて行くと、そこに入ったり何も買わなかったとしても多くの証明された健康上のメリットがある。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

どちらの論文も大規模で質が高く異なる人口や人種集団で同様の結果を示す。コーヒーを飲む人間として、これはコーヒーが私にとって悪くないという確認になる。しかしもしコーヒーを飲まない人間だったら、これを根拠に健康のためにコーヒーを飲もうとは思わないだろう。なぜならばあるかもしれない保護作用の大きさがそんなに大きくなく、実際の原因は不明であるから。他の観察研究同様、原因を確認することはできない。また実際のところどちらの研究でも最もコーヒーを飲む人たちが最も死亡率が高い。他の要因を考慮した結果の結論である。これはコーヒーをたくさん飲む人は喫煙者である可能性が高いせいである。研究者が喫煙を統計学的に考慮すると結果が逆になる。しかしこれは他の多くの要因でもおこる可能性がある。どちらの研究グループもいろいろな要因について統計学的処理を行っているが、全てについて適切な処理かどうかは誰も確信できない。

コーヒーの何が保護作用があるのかもわからない。しかしカフェインレスでも同じ結果だったのでカフェインではなさそうだ。さらにコーヒーの量はカップで数えられているがカップの大きさはそれほど明確に定義されておらず、文化により異なることにも注意。

私の意見では、これらの研究を報道する人はこれに伴う非常に良いエディトリアルを読むべきだ

欧州研究のみへのコメント

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

これはナイスな研究であるがこの結論はコーヒーを勧めることにはならない。何故か?コーヒーと心疾患の関連については真の因果関係かどうかははっきりしないからだ。

私が薦めるのは、証明された心疾患削減方法−禁煙、良い食生活、コレステロールと血圧の管理、そして運動である。

Cambridge大学公衆のリスク理解についてのWinton教授David Spiegelhalter卿

これは大規模で注意深く行われた良い研究であるが、それ自体では決して因果関係を確認できない。もしこの推定される死亡率削減が本当に現実なら、毎日コーヒーを1杯余計に飲むことで男性は約3か月、女性は約1か月寿命が長くなるだろう。計算上コーヒー一杯を飲むと男性が9分、女性が3分である。

(もし好きでもないのに飲むのに3分以上かかったら損じゃないか!)

  • 最新のコーヒー研究が誇大宣伝されている

Latest Coffee Study Is Being Hyped

By Chuck Dinerstein — July 11, 2017

http://www.acsh.org/news/2017/07/11/latest-coffee-study-being-hyped-11538

コーヒーを飲むのが良いことだ、多ければ多いほどよい、という報告にメディアが活気づいている。これはAnnals of Internal Medicineに発表された論文のメディアによる解釈である。食品や飲料についてのいつもの事例のように、この研究は自己申告による観察研究で、どちらも信用できないことで悪名高い。だからいつも言っていることがあてはまるのだが、少しデータを見てみよう。

まず結論部分。

「全くコーヒーを飲まない場合と比べて、コーヒー摂取は喫煙と他の交絡要因の調整後、総死亡率の低さと関連した。」

コーヒー支持者は「調整後」というフレーズがなければ素晴らしいと思っただろう。実際のデータとその意味を見てみよう。

(どう調整したかの表。コーヒーをたくさん飲む人のほうが調整の幅が大きい)

ではコーヒーは飲むべきなのか飲むべきでないのか?著者らは「我々の知見は最新の米国食事ガイドラインを支持する。健康的なライフスタイルの一部としてコーヒーを適度に取り入れる」と結論している。行動的視点から考えてみよう。年齢や性別や人種は変えられないので、最初のモデルはこれらベースライン条件を反映すべきだろう。

注意点は毎日4杯以上では死亡率があがること、喫煙の調整で劇的に死亡率が改善していることである。そして疑問は、コーヒー摂取は単独の行動なのかあるいは他のライフスタイル選択の指標なのか?リアルワールドでは、コーヒー摂取は「極端」でない限りあまり大きな影響はないだろうと考える。

その他

  • 「再現性研究費」がいまだに疑問がある9つの影響の大きい研究を繰りかえすことを可能にするだろう

Scienceニュース

‘Replication grants’ will allow researchers to repeat nine influential studies that still raise questions

By Jop de VriezeJul. 11, 2017

http://www.sciencemag.org/news/2017/07/replication-grants-will-allow-researchers-repeat-nine-influential-studies-still-raise

