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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2018-09-06

[]鶏肉および豚肉に存在する細菌における抗菌剤耐性の調査結果公表

Publication of survey of antimicrobial resistance in bacteria in chicken and pork

5 September 2018

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/publication-of-survey-of-antimicrobial-resistance-in-bacteria-in-chicken-and-pork

本日FSAは、英国内の店頭で販売されている生鮮豚挽き肉および生鮮ないしは冷凍鶏肉に存在する細菌における抗菌剤耐性(AMR)の獲得状況を調べた結果を公表した*。

これらの知見は、英国で小売されている食肉で検出される細菌におけるAMR出現率の水準やAMRの種類を把握するのに役立つ。

この調査は、食品の微生物学的安全性に関する諮問委員会(ACMSF)が設立した作業部会によって公的な報告が行われて以来続けられている。ACMSFは、FSAに対し、調査における疑問点に関してやフードチェーンにおけるAMRへの取り組みの可能性に関して助言を行っている。

人々がこれらの食品から抗菌剤耐性感染症を罹患するリスクは、鶏肉や豚肉が肉汁が透明になるまで完全に調理されている場合、非常に低い。このようにすると、抗菌剤耐性の細菌を含む食中毒を起こす可能性のある細菌は死滅する。

  • 英国の小売店で採取した鶏肉および豚肉試料から分離された細菌における抗菌剤耐性の調査研究

Surveillance Study of Antimicrobial Resistance in Bacteria Isolated from Chicken and Pork Sampled on Retail Sale in the United Kingdom

5 September 2018

https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/amrinchickenandporkfinrepjuly18_fs101196.pdf

英国のフードチェーンにおける抗菌剤耐性(AMR)の体系的なレビュー(2016)の結果、英国で製造される食品におけるAMR汚染実態のデータが不足していると結論付けられた。これを受けて、短期(2017年9月および10月の2ヵ月間)の横断的な調査が、英国で小売されている生鮮/冷凍鶏肉および生鮮豚挽き肉について実施された。

イングランド、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドの小売店から、生鶏肉339検体、生豚挽き肉342検体が集められた(国内産および輸入品を含む)。検出対象は、大腸菌(基質拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌を含む)、クレブシエラ属菌、さらに鶏肉ではカンピロバクター属菌、豚肉ではサルモネラ属菌であった。検出菌を分離し、カンピロバクター属菌を除き基本的に1つの分離株を選び、一連の抗菌剤について最小発育阻止濃度(MIC)を求めた。

豚挽き肉におけるサルモネラ属菌の検出率は1.5%(5/342件)であった。そのうちの4件はネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)であったが、これらは全てアンピシリンおよびテトラサイクリンに耐性で、スルファメトキサゾールへの感受性も減少していた。残り1件はSalmonella Derbyで、スルファメトキサゾールを除くすべての抗菌剤に感受性であった。どのサルモネラ属菌も、基質拡張型β-ラクタマーゼやAmpC型β-ラクタマーゼを産生する形質(ESBLおよびAmpC)は持っていなかった。

鶏肉におけるカンピロバクター属菌の検出率は25%(85/339件)であった。冷凍はカンピロバクター属菌の菌数に大きく影響することが知られており、この試験では冷凍鶏肉検体の全85件の内、34検体ではカンピロバクター属菌は検出されなかった。陽性だった79検体からCampylobacter jejuniを157株、Campylobacter coliを45株分離して試験した。残りの陽性6検体は試験中生育が認められなかった。C. coliのシプロフロキサシン耐性率は46.7%(21/45株)、エリスロマイシン耐性率は6.7%(3/45株)、テトラサイクリン耐性率は60%(27/45株)であった。C. jejuniのシプロフロキサシン耐性率は38.9%(61/157株)、エリスロマイシン耐性率は7.6%(12/157株)、テトラサイクリン耐性率は61.8%(97/157株)であった。全ての分離株がゲンタマイシンに感受性であったが、C. coliの1株はストレプトマイシンに耐性であった。多剤耐性率はC. coliで8.9%(4/45株)、C. jejuniで0.6%(1/157株)であった。C. jejuniが検出された66検体のうち、シプロフロキサシン耐性C. jejuni株が検出されたのは25検体(38%)、エリスロマイシン耐性株が検出されたのは6検体(9%)、テトラサイクリン耐性株が検出されたのは39検体(59%)であった。C. coliが検出された21検体のうち、シプロフロキサシン耐性C. coli株が検出されたのは8検体(38%)、エリスロマイシン耐性株が検出されたのは3検体(14%)、テトラサイクリン耐性株が検出されたのは11検体(52%)であった。

