食品安全情報blog RSSフィード

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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2018-08-14

[]食品偽装との闘い: 違法な処理を施したマグロ45トンをスペインで押収

Fight against food fraud: 45 tons of illegally treated tuna seized in Spain

e-News 13/08/2018

http://ec.europa.eu/newsroom/sante/newsletter-specific-archive-issue.cfm?archtype=specific&newsletter_service_id=327

スペインの治安警察の自然保護部(SEPRONA)によると、缶詰用の冷凍マグロに発色剤処理して生鮮魚として販売しようとしていた3社と3隻の漁船が捜査され、4人が取り調べを受け、45トンのマグロが押収された。4人は最長4年間刑務所に収監される可能性がある。違法処理されたマグロはヒスタミンに対するアレルギー反応など、公衆衛生上深刻なリスクを生じる可能性がある。捜査は、OPSON VIIオペレーションの下でEUROPOLが指揮を取り、欧州委員会や他の加盟国と共同で実施された。

[]査察報告

スロバキア−国内監査制度

Slovakia―National Audit Systems―2018-6466

13/08/2018

http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2018-6466

2018年3月5〜9日に実施された査察で、公的管理が、飼料および食品法、動物の健康と福祉に関する規則の遵守状態を検証できているかどうかが評価された。主な査察対象は、スロバキア獣医・食糧課(SVFA)、公衆衛生局(PHA)、および農業分野中央管理・検査機関(CCTIA)であった。人員の不足などにより公的管理が十分に行えないという難点が指摘され、それらに対する助言が提示された。

[]杏仁はシアン化物中毒のリスクを生じる

Apricot kernels pose a risk of cyanide poisoning

News of 03/08/2018

https://www.anses.fr/en/content/apricot-kernels-pose-risk-cyanide-poisoning

ジャムを作るする人にとってはお馴染みの成分である杏仁は、「抗がん」作用があるという触れ込みで天然療法物質としてますます消費されるようになている。1個の杏仁を何個かの容器のジャムの香りづけに加えるだけなら問題にはならないが、大量にそれを摂取した場合には、シアン化物中毒のリスクが生じる。ANSESは、中毒監視計画を通じてフランスにおける杏仁中毒を何例か確認しており、消費者に注意を促している。

杏仁は、杏子の内果皮の中にある種子である。大量にそれを摂取した場合、シアン化物中毒を起こすリスクがある。これは杏仁が相当な量のアミグダリンを含んでいるためである。アミグダリンは天然に生成され、消化を受けると毒性の強いシアン化物に転換される。そのためANSESは、杏仁の摂取量がEFSAが定めた1日量を超えないように注意喚起している。そのおおよその1日量は、成人では杏仁1〜3個、年少者には小さめの杏仁で半分である。

杏仁は、近年とても人気が出てきており、抗がん食品として市場に出回っている。高用量が推奨されており、1日量は予防目的での10から治療目的での60個にまで及んでいる。ANSESでは、目下のところがんの予防や治療において杏仁が有効であることを示す科学的根拠は皆無であることを指摘している。さらに、高用量の杏仁を摂取した場合、痙攣、呼吸器障害、心拍数低下、意識不明、さらには昏睡といった急性中毒症状が引き起こされる可能性がある。

ANSESは、中毒監視計画の一環で、2012年以降にフランス中毒管理センター(CAPs)のネットワークに報告された杏仁中毒の症例を数例確認している。報告された主な症状は、眩暈、不快感、頭痛、消化異常、動悸および呼吸困難である。

非常に深刻な症例は報告されていないものの、ANSESは、「抗がん」のための高用量を摂取した場合に重篤な中毒を起こすリスクについて消費者に強く警告する。したがって、杏仁の摂取は、今後も適量を保ってほしい。

[]評価等

ミクロブタニルのMRLsのレビュー

Review of the existing maximum residue levels for myclobutanil according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

