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2018-01-11

[]アルコールはマウスにDNA損傷を引き起こす

Alcohol causes DNA damage in mice

Thursday January 4 2018

https://www.nhs.uk/news/genetics-and-stem-cells/alcohol-causes-dna-damage-mice/

「アルコールは体内の予備幹細胞に不可逆的な遺伝子損傷を生じる可能性がある」と英国大手一般紙The Guardianは報道している。

アルコールは乳がん、咽喉がん、肝臓がん、大腸がん及び膵臓がんを含むいくつかの種類のがんのリスクを増大させると考えられている。正確なメカニズムははっきりしていないが、新規のがん症例25件のうち約1件はアルコールに関連していると推測されている。

関連が疑われるのは、体内でアルコールが分解されるときに生成されるアセトアルデヒドである。これまでの研究では、アセトアルデヒドが実験室で増殖させた培養細胞中のDNAを損傷し得ることが示されてきた。体内ではALDH2(アルデヒド脱水素酵素)と言われる酵素を使ってアセトアルデヒドの一定量を処理することができる。しかし、多くの人(特に東アジア圏の人)はALDH2を生成せず、アルコールへの耐性が低い。FANCD2タンパク質(このタンパク質をコードする遺伝子に異常があるとファンコニ貧血を発症する)を介した二次的経路により、アセトアルデヒドによる損傷はある程度修復される。

研究者は、ALDH2または FANCD2を持たない系統のマウスを用いた実験を行い、これらのマウスがアルコールに暴露された際に、血液幹細胞(haemopoetic stem cells: HSCs: 造血幹細胞として知られている)に何が起こるかを観察した。

その結果、アルコールによって、HSCsが新しい血液細胞を生成できなくなるような、大きなDNA損傷を引き起こすことを発見した。ただし実験は、マウスががんを発症するかどうかを確認するために計画されたものではなかった。

研究者はこの研究によって、アルコールがヒトにおいてどのようにがんにつながるDNA損傷を引き起こすかについて、説明できると述べている。動物における研究が常にヒトに当てはまるわけではないが、アルコールががんに関連していることはすでに分かっている。この研究はあり得る経路の一つを示している。

[]ベーコンのような加工肉は乳がんのリスクが高める可能性がある

Processed meats like bacon may increase breast cancer risk

Wednesday January 3 2018

https://www.nhs.uk/news/cancer/processed-meats-bacon-may-increase-breast-cancer-risk/

「ベーコン、ソーセージ及びその他の加工肉を食べると高齢の女性が乳がんになるリスクが高くなる」と英国のタブロイド紙The Sunは報道している。大規模な研究において、加工されていない赤身の肉ではなく、加工された肉は、閉経後に乳がんになるリスクの増加と関連があるということが分かった。

加工肉とは、燻煙、塩漬け、加塩または保存料添加によって貯蔵が保たれた肉と定義される。英国でよく食される加工肉には、ベーコン、ソーセージ及びハムがある。

加工肉は、色味や香りを良くするために添加される化学物質の中にがんを引き起こす化合物を形成する可能性を有するものがあることから、がんのリスクを増大させると考えられている。

加工肉と消化器系の様々ながんとの関連が知られるようになってから久しい。しかし赤身肉や加工肉が乳がんと関連するかどうかは、これまでの研究では矛盾する結果が示されており、不明確である。

今回の研究は、これまでの研究結果と262,195人の英国女性のグループについての新しい研究を組み合わせている。組み合わせた結果によると、加工肉を食べていた閉経後の女性は、食べていなかった女性よりも乳がんになる可能性が9%高かった。英国女性の新しい研究だけでは、最も多く加工肉を食べていた(1日に9 g以上)閉経後の女性は、加工肉を食べていなかった女性よりも乳がんになる可能性が21%高かった。

研究の性質上、加工肉が乳がんを引き起こす直接的な原因かどうかはわからない。しかし毎日加工肉を食べるのではなく、摂取を時折に制限することは、他の点で健康に有益であるかもしれない。

[]ヒト健康リスクについてのNASAのエビデンスレポートのレビュー:2017レターレポート

Review of NASA's Evidence Reports on Human Health Risks: 2017 Letter Report

Released:January 10, 2018

http://www.nationalacademies.org/hmd/Reports/2018/review-of-nasa-evidence-reports-on-human-health-risks-2017-letter-report.aspx

長期間の宇宙探索飛行のヒト健康リスクについてのNASAの報告書をレビューした。NASAの30以上のエビデンスレポートのレビュー報告の5番目のもので最終のもの。

骨の変化による骨折リスク、骨粗鬆症の早期発症、心拍の問題、腎臓結石ができる、飛行中に病気になったとき、について扱っている。

NASAのタスクとして、エビデンスを集め報告書を作り外部による評価を受けてリスクを同定してそのリスクを減らすことを目指す。NASEMのレビューはそのうちの外部レビューに相当

[]論文

  • 太平洋北西部のサーモンは大きな遺伝的困難にある

Pacific Northwest salmon are in big genetic trouble

By Robert F. ServiceJan. 10, 2018

http://www.sciencemag.org/news/2018/01/pacific-northwest-salmon-are-big-genetic-trouble

チヌークサーモンが過去7000年で遺伝的多様性の2/3を失っていることが報告された。PLOS ONE

  • 多くのRCTは正当化できないかもしれない:RCTの倫理と科学についての横断研究

Many RCTs May Not Be Justified: A Cross-Sectional Analysis of the Ethics and Science of Randomized Clinical Trials

Julie De Meulemeester et al.,

http://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(17)30769-2/fulltext

RCTが倫理的に正当化できるためには、それが科学的に正当でなければならない。そのための基準として3つを提案する。(1)明確な仮説をもとにデザインされていること、(2)その仮説には不確実性があり、(3)その不確実性が既知のレビューでわかっていること