大腸菌の検出頻度は、鶏肉試料(165/339件; 49%)の方が豚挽き肉試料(35/342件; 10%)よりも高かった。シプロフロキサシン耐性率は鶏肉由来分離株で26%(34/131株)であったのに対し、豚肉由来分離株では13%(12/94株)であった。ナリジクス酸耐性率は鶏肉由来株で25%(33/131株)であったのに対し、豚肉由来株では3%(3/94株)であった。またゲンタマイシン耐性率は鶏肉由来株で7%(9/131株)であったのに対し、豚肉由来株では0%(0/94株)であった。一方、クロラムフェニコール耐性率は、鶏肉由来株で37%(48/131株)であったのに対し、豚肉由来株では72%(68/94株)であった。またテトラサイクリン耐性率は、鶏肉由来株で7%(9/131株)であったのに対し、豚肉由来株では23%(22/94株)であった。ESBL陽性(AmpCは陰性)大腸菌は、全検体のうち6.5%(44/681件)で検出され、豚肉では4.7%(16/342件)、鶏肉では8.3%(28/339件)であった。AmpCだけが陽性の大腸菌は、鶏肉で11.5%(33/339件)検出されたが、豚肉試料からは検出されなかった。ESBLとAmpCの両方が陽性の大腸菌は、鶏肉においてのみ検出された(1.8%; 6/339件)。AmpCの陽性・陰性にかかわらずESBLが陽性であった検体の出現率には、鶏肉(10%; 34/339件)と豚肉(4.7%; 16/342件)とで統計学的に有意差が認められた。ESBL産生大腸菌が陽性の鶏肉検体の割合は、英国での最近の他の調査と比べ、低下している(2013/2014年では65.4%、2016年では29.7%、今回10%)。

腸球菌の検出率は、鶏肉試料(53%; 180/339件)の方で豚挽き肉試料(30%; 103/342)よりも高値であった。それらの試料から298株を分離して抗菌剤耐性を調べたところ、耐性保持率は低く、3株(1%)のみがバンコマイシン耐性で、1株(0.3%)のみがテイコプラニン耐性であった。

大腸菌や腸球菌の場合とは対照的に、クレブシエラ属菌の検出率は豚挽き肉の方が高かった(鶏肉で6.5%; 22/339件であったのに対し37%; 127/342件)。クレブシエラ属菌は85株を分離し、抗菌剤耐性を調べたが、アンピシリン(もともとクレブシエラ属菌は耐性)を除く、試験したすべての抗菌剤で、大腸菌よりも耐性出現率は低かった。

この調査は、英国で小売されている鶏肉や豚挽き肉で検出される細菌におけるAMR出現率の水準やAMRの種類に関する情報を与える。FSAはこの情報を用いて、これらの食品中のAMR低減の進捗状況を監視し、英国のAMR戦略の状況を伝えることができる。この調査で得られたデータは、国内で年度を追って比較するための基本データセットとなり、また他の国のデータとの比較にも用いられる。また、将来行われるかもしれない介入の影響を監視する際にも、このデータが基準・指標となる。

抗菌剤耐性は、検討を行った全ての菌種である程度認められた。医療上最も重要な抗菌剤への耐性は、豚肉よりも鶏肉でより高率に検出された。しかし、これらの食品からAMRのある細菌に感染するリスクは、食品が衛生的に調理され取り扱われている限り、非常に低い。試料採取計画が市場での販売実態に合わせたものとされたため、英国以外の国で生産された肉の試料数が少なく、英国産肉と非英国産肉との間の相違を統計学的に分析することはできない。これは、今後の調査では考えるべき点かも知れない。

[]BPAについての最新情報: 作業部会は新しく行われた試験のレビューを始める

BPA update: working group to start reviewing new studies

4 September 2018

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/180904

科学専門家から成るEFSAの新しい作業部会が、食品接触物質のビスフェノールA (BPA)に関する最近の毒性データの評価を今月から開始する。

食品接触物質、酵素、香料および加工助剤に関するEFSAのパネル(CEPパネル)は、その際、食品中のBPAの有害性を再評価し、2015年から行われたEFSAの以前の完全リスク評価で暫定的に定められた安全量を検証する。この新しい評価は、2020年までに概要が示されることになっている。