First published in the EFSA Journal: 13 August 2018

http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5392

植物中、加工農産品、輪作作物および家畜におけるミクロブタニルの残留実態を算定するために、規則(EC) No 33/2008の枠組みにおいて導出された結論、コーデックス委員会が設定したMRLs、ならびに加盟国が報告した輸入トレランスないしは欧州での認可状況を考慮した。入手されたデータの評価に基づいて、MRL案が導出され、消費者リスク評価が実施された。消費者における明確なリスクは特定されなかったが、規制の枠組みにおいて必要とされるいくつかの情報が不足していた。したがって、消費者リスク評価は示唆的なものにすぎないと判断され、EFSAが導出したMRL案のいくつかについては、リスク管理者による更なる検討が必要である。

  • 油糧種子におけるフルオキサストロビンのMRLsの改定

Modification of the existing maximum residue levels for fluoxastrobin in oilseeds

First published in the EFSA Journal: 13 August 2018

http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5381

改定の申請者が提出したデータは、油糧種子における新規MRLs案の導出に十分なものであった。規制に用いることのできる分析法は、定量下限(LOQ)が0.01 mg/kgで、フルオキサストロビンとそのZ-異性体の残留を管理できる。リスク評価の結果に基づき、フルオキサストロビンを周知の農業慣行に従って使用する限りにおいては、新たに企図された使用量で生ずる残留物を短期的および長期的に摂取しても、消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いと結論付けた。

  • 非化学的な方法などで阻止できない作物の健康に対する深刻な危機を制圧する除草剤としてブロモキシニルを使用する必要性に関するデータの評価

Evaluation of data concerning the necessity of bromoxynil as herbicide to control a serious danger to plant health which cannot be contained by other available means, including non-chemical methods

First published in the EFSA Journal: 13 August 2018

http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5391

この科学的報告書では、11の加盟国における様々な用途(様々な作物や作物群)での使用実態を評価した結果を概説している。その評価では、概してブロモキシニルに代わる広範な種類の除草剤有効成分を広葉雑草の制圧に用いることができたことが示されている。しかし、いくつかの使用事例では、有効な化学的代替物は利用できる状態ではなかったとみなされた。多様な非化学的方法も利用可能であったが、これらの方法は化学的方法と同等の有効性を得にくい場合が多く、コスト面での制約も存在する。多くの場合、化学的方法と非化学的方法との組み合わせが可能であると思われた。

[]違反

  • 乾燥アプリコット及び保存用カラシナのサンプルに基準値超過の保存料が検出され食品表示規則に違反している

Excessive preservative found in dried apricot and preserved leaf mustard samples and in breach of food labelling regulation

9 Aug 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20180809_7076.html

食物環境衛生署及び食品安全センターは、定期的な食品サーベイランスプログラムを行い、基準値2,000ppmのところ2700ppmの二酸化硫黄が乾燥アプリコットに検出され、基準値100ppmのところ240ppmの二酸化硫黄が保存用カラシナに検出され、またそれらの保存料が食品ラベルに記載がなかったとした。

  • 白米のサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された

Excessive cadmium found in white rice sample

9 Aug 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20180809_7074.html

食物環境衛生署及び食品安全センターは、日本産の白米のサンプルに基準値超過の金属汚染物質であるカドミウムが検出されたと発表した。基準値0.1ppmのところ0.16ppmのカドミウムが検出された。

  • 法令違反サンプル結果。包装チョコレートが栄養表示規則に違反している

Prepackaged chocolate not in compliance with nutrition label rules

Friday, 10 August, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20180810_7078.html

食品安全センターが検査したところ、スイスのDKSH Hong Kong Ltdの「Lindt LINDO MILK(264g)」において、ナトリウムが100gあたり58mgという申告のところ、100gあたり86mg検出された。