今回の研究で、有名雑誌(JAMAとNEJM)に発表されているRCTの56%がこれら3つの基準を満たさない。つまり科学的に正当ではない可能性があり、非倫理的である。

(ここまで厳密に検討しなくても、倫理にもとることが明白なのが福島の甲状腺検査なのだが。)

  • ニセリキュールをかぎ分ける

'Sniffing' out counterfeit liquors

10-Jan-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/acs-oc011018.php

ACS Sensorsに発表されたリキュールのにせものを同定できる一連のセンサーをもつポータブル装置。各種スコッチ、バーボン、ブランデー、ウォッカなどのブランドとアルコール含量を99%以上の正確さで同定

  • 調査は動物研究の質の低さ、規制の欠如、間違った提示への懸念を示す

Investigation raises concerns over poor quality, lack of regulation, and misrepresentation of animal research

10-Jan-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/b-irc010918.php

専門家は動物実験は「システムの失敗」に苦しんでいると指摘し、ひどい状況には緊急の対応が必要と呼びかける

BMJに発表された調査は、新しい結核予防接種のヒト試験承認と資金を得るために、研究者が動物実験の結果をいかに間違って提示したかについての懸念を明らかにした。調査とそれに伴う専門家のコメントは、動物実験の"pick and mix"やりかたを強調し、監視と透明性の欠如、許容できない規制上の意志決定、動物実験からヒト試験に移行することを決めるのに必要なデータが明確でないことなどのより広範な疑問を提示した。

臨床医学では、根拠の選択的提示を予防するために臨床試験の事前登録があるが、前臨床研究ではそのようなメカニズムはない。この調査は前臨床試験のシステムとしての失敗の一例に過ぎない。動物実験を価値ある、信頼できるものとして目的に適うものにするための緊急対応が必要である。

(ガイドラインのない動物実験の結果はいつだって誇大宣伝。この人のように(論文紹介:食品に添加されたトレハロースがクロストリジウムの流行の原因だった(西川伸一) https://news.yahoo.co.jp/byline/nishikawashinichi/20180107-00080202/)動物実験の結果だけでヒトでの影響を断定するのはやめた方がいい。安全性試験もGLP準拠でないものは怪しい、ということが常識になるべき。無駄な実験は倫理にももとる)

  • 健康的食生活のベネフィットは遺伝的肥満リスクの高い人の方が大きい

Benefits of a healthy diet greater in people at high genetic risk for obesity

10-Jan-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/b-boa010918.php

BMJ。また食事の質を向上させることで遺伝的体重増加リスクも減少する。

(遺伝子は肥満の言い訳にはならないそうです)

  • ビタミンやダイエタリーサプリメントはミトコンドリア疾患患者に利益があるか?

Can vitamins and dietary supplements benefit patients with mitochondrial disease?

10-Jan-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/chop-cva011018.php

妥当性を評価された有効な薬物治療法がないために、ミトコンドリア疾患患者はしばしば標準化されていない、規制されていない、根拠のない各種ビタミンやサプリメントを使用している。この状況を改善したいと専門家がAnnual Review of Pathology: Mechanisms of Diseaseに発表されたレビュー提案する。全ての栄養介入は厳密に試験されることを薦める。

その他

  • 情動サポート動物:本当に必要かあるいは詐欺か?

Emotional Support Animals: Real Need or Scam?

by Berkeley Wellness | January 05, 2018

http://www.berkeleywellness.com/healthy-mind/stress/article/emotional-support-animals-real-need-or-scam

飛行機が飛ぶのが怖い女性が大型のダルメシアンを膝に乗せて搭乗して隣の乗客が不快だったり顔を噛まれたり、大統領のもと妻のIvana Trumpが「セラピー動物」カードを見せてミニチュアヨークシャーテリアをニューヨークの高級レストランに連れていって他の客から苦情を言われたり、と近年情動サポート動物(ESA)が議論を巻き起こしている。

たくさんのウェブサイトはあなたにあなたのペットをESAに認定するカードなどあらゆるものを売ろうとしている。ESAなら動物禁止のアパートにも住めるし飲食店にも連れて行けるというのは本当か?こうした拡大するムーブメントの基本を提示する

(怪しい精神科医のインチキ商売になっているようだ。)

  • TBワクチン開発における動物研究の使用についての調査への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to an investigation into the use of animal studies in the development of a TB vaccine

January 10, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-an-investigation-into-the-use-of-animal-studies-in-the-development-of-a-tb-vaccine/

BMJが動物実験の結果を研究者がどう解釈したかについての調査結果を発表した

(ワクチン開発の特殊性もあり多様な反応)

  • Trump政権下のEPAでは、かつて公開だった化学物質安全性レビューが暗闇に

Scienceニュース

At Trump’s EPA, once-public chemical safety reviews go dark

By Corbin Hiar, E&E NewsJan. 10, 2018

http://www.sciencemag.org/news/2018/01/trump-s-epa-once-public-chemical-safety-reviews-go-dark

E&E Newsのレビューによる

  • 科学につきまとう怪談

Scienceニュース

The horror story that haunts science

By Jon CohenJan. 10, 2018 ,

http://www.sciencemag.org/news/2018/01/specter-frankenstein-still-haunts-science-200-years-later

200年経っても、フランケンシュタインの衝撃とひらめきはまだ有効

1818年に最初は匿名で本が発表されその後映画になったフランケンシュタインは、現代の生物学の神話を支配している。現在でもフランケンフード、フランケン細胞、フランケン薬物と言った単語が、怪物のような創造物を意味して科学文献にも頻出する。

(長い考察)