EFSAは、BPAを食品接触材料に使用される化学物質として何回か評価してきた。2015年には、EFSAの専門家は、米国のBPAの毒性に関する学問的および規制上の見識に関連するコンソーシアム(CLARITY-BPAプロジェクト)によって新規に実施された試験の結果が入手可能になったのを受けて、この化学物質の毒性の再評価に取り組んだ。

EFSAの食品成分と包装に関する部署の責任者であるClaudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「我々がBPAに関する新しい作業部会の専門家に選出されたことが発表され、喜ばしく思っている。選出された専門家の任務は、EFSAの前回のBPA評価における情報収集打ち切り期限であった2012年以降に公表されたデータをレビューすることである。彼らは、この任務において、BPAの有害性評価のための科学的なプロトコルの支援を受ける。このプロトコルは、2017年にEFSAと国際的な専門家グループが完成させ、その後公的なワークショップにおいて検討されたものである。」

このプロトコルは、詳細な計画書であり、予め対象範囲、方法論、および評価を始める前に必要な情報を透明性をもって定義している。

利害関係者のフィードバックへの対応について

Claudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「最初のステップとして、専門家たちは、BPAの毒性に関する証拠を審査するためのEFSAの新しい方法論を試用し、前回の評価の後に出された重要で代表的な試験を選び出し、その結果を公表する。このことが、我々がこのプロトコルについてのパブリックコメント募集期間に受け取ったフィードバックへの直接的な対応となる。」

BPAに関する最近および今後の行程表

● 2015年: EFSAがBPAについての科学的意見を発表、暫定的な耐容一日摂取量を4 µg/kg体重とした

● 2017年: 次回のBPA評価に用いる科学的プロトコルに関するパブリックコメント募集およびワークショップ開設、結果の公表

● 2018年9月: CEPパネルの作業部会が任務に取り掛かる

● 2018年10月: データ提供の呼び掛け終了

● 2018〜2019年: 2013年以前の重要な試験に対してプロトコルを試用した結果の報告

● 2018〜2020年: BPAの毒性の再評価、BPAの有害性についての新たな評価

データの提出はまだ受け付けている

EFSAは、BPAの有害性評価のためのデータ募集を開始しており、締め切りは2018年10月15日である。2012年12月31日以降に公表されたBPAに関連する全ての新規試験およびデータをEFSAに亭主することができ、それらはBPAの安全性についての今後のレビューに組み入れられる可能性がある。

文献の選別、関連試験から抽出されるデータの採用と不採用は、やはり上述の科学的プロトコルに則って行われる。

国際的な側面

作業部会は、米国で実施されたCLARITY-BPAプログラムの結果の評価を行う。CLARITY-BPAの中心的な試験は2018年2月に公表されており、低用量のBPAによって生じる可能性がある健康への影響に関してCLARITY-BPAが行った学術試験の結果は2018年10月に公表が見込まれている。

Claudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「CLARITY-BPAプログラムに関わった専門家は、EFSAがこの9月に開く”科学、食品、社会”カンファレンスに参加し、その研究プログラム全体について発表を行ってくれる。これは我々がBPAに関する任務を行うにあたり、間違いなく有益である。

EFSAはまた、定期的に欧州化学物質庁(ECHA)と接触を持っている。ECHAがREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)法に基づいてBPAの同定と分類に関して行う任務は、EFSAの評価と二人三脚で続けられている。

You can find links to the working group’s terms of reference and the experts’ CVs and declarations of interest below: 作業部会に委任された権限および専門家の履歴、および利害関係の宣誓書は、以下のリンクから参照できる。

● BPAの有害性評価にあたるCEPパネルの作業部会

http://www.efsa.europa.eu/en/food-ingredients-and-packaging/working-groups

ビスフェノールA (BPA)の有害性評価プロトコル

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/171214

[]哺乳類への毒性の検討において繰り返し生じる一般的な問題に関する農薬ピアレビュー会議の結果

Outcome of the pesticides peer review meeting on general recurring issues in mammalian toxicology

First published in EFSA Supporting Publications: 4 September 2018

http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1485

EFSAが農薬の有効成分に関するピアレビューを行う中で、哺乳類への毒性の分野で、有効成分についての調和のとれたリスク評価を推進するために、国家機関の専門家による議論が必要と考えられるいくつかの局面が、EFSAや加盟国によって確認されている。

そうした議論が必要だと特定された主な問題は、製品の遺伝毒性、および定量的構造活性相関((Q)SARs)や類推法(read-across)の原則に関連している。これらの全ての問題が、2017年12月12〜14日に開催された農薬ピアレビュー総会の哺乳類への毒性に関する会議における一般セッションで協議された。