  • 法令違反サンプル結果。包装キャンディが栄養表示規則に違反している

Prepackaged candy not in compliance with nutrition label rules

Thursday, August 9, 2018

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20180809_7073.html

食品安全センターが検査したところ、中国のPARKnSHOP (HK) Ltd.の「Select Blackcurrant Flavoured Pastilles (140g)」において、タンパク質が100gあたり0.7gという申告だが検出されなかった。

[] Havoc Farm Porkブランドのハム製品リコール

Havoc Farm Pork brand ham products

10 August 2018

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/havoc-farm-pork-brand-ham-products/

Havoc Farm Porkは工程管理の欠如のため、Havoc Farm Porkブランドのハム製品を回収措置。製品写真あり。

(査察で温度等の記録がないこと等が指摘されたためとのこと。)

[] 追加の貝のバイオトキシン警告

Further shellfish biotoxin alerts

08 Aug 2018

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/further-shellfish-biotoxin-alerts/

MPIは貝の捕獲に対する公衆衛生警告を発表した。https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#bay-of-islands

[] 未承認施設での加工のためReal Meat and Duhallow Organicスモークポーク製品の回収措置

Recall of Real Meat and Duhallow Organic Smoked Pork Products Due to Processing in an Unapproved Facility

Friday, 10 August 2018

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/smoked_pork_products.html

Real MeatまたはDuhallow Organicのラベル表示のあるスモークポーク製品はすべて回収されている。これらのスモークポーク製品は行政の検査を受けていない未承認の施設において加工された。ラベル写真あり。

[]警告文書

  • SIA "Piejura" 7/3/18

JUL 3, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm615403.htm

水産食品HACCP

  • Ramirez & Ca. (Filhos) 5/3/18

MAY 3, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm615887.htm

水産食品HACCP

  • Taiwan Sing Rong Food Co., LTD 4/9/18

APRIL 9, 2018

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm615351.htm

水産食品HACCP

[]ペルー:(AYACUCHO)致死、通夜、情報求む

Foodborne illness - Peru: (AY) fatal, wake, RFI

2018-08-10

http://www.promedmail.org/post/5957863

[1]Date: Tue 7 Aug 2018 Source: WHDH TV 7NEWS, Associated Press (AP) report [edited]

ペルー当局が葬儀後食中毒で少なくとも9人が死亡したという。2018年8月7日に、全日の通夜の後、他に20人が腹痛や嘔吐で入院しているといった。犠牲者は肉料理とchichaという発酵トウモロコシ飲料を摂取した。原因は調査中

[2]Date: Tue 7 Aug 2018 Source: Reuters [edited]

保健大臣Silvia Pessahが地元放送局RPPで食品に有機リンが含まれていたようだと言った

  • 食中毒 ペルー(第二報):(AYACUCHO)致死、通夜、コメント

Foodborne illness - Peru (02): (AY) fatal, wake, comment

2018-08-12

http://www.promedmail.org/post/5961113

Date: Sat 11 Aug 2018 Source: Steve Berger [edited]

ボンクレキン酸中毒ではないかというコメント(文献)

[]大麻、犬 米国:(オレゴン)

Marijuana, canine - USA: (OR)

2018-08-13

http://www.promedmail.org/post/5963639

Date: Sun 12 Aug 2018 Source: Inquisitr.com [edited]

オレゴンが娯楽用大麻を合法化してから、中毒になるペットが増えた。

24時間動物中毒ホットラインは2012年から2018年の間に大麻による中毒事例は448%増加したと推定している。ペットへの大麻の毒性は不明なため獣医は大麻ベースの処方ができない。それにも関わらずペットのオーナーは動物に大麻で治療を試みている。

中毒になるのは通常犬で、高濃度のTHCを含む食用製品を食べた場合。治療を試みているオーナーはCBDを探して使っているようだ。

[]軍の肥満と過体重の課題を理解し克服する:ワークショップの概要

Understanding and Overcoming the Challenge of Obesity and Overweight in the Armed Forces: Proceedings of a Workshop—in Brief

