Hatena::ブログ(Diary)

ドラクロワ&キュクレイン

2018-04-24

さくら

23:58

『スペースインベーダー』

ああっ!

あれは!

あれはいったい

なんだろうな?

おそらにうかぶ──

ぷかぷかうかぶ

それはなぞ。

とりだ!

ひこうきだ!

ううんっ、あれはもしかして──

さくらは

聞いたことがあるの。

くものおおう

うすぐらいそら。

かみなりが

なりだし

はげしい雨がふる。

すると

むぎばたけに

あやしいあとをのこし

うしさんとか

ひとを

さらっていく。

さて

つれていかれて

どうなるのか

だれもしらないの。

なぜって

ひとりももどってこないから……

やつは

なんまんこうねん

ほしのはるかかなた

とおいうちゅうの

ぎんいろの

きらめくえんばん。

おそろしい

そらをとぶもの。

うちゅうじんの

のりもの

そのなは

ゆうほう!

ごほん。

おほん。

ゆうふぉう!

そうなの。

ゆうえふ

おう。

と、むかしの人は

いいました。

さいきんの

あついあつい

あかるいなつのはじまりのそらに

ひさしぶりの雨は

かだんのお花がゆれてよろこんだの。

みずたまが

はっぱをあるく。

つちのいろがかわり

すなぼこりが

さくらの目をなかせないかだん。

よくしめったから

あしたは、どろあそびができるね!

めでたしめでたし。

ところが

このあめは

うちゅうじんがつれてきたのかも

しれないの!

見て!

あれっ

くもりでよく見えない?

じゃあ、さくらといっしょに

かさをさして

見にいこうね。

わーい!

お兄ちゃんと見にいこう!

ほら!

とおく

かすかに見えるのが

はいいろのそらに

あるでしょう!

見なれないもの……

わかった?

ゆらゆらゆれている。

おもしろそうにおよぐ

あれはなんだ?

しらないな!

こわーい!

なんちゃって。

えへ。

お兄ちゃんは

しってるかな!

しってるかな?

なぞと

ひみつと

ロマンが

ぷかぷか

とんでいる。

おとこのこがすきなのは

なぞ?

ひみつ?

りっぱにおよぐ

こいのぼり

こいって……

おそらまでかけあがるんだって。

おーい!

とぶの?

おおきいねえ。

お兄ちゃんがさくらと見にきてくれたから

うれしいな!

じゃあ

手をつないでかえろうね。

おそらをいつも

とんでるものがあるの。

こいのぼりは

おとこのこをまもっているんだって。

こどものさくらをまもっているのは

お兄ちゃんね!

うちゅうじんにさらわれたら

おしえてあげよう。

うちゅうじんさん、

さくらにはお兄ちゃんがいます。

でも、さくらは

うちゅうじんがきても

こいのぼりがきても

さらわれないもんね!

お兄ちゃんがいるから

まごいや

ひごいと

おもしろそうにおそらをとばないさくらが

ぶんぶんうでをふるよ。

よろこんでいるよ!

2018-04-18

立夏

00:02

『涙の後は』

うわ

うわ

うわわーん!

くすんくすん……

目じりの涙を拭うより

そのぶん思いっきり声を出し

リッカが泣いている。

だから部屋の湿度は上がって

水溜りがそこらじゅうにできて

家の中でも傘を差し

部屋から部屋へ移動するときは船に乗り

涙の海を渡っていく

おうち。

大声は距離を越えて届き

遠くの山で畑にいる人、

きのこを見つけた人、

家を暖める薪を探す人、

草むらに伏せて狩りをしている人が

西の山を染めはじめた夕焼けに気付くよりも早く

リッカの声を耳にして

ああ、またまた天使家の団欒が始まった、

家に帰る時間が来たんだなと

待っている家族たちの顔を思うの。

そんな声を出すものだから

おうちの屋根からほこりが落ちて

ねずみがぱたぱた倒れる音が

女の子の泣き声の合間に届く。

部屋の隅をよろけながら逃げようとする長い足のクモ、

列を乱してふらふら必死で逃げ散るアリの群れ。

コンクリートにヒビが走って

地面に広がる亀裂が

クモの巣みたいな模様を描いた。

月が軌道を変えて落ちてきて

リッカが泣いたら世界が終わる!