製品の遺伝毒性の評価、および(Q)SARsやread-acrossの使い方について、会議における議論や達した結論に基づいて、推奨事項がまとめられた。これらの推奨事項はEFSAが有効成分をピアレビューする際に適用され、また、申請者や報告担当加盟国に対し、提出文書や評価報告書を作成する際に、関連するガイダンス文書の科学的な解釈に関し、さらなる透明性をもたらすことが期待される。

[]ポリアミドオリゴマー類: 台所用品由来のプラスチック成分

Polyamide oligomers: plastic components from kitchenware

BfR Opinion No. 014/2018 of 30 May 2018

https://www.bfr.bund.de/cm/349/polyamide-oligomers-plastic-components-from-kitchenware.pdf

ポリアミド(PA)製台所用品は、焼く、炒めるなどの調理において広く使用されている。だが、この種のプラスチックの特定の成分は、台所用品から食品に移行することがあり、そのため健康問題を引き起こす可能性がある。これはドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が行った評価に基づく知見である。

BfRは、PA6型やPA66型のポリアミドから食品へ移行する環状オリゴマーによる健康リスクを評価した。PAオリゴマーは、カプロクタム(PA6由来)やアジピン酸/ヘキサメチレンジアミン(PA 66y来)などの分子がいくつか集まって作られた化合物である。この種のオリゴマーはプラスチックの硬化(重合)中に非意図的に生じる。分子が小さいため、プラスチックから放散して食品に移行することがある。

PAオリゴマー類に関する毒性試験データがないので、BfRの科学者はTTC概念を用いた。TTCは「毒性学的懸念の閾値(threshold of toxicological concern)」の略語である。この手法では、毒性学的情報が得られていない化学物質を、化学構造に基づいてCramerクラス(I〜III)に分類する。それぞれのクラスに対し、それより少なければ、属している化学物質が健康リスクを生じそうもないと考えられる最大一日摂取量が割り当てられている。この手法は、健康リスクに関する十分な情報が既にある化学物質の包括的データを活用することで成り立つ。

PAオリゴマーに発がん性の疑いは無い。そのため、TTC概念によると、環状PAオリゴマー類のそれぞれにおいて、一日当たり90 µg (0.09 mg)までの摂取では、健康リスクが生じる可能性は低い。だが、食品監視機関とBfRが行った研究から、環状PAオリゴマー類は、台所用品から食品に高濃度で移行する可能性が高いことが示された。

BfRは、毒性試験の十分な情報が入手できるようになるまで最終的なリスク評価はできないと結論付けた。そのため、製造者に対し、欧州食品安全機関(EFSA)の規約に沿った毒性データを収集し、それらをBfRに提出するよう呼び掛けている。

[]ペルフルオロオクタン酸(PFOA)およびペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の評価が改めて問われる

Perfluorooctanoic acid (PFOA) and perfluorooctane sulphonate (PFOS) put to the test

BfR Communication No. 027/2018 of 14 August 2018

https://www.bfr.bund.de/cm/349/perfluorooctanoic-acid-pfoa-and-perfluorooctane-sulphonate-pfos-put-to-the-test-communication.pdf

ペルおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、天然には存在せず、工業的に生成される化学物質である。これらの化学物質は、産業技術上特殊な性質を有しているため、多くの工業的工程や消費者製品の製造に使用されている。それぞれのPFASは、分子内に存在する炭素鎖長や官能基が他と異なっている。PFASは分解しにくいため、最近では、環境、食品チェーン、ヒトの体内など、あらゆるところで検出されている。長鎖化合物であるペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は、ペルフルオロアルキル酸(PFAAs)のサブグループの中で最も良く調べられている物質である。

ペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を食事から摂取した場合の消費者の健康リスクについては、現在欧州食品安全機関(EFSA)が再評価を行っている。評価対象とされた科学的試験の産業技術との関連性に関していくつか疑問が生じたため、BfRとその姉妹機関は、そうした特定の試験の解釈に関してEFSAと科学的情報交換を行うことを要請している。この作業が完了した時点で、BfRはPFOSとPFOAの再評価に関する意見を出す予定である。この再評価では、幼児を含む様々な年齢層が十分考慮されるであろう。

それまでBfRは、ドイツの国立母乳哺育委員会が策定した母乳哺育法の長所を提唱する(https://www.bfr.bund.de/de/grundsaetzliches_zum_stillen-10199.html)。