August 13, 2018

http://nationalacademies.org/hmd/Reports/2018/understanding-and-overcoming-the-challenge-of-obesity-and-overweight-in-the-armed-forces-proceedings-in-brief.aspx

5月7日の肥満解決円卓会議によるワークショップの概要

[]論文

  • EUの家庭は年に170億kgの生鮮野菜果物を無駄にしている

EU households waste over 17 billion kg of fresh fruit and vegetables a year

13-Aug-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/ecjr-ehw081318.php

JRCが最近発表した論文によると、EUの家庭では年間一人あたり35.3kgの生鮮野菜果物廃棄を出しそのうち14.2kgは避けられる。Waste Management

(国により割合も違う)

  • オメガ3指数の高いことと子どもの脳機能の良さに関連

Higher omega-3 index associated with better brain function in children

13-Aug-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/wom-hoi081318.php

Journal of Nutritional Biochemistryに発表された新しい研究は、2-6才の血中オメガ3濃度、特にDHAと脳機能の良さに強い関連を確立した。ガーナ北部の307人の子どもの乾燥血液スポット検体の脂肪酸含量を調べDimensional Change Card Sort 課題(DCCS)で脳機能を評価した。この集団の平均オメガ3指数(赤血球のEPADHAのレベル)は4.6%で2.3-11.7%の範囲であった。DCCSの指示に従えない子ども(50%)とできたこども(50%)の脂肪酸に有意差があった

(「オメガ3指数検査」という商品を販売するための広報。交絡要因が多数ありそうな途上国(たとえばhttps://www.ajinomoto.com/jp/activity/csr/pdf/ghana_project.pdf)でのかなり作為的な研究から先進国に検査を売りつけるhttps://omegaquant.com/。例によってドクター・オズ・ショーで取り上げられている。「学術論文」にはこういうのがたくさんある。これは宣伝がわかりやすい分マシな方。)

その他

  • グリホサートとがんの法廷闘争がエスカレートしようとしているが、もしこの除草剤が制限されたら農業にとっての影響は?

With glyphosate-cancer legal battles poised to escalate, what are the ramifications for agriculture if the herbicide is restricted?

Cameron English | Genetic Literacy Project | August 13, 2018

https://geneticliteracyproject.org/2018/08/13/with-glyphosate-cancer-legal-battles-poised-to-escalate-what-are-the-ramifications-for-agriculture-if-the-herbicide-is-restricted/

サンフランシスコでの判決を受けて、モンサントを訴えている側の弁護士と緊密な関係の反GMO団体Right to KnowのCarey Gillamは以下のような勝利宣言をしている:「世界中の公務員が企業の利益のためではなく公衆衛生を守るために対応すべき時だ。」そしてフランスのEmmanuel Macron大統領が禁止に動き、世界中の活動団体がこの判決をてこに禁止活動を活性化させている。

グリホサートがもし禁止あるいは制限されたらその影響は?

グリホサート耐性GE作物も使用できなくなるので影響は大きいだろう。農家が古い方法を用いることで食糧価格の上昇と環境への悪影響となるだろう。より毒性の高い除草剤の使用が増えるだろう。土を耕すことでCO2排出量が増え気候変動への影響も大きくなるだろう

(長い記事、略)

  • 現実の「私の中のあなた」シナリオ:オーストラリアの夫婦がきょうだいを救うため赤ちゃんに遺伝子操作をしたことでバックラッシュに直面

Real life My Sister's Keeper scenario: Aussie couple face backlash over baby genetically engineered to save brother

https://www.tvnz.co.nz/one-news/world/real-life-my-sisters-keeper-scenario-aussie-couple-face-backlash-over-baby-genetically-engineered-save-brother

5人の子どもをもち6人目を妊娠中のメルボルンのOlivia DensleyはWiscott Aldrich症候群の二人の子どもの骨髄移植のために妊娠中の子どもは遺伝子操作したという。この信じがたい話はJodi PicoultのベストセラーMy Sister's Keeper(「私の中のあなた」のタイトルで映画になっている)に似ている。家族はチャンネル9の60 Minutesに出演して話をした。しかし番組のフェイスブックに批判コメントが寄せられている。

(???)