若い人の電子タバコの使用は喫煙リスクの高さと関連するか、自然環境はストレスからの回復に役立つか、などの疑問に新しい答えがえられるかもしれない。オランダ科学研究機関(NWO)が研究の再現のための最初の研究資金を用意した。再現性を確認される最も古い研究は1960年にScienceに発表された、ヒトが情動を動かすあるいは興味深い画像をみると瞳孔が大きくなるという研究である。この研究は625回も引用されていてヒトと機械の相互作用における最も重要な研究とみなされているが常に疑問が提示されてきていた。

  • ホワイトハウスの衰える科学事務所が大規模研究計画を宙に浮かせる

Natureニュース

White House’s dwindling science office leaves major research programmes in limbo

11 July 2017

http://www.nature.com/articles/d41586-017-01350-x

大統領が連邦政府の縮小を誓っているがそれを科学から始めるようだ。就任して約6か月、科学アドバイザーはまだ選ばれておらず、Barack Obama大統領の時には130人いたホワイトハウスの科学技術政策オフィス(OSTP)の職員は35人に減らされた。さらにキャリアスタッフがOSTPを離れる予定で事態は悪化すると予想されている。

  • 挑戦的なBlack Salve販売業者が6年の実刑判決

Defiant Black Salve Seller Gets Six-Year Prison Sentence

Stephen Barrett, M.D.

July 10, 2017.

http://www.cancertreatmentwatch.org/reg/girod.shtml

2017年にハーブ販売業者Samuel A. Girod 57才が実験判決

2001年にコンフリーを含む"Chickweed Healing Salve"を売っていることをFDAにみつかり、2003年に州農務省から違法警告を受け、2004年と2005年にFDAが指摘事項が修正されていないと報告。2006年2010年2012年にもFDAが査察して指摘。さらに2010年に"TO-MORE-GONE"という製品にblack salveが含まれることを指摘。

(以下もずっといろいろ対応していてようやく。その間も被害者は増え続けただろう)

black salveについては

Don't Use Corrosive Cancer Salves (Escharotics)

Stephen Barrett, M.D.

revised on July 10, 2017.

http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/Cancer/eschar.html

  • 子どもの医療は法的義務(CHILD) 法人

Children’s Healthcare Is a Legal Duty (CHILD), Inc.

http://childrenshealthcare.org/

CHILDは課税されない慈善団体としての活動を休止しCHILD USA (http://www.childusa.org/)に統合。CHILDのウェブサイトは残し創設者のRita Swanはロビー活動を続ける。CHILDはRitaと Douglas Swan夫妻がクリスチャンサイエンスプラクティショナーを信じたせいで一人息子を亡くして1977年に設立された。子どもへの医療ネグレクトが信仰により適用外になっていることを止めさせたくて活動してきた。ウェブには信仰により犠牲になった子ども達の事例が掲載されている。

  • タスマニアデビルを襲っている新しい伝染性のがんの背景にはたちの悪い染色体があるかもしれない

Scienceニュース

Rogue chromosome may be behind new contagious cancer striking Tasmanian devils

By Elizabeth PennisiJul. 10, 2017

http://www.sciencemag.org/news/2017/07/rogue-chromosome-may-be-behind-new-contagious-cancer-striking-tasmanian-devils

タスマニアデビルは20年ほど前顔の伝染性の腫瘍で絶滅しそうになったがその後いくつかの個体が耐性になり保存主義者は安堵した。しかし最近二番目の伝染性のがんがタスマニア南東部で増えていると先週Society for Molecular Biology & Evolutionの年次会合で報告された。遺伝子解析の結果一つ目のがんも二つ目のがんも染色体1が関与している。この染色体はタスマニアデビルの染色体のうち最も大きく最も脆弱である。

この研究に関係していないテキサス大学の進化生物学者のDaniel Bolnickは、「がんを進化の問題と考えることに魅了される」という。

  • ニュージーランドは侵入してきた肉食獣を根絶したいが、一般からの支持を得るのは大きな課題だろう

New Zealand aims to eradicate invasive predators, but winning public support may be big challenge

By April ReeseJul. 10, 2017

http://www.sciencemag.org/news/2017/07/new-zealand-aims-eradicate-invasive-predators-winning-public-support-may-be-big