目下のところ、ペルフルオロ化合物に関して得られている知見に基づき、世界の科学委員会の中で、母乳哺育の制限を推奨しているところは皆無である(https://www.atsdr.cdc.gov/pfc/docs/pfas_clinician_fact_sheet_508.pdf)。

[]RASFF 2018年第35週

RASFF Week35-2018

警報通知(Alert Notifications)

韓国産ドイツ経由乾燥海藻に高含有量のヨウ素(4.995; 4.387 mg/kg)、オランダ産植物油にグリシジルエステル類(1370 µg/kg)、デンマーク産有機カモミールティーにピロリジジンアルカロイド(12541 µg/kg)、ベルギー産竹とトウモロコシの繊維で作ったボウルからのホルムアルデヒド(21 mg/kg)およびメラミン(3.79 mg/kg)の溶出、

注意喚起情報(information for attention)

イタリア産チルドマグロにヒスタミン(259 mg/kg)、スリランカ産チルドキハダマグロのヒスタミンが原因の食品由来アウトブレイク(1358; 1565; 1739 mg/kg)、チュニジア産生きているザリガニに水銀(0.63 mg/kg)、インド産の冷凍した小さなイカにカドミウム(1.53; 1.47 mg/kg)、イタリア産桃にクロルピリホス(0.26 mg/kg)、イタリア産ダークチョコレートでコーティングしたレーズンで亜硫酸塩非表示、インド産冷凍生サバにヒスタミン(171 mg/kg)、中国産竹製キャンプ用カップからのホルムアルデヒドの溶出(44.4 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

米国産オランダ経由食品サプリメントに未承認新規食品成分チア、

通関拒否通知(Border Rejections)

ベトナム産冷凍カツオにヒスタミン(466 mg/kg)、米国産アーモンドにアフラトキシン(B1 ≥ 24; Tot. ≥ 24 µg/kg)、イラン産殻付きピスタチオにアフラトキシン(B1 = 24 µg/kg)、中国産緑茶に未承認物質トルフェンピラド(2.1 mg/kg)、ベトナム産冷凍マカジキロインに水銀(1.4 mg/kg;1.4 mg/kg)、トルコ産レモンにクロルピリホス(0.484 mg/kg;0.468 mg/kg)および未承認物質ビフェニル(3.697 mg/kg)、モロッコ産生きたカタツムリにクロルピリホス(0.010 mg/kg) および未承認物質クロルフェナピル(0.038 mg/kg;0.225 mg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツにアフラトキシン(B1 = 7.3; Tot. = 8.2 µg/kg)、中国産緑茶にブプロフェジン(0.11 mg/kg)・アセタミプリド(0.18 mg/kg)・未承認物質トルフェンピラド(0.51 mg/kg)・トリアゾホス(0.068 mg/kg)およびジノテフラン(0.053 mg/kg)、米国産殻をとったアーモンドにアフラトキシン(B1 = 16.2 µg/kg)、

[]SCCS

学術雑誌への発表

Publication in Scientific Journals

https://ec.europa.eu/health/scientific_committees/scientific_journals_en#cat_cosmetic

化粧品中ヒドロキシアパタイト(ナノ)の意見改訂

Regulatory Toxicology and Pharmacology

Opinion of the scientific committee on consumer safety (SCCS) – Revision of the Opinion on hydroxyapatite (nano) in cosmetic products

Volume 98, October 2018, Pages 274-275

[]全国食品安全教育月間を「偉大なる手洗い法を一年中使おう」で開始

Kick off National Food Safety Education Month with Great Hand Washing Methods to Use All Year Long

Sep 04, 2018

https://www.usda.gov/media/blog/2018/09/04/kick-national-food-safety-education-month-great-hand-washing-methods-use-all

9月は全国食品安全教育月間

[]耐容上限についてのICMR報告に関する通知

Notice related to ICMR report on Tolerable Upper Limit. (Uploaded on: 05.09.2018)

https://fssai.gov.in/dam/jcr:dea75e89-92e2-47c3-83ec-42ec199e0f07/Notice_ICMR_Report_Tolerance_Upper_Limit_05_09_2018.pdf

ビタミンやミネラルのTUL(これ以上摂取すると有害影響が出る可能性があるという量)に関する報告

[]論文

  • 2型糖尿病予防のために最も重要な食品群のひとつが全粒穀物

Whole grains one of the most important food groups for preventing type 2 diabetes