Gamble of life: Making babies to save children

By Liz Little • 60 Minutes Digital Producer

8:56pm Aug 12, 2018

https://www.9news.com.au/2018/08/12/20/56/gamble-of-life-60-minutes-making-babies-save-children-densley-family

(番組のページからは体外受精で適合する胚を選んだだけのように見える。いくら何でも遺伝子組換え人間はないと思うのだがメディアが平気でそういう単語を使うのはあまりよろしくない)

  • がん検診:必要なものと必要でないもの

Cancer Screening: What You Need, What You Don't

by Health After 50

http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/cancer-screening-what-you-need-what-you-dont

がん検診の目標は目標は二つで前がん病変をみつけること、早期に見つけることである。しかし全ての検査が全ての人に勧められるわけではない−しばしば検査は良いことよりも悪いことのほうが多い

(以下USPSTFの紹介。検査の害の周知が増えた)

  • モンサントの製品が男性のがんと関連するという米国の司法判断への専門家の反応

SMC UK

expert reaction to US jury ruling that Monsanto product linked to man’s cancer

August 11, 2018

http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-us-jury-ruling-that-monsanto-product-linked-to-mans-cancer/

NorwichのSainsburyラボグループリーダーSophien Kamoun教授

残念ながらメディアはこの裁判の決定がグリホサートについての決定と同じだと報道している。実際にはもっと複雑で、裁判では製剤が議論されている。それは私の知る限りRound Upと Ranger Proである。我々科学者はたとえグリホサートが安全だとしても、Round Upと Ranger Proが安全だと結論するためのデータはほとんどないことを注記する必要があると思う。

Cambridge大学がん疫学教授Paul Pharoah教授

こうした法医学の裁判はいつも難しい、なぜならリスクや因果関係の概念が科学の意味と法的意味で違うからである。全ての根拠を評価することは非常に複雑である。

グリホサートとリンパ腫リスク増加の疫学的根拠は極めて薄弱で、さらにリスクがあったとしてもそれは小さく特定の個人がその暴露のせいでがんになった可能性が高いと結論できるほど大きくない。純粋に科学的見地からはこの判決には頷けない。

QMUL病理学名誉教授Colin Berry卿

多くの国の独立した規制機関による膨大な数のレビューがグリホサートの発がん性を支持する根拠はないことを発見している。

さらに非ホジキンリンパ腫は多くの異なる種類と遺伝的変異の多数の腫瘍を指す用語であり、単一メカニズムでは説明できない。そしてグリホサートはいずれにせよDNAを傷害しない。

  • モンサントがグリホサートがん裁判に負ける−専門家の反応

SMC NZ

Monsanto loses glyphosate cancer case – Expert Reaction

Published: 13 August 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/08/13/monsanto-lose-glyphosate-cancer-case-expert-reaction/

環境大臣Eugenie Sageが環境保護局(EPA)にラウンドアップを再評価が必要な有害物質リストに加えるかどうか検討することを求めると言った。彼女の対応はサンフランシスコの裁判所が、モンサントの除草剤を何年も使った結果リンパ腫になったと主張するグランド管理人に、がんと関連する警告をしなかったとして2億8900万米ドルを払うよう求めたことによる。モンサントは上訴する予定である。

SMCは専門家のコメントを集めた

オタゴ大学毒性学講師プログラムリーダーBelinda Cridge博士

裁判はIARCがグリホサートを「おそらくヒト発がん性」と再分類したことに基づく興味深いテストケースである。しかしIARCの知見の影響は広く議論されていて、ひとつは大企業の関与とIARCはリスク評価を行うのではないということである。つまりその化合物にどこでどのくらい接触するのかは考えない。しかしリスクを決めるにはそれが重要である。例えばIARCは赤肉もおそらく発がん性と分類している。

