Hatena::ブログ(Diary)

映画は時代を映す鏡

2017-02-21

「サバイバルファミリー」

f:id:uramado59:20170221180632j:image:w360:rightウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖監督最新作。

電気消滅!
交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップしたら、どうなるか。
自分なら、やはり”そのうち戻るでしょう”と軽く考えてしまうのではないか。

父親小日向文世)は、自分の行動・判断に自信過剰。
おとなしい母親(深津絵里)は、ここぞの買い物に交渉力発揮。
娘は、学校は休校で、SNS返事しなくていい。
グループとつきあわなくて済む、とばかり。ラッキー!

何事もすぐに順応してしまう日本人。
老人パワーは、したたか。トンネル案内人たちのたくましさに笑いが。

笑って観ながらも最後は”自分の身に起こるかもしれない”と、考えさせてしまうあたりは監督の力量。

チケット料金分は十分に気楽に楽しめました。

2017-02-16

国立劇場2月文楽公演「平家女護島」

国立劇場開場50周年記念2月文楽公演は、近松門左衛門名作集。

「曾根崎心中」と「冥途の飛脚」は何度か鑑賞してきたので、今回は第一部「平家女護島(へいけにょごのしま)」を鑑賞。
平家物語」や能「俊寛」などでも取り上げられてきた近松晩年の時代物。

”鬼界が島に鬼はなく、
   鬼は都にありけるぞや”
  
前から2列目中央という席だったので、人形ぶりを真近で凝視できた。
この席では左右にある字幕ボードは見えないので、太夫の語りだけを真剣に聴くこともできた。

年齢を重ねたからこそ味わえる文楽の神髄を楽しみました。

f:id:uramado59:20170216135817j:image
国立劇場の庭には、大宰府天満宮から寄贈された梅が満開でした。

f:id:uramado59:20170216135711j:image
白梅や太夫が唸る無念の死

2017-02-05

2017年アカデミー賞 大胆予想

f:id:uramado59:20170205155225j:image:w360

WOWOW中継を毎年楽しみにしているアカデミー賞授賞式は2月26日(日曜日)。
このブログで毎年恒例の予想時期となったのだが、作品賞候補作9本で日本で公開された作品はゼロ。
前哨戦といわれるゴールデングローブ賞での作品賞は、「ムーンライト」と「ラ・ラ・ランド」(コメディ&ミュージカル部門)。
「ラ・ラ・ランド」は、予告編を見ただけでも、色彩感覚もカメラワークも、これは凄い!

主要6部門、私の予想は、

作品賞予想=「ラ・ラ・ランド」  

監督賞予想=デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」

主演男優賞予想=ライアン・ゴズリング「ラ・ラ・ランド」

主演女優賞予想=エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド」

助演男優賞予想=マハーシャラ・アリ「ムーンライト
    ゴールデングローブ賞は受賞を逃したのだが・・。

助演女優賞予想=ヴィオラ・デイヴィス「フェンシズ (原題)」
    こちらはゴールデングローブ賞を受賞した本命。

さて、今年の予想は、如何に?

2017-01-31

「マグニフィセント・セブン」

f:id:uramado59:20170131211821j:image:w360:right久々の正統派西部劇を楽しんだ。

黒澤明監督作「七人の侍」と西部劇リメイク「荒野の七人」。この傑作2本を再リメイク
タイトル原題は、リメイク版と同じ。
「トレーニング・ディ」のアントワン・フークア監督。

ガンマン7人は人種もさまざま、村人の女性も大活躍と、いかにも現代版。
だが銃撃戦は見事で、球数は往年の西部劇映画を超える。
こんな俳優が西部劇に!と思われたイ・ビョンホンも、カッコいい。
エンディングには「荒野の七人」の音楽で、往年のファンを泣かせた。

七人の侍」も「荒野の七人」もリアルタイムで観た。
‌2本ともお気に入りの映画だけに、このリメイク版も歓迎。

2017-01-09

「聖杯たちの騎士」

f:id:uramado59:20170114181434j:image:right現役の映画監督のなかで一番好きな監督は、テレンス・マリック

どれほど好きかと問われれば、ブログを書き始めて12年。
毎年恒例の「私が選んだベスト映画10本」で、ベストテン第1位に選んだ作品のうちテレンス・マリック監督作が2本もある。
2011年ベストテン第1位が、「ツリー・オブ・ライフ」 
http://d.hatena.ne.jp/uramado59/20110812/p1 
2006年ベストテン第1位が、「ニュー・ワールド
http://d.hatena.ne.jp/uramado59/20060429/1146309862

そう、この2作で書いたように、
”神々しいまでの詩的で美しい映像美”を観ている”自分自身が映像に溶け込んでゆきながら、深い感銘を受ける”という映画なのだ。
常に変わらぬスタイルが大きな魅力。

こうした監督の「感性」に観客の誰もが溶け込むとも思えないし、感動的なストーリーこそ映画の命と思っている映画ファンには物足りないだろう。
従って監督作を強引に勧めたくないのだが、この監督の「感性」が私は好きだ!

監督の最新作「聖杯たちの騎士」も変わらぬ作風。
男と女、父と子、兄と弟が断片的にシーンを繋ぐが、ストーリー展開に一切説明はない。
監督自身の自伝的スケッチなのだろうか。
主人公の潜めた肉声が続き、夢のような静かに動くカメラワーク。
これまでの監督作より、説明やセリフがさらに少なく、まるで現代アート映像作品のようだ。
何の制約もなく監督が100%自由にイメージを創ることができた個人映画とさえいえようか。

出演者は豪華。
クリスチャン・ベールケイト・ブランシェットナタリー・ポートマン・・
有名俳優たちが監督作に出演を願っているらしい。

過去の自分から呪縛をを解いて「始めよう」のひとことで映画は終わる。
監督は同時並行でもう1本製作中という。
さて、何を「始めよう」とするのか、興味深々である。

f:id:uramado59:20170114182441j:image