5-Sep-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/cuot-woo090418.php

ライ麦でもオート麦でも小麦でも構わない、全粒穀物であれば2型糖尿病が予防できる。

デンマークのコホート研究データを用いた、The Journal of Nutritionに発表された研究。

  • DNAに基づく方法で食品中の微量のピーナッツを検出

DNA-based method detects trace amounts of peanut in foods

5-Sep-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/acs-dmd090518.php

Journal of Agricultural and Food Chemistry

ピーナッツの葉緑体の3つの短いDNA配列を検出するPCRアッセイで検出限界は約1 ppm

  • 妊娠中の魚油サプリメントは6才までの脂肪以外の体重と骨量増加に関連

Fish oil supplement in pregnancy is linked to increase in lean and bone mass by age 6 years

4-Sep-2018

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/b-fos083118.php

BMJに発表された大規模RCTの知見によると、妊娠後期に魚油サプリメントを使用することは子どもの最初の6年のBMIの高さに関連するが、脂肪量は増えていない。

736人のコペンハーゲンの妊娠女性に妊娠24週以降出産後1週まで魚油またはオリーブ油を与え、子どもは6才になるまで11回身長、体重、頭囲、胴囲を測定した。また3.5才と6才の時に二重エネルギーX線吸収法で体組成を評価した。6才の時のDXAスキャンで、魚油群は総重量395g、脂肪以外の重量280.7g、骨ミネラル含量10.3g、脂肪重量116.3g多かった。

(誤差範囲のような)

その他

  • ハーバライフのディストリビューターがイベントは誤魔化しだと主張

Herbalife distributors claim events were a sham

By Curt Anderson Associated Press August 21, 2018

https://www.bostonglobe.com/business/2018/08/21/herbalife-distributors-claim-events-were-sham/kBCaR20q6QgguLVYaadikN/story.html

ハーバライフのディストリビューターがハーバライフを相手に集団訴訟をする可能性というニュース。10万人以上になる可能性。ハーバライフの言うとおりに「成功者のサークル」に参加してあらゆるものを購入しなんでもやったが儲かるどころか10万ドル以上の損害を被った等の訴え

ハーバライフは10億ドルの集団訴訟の可能性に調停による解決を探る

Herbalife Seeks to Arbitrate Potential $1 Billion Class Action

August 21, 2018 ALEX

https://www.courthousenews.com/herbalife-seeks-to-arbitrate-potential-1-billion-class-action/

一方ハーバライフは裁判所以外での解決を探る

(健康食品を商材にしているマルチの人たちって金儲けのためのセールストークで普通の生活では病気になるだのといった嘘を言うんだよ。彼らのプロモーションは情報汚染、公害なんだけど)


  • オープンアクセス雑誌の編集者が、質の良くない論文を出版するよう圧力をかけられたとして辞任

Scienceニュース

Open-access journal editors resign after alleged pressure to publish mediocre papers

By Jop de VriezeSep. 4, 2018 ,

http://www.sciencemag.org/news/2018/09/open-access-editors-resign-after-alleged-pressure-publish-mediocre-papers

先月オープンアクセス雑誌Nutrientsの10人のシニア編集者全員が、出版社であるMultidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI)から質や重要性で劣る論文を受理するよう圧力をかけられたとして辞めた。

このような騒動は多くの商業オープンアクセス出版社では良くあることで、著者が出版費用を払うので(Nutrientsの場合約1800ドル)出版社はできるだけ多くの論文を出版したい。一方科学者は評判の良い雑誌を選んで出すことを好み編集委員は質を維持したい

MDPIは1996年に総説されたスイスバーゼルの出版社で213のオープンアクセス雑誌をもちそのうち27にはインパクトファクターが賦与されている。2014年にJeffrey Beallの搾取的出版社のリストに掲載されたが企業の抗議で削除され今はDirectory of Open Access Journalsに載っている。

辞任した編集長Jon BuckleyはNutrientsの評判をあげようと努力しインパクトファクターは2011年の1以下から2017年の4.2に増加しMDPIの最も有名な雑誌の一つになった。論文数も増加し2017年だけで1300である。しかしBuckleyによると質の低い論文の投稿も増え、却下率が55%程度から60-70%になった。MDPIの社長がこれに反対した。

  • 過激なオープンアクセス計画は雑誌の購読の終わりを告げる可能性

Natureニュース

Radical open-access plan could spell end to journal subscriptions

04 September 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-06178-7

欧州の11の研究資金提供団体が、全ての学術成果を出版後直ちに無料で読めるようにする「S計画」を発表

(出版社の反対にあうだろうと他人事のように書いているけどNatureが反対だろうに)