ニュージーランド政府は昨年固有の鳥を守るために外来の肉食獣を排除する大規模な計画を発表した。しかし一般からの支持を得るのはそれより困難かもしれない、と科学者が言う。

世論投票ではニュージーランドの固有種を守ることには強い支持があるが、「悪魔は細部に宿る」。例えば侵入種をコントロールするのに毒素を使うことには反対がある。

  • 今やチョコレートを鼻から吸うことができる、しかし医者は歓迎しない

You can now snort Chocolate, But Doctors Aren't Happy About It

By Amanda MacMillan July 07, 2017

http://www.health.com/nutrition/snortable-chocolate-coco-loko

健康の専門家は新しい鼻から吸うカカオ粉末Coco Lokoについて心配している。過剰摂取や危険な副作用につながる可能性がある

カフェイン入りエネルギーブーストには食品や飲料、ガム、貼り付けるなどいろいろなものがあるが、新たに鼻から吸うものが登場した。

Coco Lokoを作ったNick Andersonはワシントンポストにこの製品は主にカカオ粉末−つまり未加工のチョコレートであると語っている。天然にカフェインを含む。しかしイチョウ、タウリン、ガラナも含む。これらはエネルギードリンクによく使われている成分である。

しかしこの製品は合法なのか?安全なのか?エネルギーを与えるのか?

イエス、合法である。Coco Lokoは食品や医薬品として販売されていないためFDAの認可対象ではない−ダイエタリーサプリメントのように。つまり監視されていないので保証はない。

Skidmore大学の健康専門家Paul Arciero博士によると、もし成分が本当なら食べたり飲んだりするより早く血流に入るだろう。カフェインは交感神経を興奮させるだろう。

そして三番目の質問であるが、安全か?吸入したカカオパウダーが人体でどう反応するかは謎である。点鼻用医薬品はあるがミストであって粉末ではない。鼻が詰まるかもしれないし粘膜を刺激するかもしれない。

AndersonはCoco Lokoを飲酒の代わりになるという。

政府の規制はないのかとFDAに尋ねてみたがFDAはワシントンポストに対して決めていないと語った。

AndersonはABCニュースでこの製品の開発にあたり医療の専門家には相談していないと言っている。

  • はしかアウトブレイク 欧州で35人の死亡報告

Measles outbreak - 35 reported deaths in Europe

July 12, 2017

http://www.news-medical.net/news/20170712/Measles-outbreak-35-reported-deaths-in-Europe.aspx

過去12か月で、WHO欧州地域で35人の死亡が報告されている

イタリアでは2016年6月以降3300症例以上で2人死亡、ルーマニアが死者最大で31、ドイツ1ポルトガル1。

はしかは予防接種で予防できるのに死亡や障害をおこしているのは「許容できない悲劇である」とWHO欧州地域Zsuzsanna Jakab博士は言う

ルーマニアは予防接種率を上げるため全国キャンペーンを始めた

はしかワクチンと自閉症−神話は否定されているがいまだ残る

  • 自宅遺伝子検査:それはあなたのため?

Home Genetic Tests: Are They for You?

by John Swartzberg, M.D. | July 11, 2017

http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/home-genetic-tests-are-they-you

自宅遺伝子検査は魅力的に聞こえるかもしれないがそれが信頼できるあるいは正確であるという根拠は、親になろうとする人のキャリア検査以外、ほとんどあるいは全くない。

遺伝的リスク予想の科学は期待できてあなたがその限界とリスクを理解しているなら選択肢になるかもしれない。しかし現時点ではまだ専門家の指導のもとでのみすべきだと助言する。

(知識が少ない方が自信たっぷりに言えるという分野)

  • 遠隔医療は軽い病気での医療の過剰使用を促進する

Telehealth Encourages Overutilization for Minor Ailments

by Berkeley Wellness | July 10, 2017

http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/telehealth-encourages-overutilization-minor-ailments

スマートホンやパソコンなどで医療を提供する、急速に拡大している遠隔医療は、医療へのアクセスを容易にするのに役立つ可能性があるが、軽い病気での医療の過剰使用を増やし、期待されたような医療費の削減はないだろう。

Health Affairsに発表されたRANDの研究でカリフォルニアの30万人のデータを、急性呼吸器疾患に絞って解析した。個別の医療費は遠隔医療の方が費用が少ないが、便利なために通常病院に行く必要のない軽いものでも医療を使うようになった結果医療費は増えたと結論。