米国の裁判ではラウンドアップに使われている添加剤もがんの原因として相乗作用した可能性があると言っている。そのような混合物の毒性はまだ詳細にはわからない。つまり可能性はあるがいまのところ仮説であり証明されていない。裁判に関しては、原告にはグリホサートががんの原因であることを決定的に示す必要はなく、ありそうな寄与要因であるだけでいいというところが興味深い。モンサントはグリホサートが間違いなくがんの原因ではないと証明することはできない。どちらも証明できないが起訴の成功はIARCの分類を根拠として支払いを求める人たちを増やすだろう。

最後に全体を考えることが重要だろう。ラウンドアップは全ての雑草管理にとって安全な万能薬というわけではない。科学者は研究を続ける。しかし代用品は極めて魅力が無くヒトや環境により悪い。ラウンドアップは世界中で長い間広く使用されてきた。合理的な安全な使用歴があり、他のものに比べて環境影響が少ない。もちろん改良は必要だが、農家にとってはラウンドアップが現在入手できるより安全な選択肢のひとつである。

私の標準的助言は、必要のないとことには化学物質を使わない、使うならよく知って防護装備をすること。これは全ての化合物にあてはまる。

カンタベリー大学毒性学教授FRCPath、 Ian C Shaw FRSC

グリホサートは発がん物質?

IARCがグリホサートをおそらくヒト発がん性と分類した、私はこれは極めて合理的な結論だと思う。この分類でいくつかの国がグリホサートのレビューをした。その前まではグリホサートは安全と考えられていた。NZの反応は違った。NZ EPAはDr Wayne Templeを招いてIARCの評価とデータを検討した。結論はグリホサートは遺伝毒性も発がん性もありそうにない、だった。これをもとにNZはグリホサートを含む除草剤の規制状態の見直しはしないことを決めた。Temple博士は非遺伝毒性発がん性については考慮しなかったようだ。グリホサートが細胞の受容体(エストロゲン受容体)と相互作用できることを考えるとこれは驚きでこのため私はNZの決定は科学的厳密性に欠けると考える。米国の裁判所の判断はIARCの分類を受け容れた。裁判所の判断は可能性が51%でよいが科学者は普通はもっと大きな統計学的保障を要求する。私は米国の裁判の事例を根拠にして規制を決めるべきだとは思わないがグリホサートの発がん性の根拠はしっかりしていると思う。NZでの再評価を支持する。

オタゴ大学がん疫学者Brian Cox准教授

米国の判事は個人の非ホジキンリンパ腫の原因がグリホサートがどうかについては限られた根拠で十分であると考えた。この米国の一裁判事例で、まだ上訴もされていないのに、ニュージーランドの健康政策を決めるのは適切ではない。しかし監視をするのは適切だろう

Massey大学雑草科学上級講師Kerry Harrington博士

私は雑草の科学者で毒性学者ではないのでグリホサートの安全性の詳細についてコメントするのは適切ではない。しかし世界中の毒性学者のたくさんのレビューがグリホサートの安全性を確認しているということは言える。IARCが言うような発がん性があったとしても、それは保存された肉よりリスクの低い分類になるようだ。加工肉を禁止しろという激しい抗議はおこっていない。複雑な問題を一般の人に判断させる米国の裁判の結果でニュージーランドの規制が変わるのは懸念である。グリホサートは我々にとって主要な雑草管理手段である。グリホサートを禁止しろという要請は、リスクの低さと世界中の持続可能な雑草管理にとってこれがどれだけ重要かということを考慮することを望む。

(農業のイメージが「耕す」なので、不耕起で環境へのダメージを減らすのが理解されにくいのでは。)