  • Googleが公開データの検索エンジンを発表

Natureニュース

Google unveils search engine for open data

05 September 2018

https://www.nature.com/articles/d41586-018-06201-x

Google Dataset Search

  • ニュージーランドにおける1080の使用−専門家のQ&A

NZ SMC

1080 use in NZ – Expert Q&A

Published: 05 September 2018

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/09/05/1080-use-in-nz-expert-qa/

ここ数週間害獣管理のための1080の使用と安全性についての議論が再燃している

NZでポッサムとラットをコントロールするのに使われている1080は、一部の人たちによるいわれのない非難の的であるが、科学者は最良の道具だと言う

オタゴ大学薬理学毒性学部Belinda Cridge博士

1080について人々が懸念し続けていることは何?

非標的動物への害と水の汚染である。良く言われるのは鳥や魚、鹿や豚の死亡であるが、どのくらいが1080によるのかについて議論がある。

1080は全ての動物種に毒性がある(毒性学者として、実際全てのものは十分な量暴露されれば毒性があるので1080が特異なわけではない)。しかしながら鳥や爬虫類は幾分か耐性があるようだ。一方ほ乳類には非常に毒性が高いので、アシカとコウモリを除く全てのほ乳類が移入されたものであるNZにとっては非常に重要なツールである。

もうひとつの懸念は水系に流出してヒトや野生生物に影響するのではないかということである。科学的には1080は速やかに分解され長く残存することはない

近年研究により新しくわかったことはあるか?

最近の研究のほとんどは1080代用品の開発にあてられていて1080の研究は進んでいない。1080を大規模に使っているのはNZのみで、それはNZに固有のほ乳類がほとんどいないという特徴のためである。従って我々のみが1080を害獣管理に使っている。世界中の科学雑誌に発表された1080についての論文は2014年からたった400報で、つまり約100報/年である

さらなる研究で解明されるだろう不確実な分野はあるか?

私自身の関心は1080の体内での解毒について知りたい、それが犬とケアオウムの感受性の高さを理解する鍵になるかもしれないので

オークランド大学保全生物学者James Russell准教授

1080はNZの害獣管理に主要な役割を果たしてきたか、他の選択肢は?

生物多様性のための害獣管理には生態系から害獣を排除する必要がある。伝統的には3つの方法があり、わな、毒素、生物コントロールである。致死的なものと非致死的なものがある。科学者はこれらをより精細に使うように研究している。遺伝子編集は殺さず絶滅を導く人道的で最も可能性のあるツールであるが住人の受容が必要である

新しいツールが利用できるまでどのくらいかかるか?

科学者やエンジニアは常に改良を試みている。完全に新規のものは相当な投資と規制認可が必要になるだろう。遺伝子編集はたとえ有効性が示されても10年以上はかかるだろう。それまで我々の野生生物は待てないので1080の散布は続くだろう

オタゴ大学生殖とゲノミクスの農業研究部長Neil Gemmell教授

将来の害獣管理にどんな遺伝的ツールが役立つか?それが使える時期は?

現状は1080がベストだが我々は常により良いものを探している。現在最も良く研究されているのは種特異的毒素だが何年もかかるだろう。「2050年までに捕食者のいない国に」目標を真剣に考え遺伝子工学をツールにしたいと思うなら、対話を加速しなければならない

(NZにとっては人間が最大の外来侵入種。1080は他のどんな農薬よりヒトへの毒性は高い。GM反対とか言ってる場合じゃないんだけどオーガニック信仰も強い)

  • クラトム茶で10代が脳傷害、と母親の訴訟が訴える

Kratom tea left teen with brain damage, mom's lawsuit claims

By Alexandria Hein | Fox News

http://www.foxnews.com/health/2018/09/05/kratom-tea-left-teen-with-brain-damage-moms-lawsuit-claims.html

19才の娘が3月に精神発作を患ったのはクラトムのせいだとフロリダの母親が訴えている

  • 福島核災害:日本が最初の放射線による労働者の死亡を確認

Fukushima nuclear disaster: Japan confirms first worker death from radiation

5 September 2018

https://www.bbc.co.uk/news/world-asia-45423575

(海外ニュース、ほとんどが労災認定を放射線が原因で肺がんになったと認めた、と報道をしている。「厚生労働省」の名前がいけないのかもしれないが。国内でも労災認定と健康被害の因果関係の認定の違いを明確に報道していないし。原因が明確に証明できなくても補償されたほうがいいのに、その制度を壊す気?)

