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2007-06-04

[][]『モネ大回顧展』@東京国立新美術館 感想

mixi日記からの転載です】

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新しい環境のおかげで、アニメ視聴はおろかニュースサイトチェックさえままならない状態のため、ほぼ一ヶ月ぶりの更新となってしまいました・・・orz

このモネ展も3週間前に行ったのですが。雑事に追われてグズグズしている内に遅くなってしまいました・・・。やっぱイベント事の感想ってのはすぐ書かないとダメですね。

さて肝心の内容ですが、モネ好きの自分にとっては「素晴らしい」の一言でした。今回のモネ展は、今年2月に開館した東京国立新美術館(六本木)の開館記念でもあるのですが、よくもまああれだけ古今東西に散らばったモネ作品を集めたものです(協賛企業と東京都を介して一体どれだけのマネーが飛び交ったのか・・・なんて生臭い話は止めましょうw)

モネ作品後年の特徴として「連作」というものがあります。対象を限定し、光や大気の変化がどのように色彩へ影響を及ぼすのかを追求した彼独自の試みですが、今展でも連作は多く展示されていました。

特に印象に残ったのが、夏〜秋・冬を移ろいゆくフランスの農村風景を、光の微妙な加減と細やかな色彩変化で表現しきった「積みわら」3連作。正面に立っていると、麦畑の蒸せた匂いが伝わってくるようでした。この3点を直に観れただけでも、この展覧会に行った意味はありましたね。

通常、こうした連作が一同に会する機会は滅多にないため、本当に貴重な経験でした。

素人の私が言うのも何ですが、モネ自然における微妙な色調や光に対する感覚は実に類い希なものだと思います。加えて、日本画にヒントを得た細部を描き込まない平坦な画面利用や、近景・遠景対比といった大胆な構図が「眼の画家」たるモネの存在を一層際立たせています。

そして私も初めて気付いたことですが、モネ作品というのは写真で観るのと生で観るのとでは全く印象が異なります。点描を用いて描いているため、近寄ったり離れて観たりすることで色の感じ方も全然違いますしね。

このモネ展も7月2日まで開催されているので、興味のある方は是非一度立ち寄ってみてはいかがですか?絶対損はしないと思いますよ〜。


最後に、この展覧会で特に気に入った作品群を以下に挙げておきます。

日傘の女性」1887年

「コロンブの平原、霜」1873年

「ヴェトゥイユ」1879年

「かささぎ」1868-69年

マルタン岬から見たマントンの町」1884年

「ポール=ドモワの洞窟」1886年

「エプト川の釣り人」1889年

「舟遊び」1887年

「セーヌ川の朝、霧」1897年

「セーヌ川の朝(ジヴェルニーのセーヌ川支流)」1897年

黄昏、ヴェネツィア」1908年

ポプラ並木の下で、晴天」1887年

「積みわら」1885年

「ジヴェルニーの積みわら、夕日」1888-89年

「積みわら、夏の終わり、朝」1891年

ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔」1893年

「霧のルーアン大聖堂」1893-94年

「サン=ラザール駅」1877年

国会議事堂、日没」1904年

「睡蓮」1907年

2006-11-18

[][]大エルミタージュ美術館展東京都美術館

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行って来ましたー。個人的に、今年行った展覧会の中では若冲展と同じくらい堪能出来ました。上の絵は、ルートヴィヒ・クナウス画「野原の少女」(のポスター)。


ルネサンス期の聖母から始まり、ユトリロによる20世紀初頭のモンマルトルの風景に終わるこのエルミタージュ展のテーマは「都市と自然と人びと」。3つの章立てで構成されており、章毎の簡単な解説と、特に気になった作品一覧を以下にまとめてみました(参考:本展覧会図録)。

  • .家庭の情景

ヨーロッパにおける家庭・家族図の原点である聖母子・聖家族による宗教画に始まる。こうしたイメージはバロック時代から次第に世俗化され、より人びとに親しみやすいものとなっていった。

家庭の内外とそこに展開する様々な光景・出来事を描いた「風俗画」が成熟した、17世紀オランダ・18世紀フランスの画家たちの作品も多く取り上げられている。特に後者では、ロココ時代に家庭的な主題が多く用いられた。

中世キリスト教絵画の大半は、キリスト聖母の背景は金地で閉じられていたが、ルネサンス自然主義はこれを開放し、次第に風景画として成立していく。この章では、ロマン主義的な、画家の内面真理や思想を反映させた象徴的・理想的風景も多く取り上げられている。また、これとは対照的な写実的風景の黄金時代は17世紀のオランダ絵画に見ることが出来る。20世紀の風景画はリアリズムには囚われず、フォーヴィスム的な強く鮮やかな色彩を用いたものも多い。

