木製4x5ピンホールカメラの製作


製作中の図

 半年程前に、大幅に(10年)期限の切れた4X5サイズのリバーサルフィルムをタダで50枚ほど入手した。どうにかしたいと思っていたのだが、大判カメラなど買えるわけもないので、そのうちピンホールカメラでも作ってとってみるか、思って放置すること半年。

 ほとんど忘れていたのだが、フィルムホルダーを入手することができたので、早速写真機の製作に取り掛かった。材料としては缶や印画紙の箱を元にすることも考えたものの、せっかくフィルムホルダーを使えるのであるから、ある程度しっかりしたものにしようと木を使うことにした。

 とはいえ、木工の経験など全くないので、道具も無い。市販の4x5ピンホールカメラであるゼロイメージ社の製品や、いくつかのサイトを参考に、木の大きさを考え、東急ハンズで断裁してもらった。精度の高い接着など出来るとは思えなかったのでできるだけ簡易なカメラを構想した。素材にはアガチスというものを選んだ。

 接着に使ったのは、スティック状の糊である。少しばかり紙ヤスリで削ったりしながら、切断済みの木材をペタペタと貼り合わせ、隙間をパテで埋め、重さのバランスをとり補強するために木片を内部に追加した。製作時間は一時間もかかっていない。とりあえず、現時点で出来上がったのがこんな感じである。焦点距離は四十ミリ。

 ホルダーと写真機本体は輪ゴムでくっつけるだけの構造である(ゼロイメージ社の4x5ピンホールカメラに倣った)。とはいえ、フィルムホルダーと木の間は何もなく、この状態では光線漏れする可能性が高いため横と下に遮光のために板をもう一枚張り合わせて、内部を黒く塗装して(とりあえず)完成の予定である。

 ここまでやってみての感想としては、張り合わせるだけなので意外と簡単である、ということ。もっと複雑な構造のものでも作れそうだ、ということである。

 というわけで、現在は一号機も完成していないし、ちゃんと写るか不明なのだが、すでにレンズを使える木製写真機第二号機の構想を練っているのである(レンズがないけど)。