  • インドはハーバードの教授がココナツオイルを「純粋に毒」と呼んだことについて取り下げをもとめる

India looking for statement retraction after Harvard professor calls coconut oil ‘pure poison’

By Joanna SlaterThe Washington Post

Wed., Sept. 5, 2018

https://www.thestar.com/news/world/2018/09/05/india-looking-for-statement-retraction-after-harvard-professor-calls-coconut-oil-pure-poison.html

ハーバード大学のKarin Michelsがこの夏ドイツ語で栄養について講義をしたとき、それがこんな国際問題になるなんて予想しなかっただろう。しかし彼女がココナツオイルを「純粋に毒」「食べられるものの中で最悪のものの一つ」と呼んだため、インドが抗議することを決めた。

Michelsのコメントはココナツオイルが日常的な食事の一部であるインドの、特に南部(ケララ州は「ココナツの木の国」という意味)から、怒りと不信の反応を引き起こした。インドの園芸部長B.N. Srinivasa Murthyは先週Harvard T.H. Chan School of Public Healthの学部長宛の文書でMichelsのコメントは「根拠が無く配慮に欠ける」と書いた。そして訂正と取り下げをもとめた。インタビューによるとMurthyはMichelsの講義を、先月バンコクで行われた18ヶ国の代表が集まるアジア太平洋ココナツ集会で知った

インドとMichelsのいざこざはより大きなココナツオイルを巡る争いの一部である。

2011年からココナツオイルは「スーパーフード」として流行し、根拠のないあらゆる健康効果を宣伝された。しかしココナツオイルには飽和脂肪が多い。昨年米国心臓協会はあまり摂らないように助言した

ケララの農業大臣は「我々の生きた経験からココナツオイルは毒ではない。ココナツなしにはケララは生活できない」という。

(少々気の毒ではあるが、強い主張には強い根拠が必要。「わかりやすく大げさに言う」、とこうなるんだな)

おまけ

この記事で全粒穀物が話題になっていたのをあわせて思い出したこと

「良い食品、悪い食品」という単純化は勧められない

wedge.ismedia.jp/articles/-/13855

小学生のための副読本、「大麦の話」

http://www.zenbakuren.or.jp/whatsbarley/index.html

という食育副読本があって、その中で大麦の効能を宣伝している。

小学生にコレステロール低下作用があるので食べましょうと宣伝することにも疑問だし子どもを対象にした研究はしていない。

さらにその同じ本の中で精麦について説明している。日本人は加工度の高いものを好むらしく、外国ではほとんど見られない白いきれいな大麦を売っている。その食物繊維を減らした製品をご飯に混ぜて麦ご飯として食べる、のを薦めている。

ところでこの副読本の中で「FDAが大麦について効果を認めた」という記述があるのだがそれには

https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2006-05-22/html/06-4703.htm

「全粒大麦を、1日量で最低3gのベータグルカン可溶性繊維を提供する量で」という前提条件がある。この条件は副読本には書いてない。

精麦と精白米の主な成分 (可食部100g中)

http://www.zenbakuren.or.jp/effect/index.html

によると水溶性繊維3gというと押麦50g相当、そしてこの押麦というのは加工度の少ないもの。多分給食のご飯に白い麦を混ぜた程度では摂れない。

実は全粒穀物にも定義があって

Draft Guidance for Industry and FDA Staff: Whole Grain Label Statements

https://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformation/ucm059088.htm

whole grainの定義

Cereal grains that consist of the intact, ground, cracked or flaked caryopsis, whose principal anatomical components - the starchy endosperm, germ and bran - are present in the same relative proportions as they exist in the intact caryopsis

つまり加工した時に繊維分を減らしたら全粒ではない。

「コレステロールを下げる」という効果を宣伝したいならこういう条件は必須なのだが。

もちろん食物繊維の摂取源とはなりうるし選択肢を拡げるという意味でも麦を食べることを薦めるのは構わないけれど、「コレステロールを下げる」はダメだと思う。

佐々木先生同様、中澤先生も言っている。

細部をないがしろにしてはいけない。もともと栄養研究はRCTではないので、「系統的レビューだから信頼性が高い」とは全く言えない。

書評:津川友介『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』東洋経済新報社

2018年5月18日 

http://minato.sip21c.org/bookreview/evidence-based-diet.html