    • 気になった作品
      • 「夏」(フランチェスコ・バッサーノ、1570年代)
      • 「森の中の小川」(ヤーコプ・ファン・ライスダール、1665-1670年頃)
      • 廃墟の中にいる洗濯女」(ユベール・ロベール、1760頃)
      • 「森の風景」(ジュール・デュプレ、1840年代初め)
      • 「ケニルワース城の廃墟」(ギヨーム・ヴァン・デル・ヘキト、1851年
      • 「野原の少女」(ルートヴィヒ・クナウス、1857年)
      • 「牧場の羊」(シャルル=エミール・ジャック、1867年)
      • 「セーヌ川でボートをこぐ」(フェルディナント・ハイルブート、1880年頃)
      • 「ジヴェルニーの干草」(クロード・モネ1886年
      • 「果実を持つ女[エウ・ハエレ・イア・オエ]」(ポール・ゴーギャン、1893年)
      • 「サン=トロペの小径」(アンリ・マンギャン1905年
      • 「農夫の妻[全身像]」(パブロ・ピカソ1908年
      • 汽車と荷船のある風景[貨物列車のある風景]」(ピエール・ボナール、1909年
      • 「ダン・ウォードの干草、アイルランド」(ロックウェル・ケント、1926-1927年
  • .都市の肖像

“都市の忠実な再現”の先駆となった17世紀オランダ絵画から、18世紀イタリアを中心に流行したヴェドゥータや近代絵画まで、「都市の肖像」と呼ぶに相応しいラインナップとなっている。客観的・地誌的な正確さに加えて、年中行事の楽しみや名所絵的な性格といった趣もある。

    • 気になった作品
      • 「夜の町」(アールト・ファン・デル・ネール、1660年頃)
      • 「エルベ川から見たピルナの風景」(ベルナルド・ベロット、1753-1755年頃)
      • 「ゼーガッセから見たドレスデンの旧市場」(ベルナルド・ベロット、1751-1752年頃)
      • 「都市風景」(シャルル・レイケルト、1856年)
      • 「ヴェネツィアの風景」(フェリックス・ジーム、1850年代)
      • 「ナポリ湾の花火」(オスヴァルト・アヘンバッハ、1875年)
      • 「エトワール広場から見たシャンゼリゼ風景」(エドモン=ジョルジュ・グランジャン、1878年)
      • 「海から見たヴェネツィアの眺め」(シャルル・コッテ、1896年頃)
      • 「リュクサンブール公園、ショパン記念碑」(アンリ・ルソー1909年
      • 「モンマルトルのキュスティン通り」(モーリス・ユトリロ、1909ー1910年

18世紀のヴェドゥータ(都市景観図)のように写実的に、あるいはクロード・ロランラインハルトの絵画のように理想的に、都市・農村に生きる人びとやその風景を描いた作品群により、中世〜近代におけるヨーロッパ都市文明と自然の共生の歴史を俯瞰出来たように思います。


また、今展ではマティスルソーによる同じ「リュクサンブール公園」を舞台にした作品がそれぞれ展示されていますが、出来映えは全く趣を異にしています。

五感を活かし風景を取り入れ、様々な思索を重ねたあげくキャンバスにアウトプットされる画家それぞれの『風景』。人の感じ方にも実に百人百色の差があるものだなあ、と改めて実感した次第です。


さらに今回新しく発見出来たのが『廃墟』の魅力。ユベール・ロベール画「廃墟の中にいる洗濯女」やギヨーム・ヴァン・デル・ヘキト画「ケニルワース城の廃墟」(写真下、図録より)が特に印象的でした。

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何というか、廃墟って歴史的なロマンが漂ってますよね。以下は、図録に載っていたウォルター・スコット著「ケニルワース」の一節。

「この堂々たる城では、いまやすべてが廃れてしまった。湖はイグサが繁茂する沼地にすぎず、巨大な城の遺跡は、かつての壮大さをしのばせ、黙想する訪問者に人間が所有するもののはかなさと、つましい生活に満ち足りている人たちの幸せを印象づける役目しか果たしていない」

こういうところに惹かれるあたり、つくづく歴史好きな自分を再認してしまいます(サガシリーズでも一番好きなのはサガフロ2だし・・・)w

2006-10-24

[][]ベルギー王立美術館展@国立西洋美術

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http://event.yomiuri.co.jp/royal/index.htm

日曜に行ってきました。内容としては、16・17世紀のフランドル派から近代の象徴派・シュールレアリズムに至るまで、ベルギーの美術史を一望できるものでした。


古典油彩の展示では、ヤーコプ・ヨルダーンス作「飲む王様」や、ピーテル・ブリューゲル〔子〕作「婚礼の踊り」などのように、フランドル絵画独特の繊細な描写と豊かな色彩で、庶民(農民)の生き様や当時の風俗などを味わうことが出来ました。他には、ジャック・ダルトワの「冬景色」は細かい筆遣いがとても綺麗でしたね。

聞けば、ブリューゲルやルーベンスに代表されるフランドル絵画は元々ベルギー発祥らしく、実際にそのボリュームと絵画的伝統溢れる作品群を目の当たりにして、さすが言うだけのことはあるなあ、と感じました。


一方の近代油彩では、うって変わって人間の内面を深く抉るような展示作が多くなっていました。デルヴォーやアンソールの作品、マグリットの「光の帝国」などはその代表格でしょう。

しかし一番気に入った作品は、エミール・クラウスの「陽光の降り注ぐ小道」でした。卓越した光の表現により、素朴な農村の風景と木漏れ日の温もりが伝わってくるようです。この人の名前は初めて知ったのですが、もっと色々調べてみようと思います。


また、常設展の方も久々に行ってきたのですが、やはり何度見ても飽きませんね。特に新館2〜1階は好きな作品ばかりなので、つい時間を忘れてしまいます。

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上の写真2枚は、常設展のお土産で買ってきた絵はがきです(上・・・ペーテル・パウル・ルーベンス作「眠る二人の子供」[1612 年]、下・・・ポール・シニャック作「サン=トロペの港」[1901年])。ルーベンスはベルギー展の方でも何点か展示されてましたね。

2006-09-23

[]弥生美術館・竹久夢二美術館に行っていきました

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http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

初めて行ってきました。写真は、1枚目が美術館正面、2枚目がお土産に買った竹久夢二のロールハンカチです。

夢二目当てだったのですが、ちょうど追悼展が開催されていた伊藤彦造や、高畠華宵(かしょう)らの作品も大いに堪能出来て、新しい発見の多かった一日でした。


伊藤彦造は大正末〜戦後の日本挿絵界で活躍し、「少年倶楽部」などの少年雑誌を中心に多くの作品を残しました。

http://hugo-sb.way-nifty.com/hugo_sb/2005/10/ito_hikozo_baf2.html

上のリンク先の画像を見てもらえれば分かると思いますが、とにかく線が細い!そして躍動感のある構図。

写真やビデオカメラというものがまだまだ一般的でなかった時代、これだけの作品を残せたというのは本当に凄いと思います。


高畠華宵は彦造と同時代に活躍し、日本的な要素と西洋的な要素の混じり合った、いわゆる大正ロマン色濃い女性像を多く描いた作家です。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/about/yayoi/collection.html

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特に、華宵の生涯で最も大作と呼ばれる「移りゆく姿」(上記写真、一部)は、当時の風俗資料としても素晴らしいものだと思います。

また、少年少女誌においても挿絵やカットなどを多く残しており、彼の描く少年絵は男性とも女性とも言えないどこか中性的な要素があります。そうした点にも、人を惹きつける妖しい魅力があるんじゃないでしょうか。

2006-08-30

[][]ペルシャ文明展@東京都美術館

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http://www.tobikan.jp/

http://www.asahi.com/persia/index.html

行ってきました。写真は、ペルセポリス遺跡・クセルクセス門のポストカード。

メインとなるのは古代イランにおいて最大級の版図を誇ったアケメネス朝ペルシャの展示物なのですが、紀元前4000〜3000年位のメソポタミア文明期〜アッシリア・四大国時代、あるいはアケメネス朝以降のパルティア・ササン朝の出土品も多く展示されており、古代イランの歴史の流れを一気に追うことが出来ました。

http://www.asahi.com/persia/intro/index2.html

アケメネス朝時代の出品では、上の「有翼ライオンの黄金のリュトン」など当時の栄華を体現するような華のある展示にも惹かれましたが、エチオピア人やソグド人などの地方民族が朝貢に来た姿が描かれた浮彫があったり、王族の彫像がギリシャ美術的性格を帯びるようになっていたりと、当時の国際性を強く感じることが出来ました。

強圧的な支配よりも各地域の文化・宗教を尊重するのは、今も昔も支配層が長生きする秘訣なのでしょうかねえ。

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