わーん、ごめんね!

すぐ元気になって立ち直らなきゃ。

せっかくできたお友達と話ができるのが

楽しくて楽しくて

もー知らないことばっかりで

夢中になりすぎたリッカも悪いの。

明日こそは必ずって約束をしたのに

お手伝いをする気がないとしか思えないほど帰りが遅いリッカは

氷柱ちゃんが玄関で怖い顔をして

仁王立ちをしているのを見ると

ごめんなさーい!

と、まわりを水たまりに変えるの。

悪い子だってわかっているから

リッカは泣いている。

氷柱ちゃんも傘をさして困り顔。

リッカがあんな顔をさせてしまった。

オニーチャンは……

悪い立夏をしかるの?

氷柱ちゃんはたるんでいてはいけない、

怒られてもいいから厳しくするんだって言ってた。

つ……氷柱ちゃんを……

叱っちゃうの?

ううんっ!

聞いて!

リッカは反省するよ!

反省の証拠におやつ抜きとかは……できないけど

そろそろ気を引き締めて

しっかりしないといけないなって

氷柱ちゃんに言われなくても

考えていたんだもん!

ほんとほんと。

悲しくなるのは仕方がないから

泣いて泣いて泣いて泣いて

自分の体重より多い涙を流して

泣いた後の立ち直りが

誰より一番早いってことは

オニーチャンもみんなもよく知っていることだ!

というわけだから、

う、う、

わわーん!

まだもうちょっと泣き足りない気がするから

うるさいかもだけど……

明日の立夏を信じて今だけは見逃してあげてください!

2018-04-17

氷柱

00:08

『雨音の国』

春休みが終わって

新しい生活にも慣れ始め

そろそろ五月の連休の話題がちらほら聞こえる頃

昨日からの曇り空と冷たい風は

ついに私たちの街に久しぶりの雨を運んできたわ。

いろいろ忙しいことがあって

それが次第と楽しくなり

いいお天気につられる気分のおかげで

日々順調な出来事が続いているように思えるから

知らず知らずのうちに

夢中になって汗をかいて──

気がつかない疲れが溜まる頃だと思うのよね。

不安で一杯だった

新しい教室の一日目と

緊張しっぱなしでも自分なりにやるだけのことはやって

そんなに悪い思い出にはならなかった自己紹介なんかの

ギャップがいけないんだわ。

友達作りが簡単なことではないと知っていても

勇気を出して声をかけるだけでもと挑戦したら

みんなが緊張して不安だったことがわかったりして

顔を見合わせて安心するし──

この瞬間の肩の力の抜け方が

新生活の落とし穴なのよ。

急に距離が縮まったような気がしてしまう。

だからつい

放課後もなるべくなら話をしたいと思って

ファミレス、

ファストフード、

小物のお店、

本屋さん、

少し気分じゃなくても

まあいいかと思うから

ああっ

普段しない寄り道のせいで

お財布の中身が!?

ということもあると

私も友人からの相談で学んでいるから

きっと妹たちも大変になる頃だろうと気を引き締めているのよ。

あなたも妹に頼られたときのために

浮かれがちな季節ほど気をつけるように。

そんなわけでそろそろ

生活を見直し

改める時間が迫っている。

この雨はちょうどいいわ。

ついでにもうひとつ

お姉ちゃんから怒られて家の用事をするんだって理由をあげたら

さっさと帰ってきてくれる。

暇をもてあましたら本当に手伝いもしてくれるかもしれない。

雨っていいわね。

私の小さな妹たちが慕っているお兄ちゃんは

みんなの帰りが遅くなってもおろおろしたりさみしそうな顔をしたりするだけで

怒ったりなんてできないんですから。

まあ、みんなにきつく言うのは私だけで充分かもしれないし

あの人が怒ったりする姿を見せる人は

ふだんからあんまりかわいくない子が

調子に乗りすぎたくらいででいいのかもしれないし……

それにしても、春のせいで家族が浮かれすぎている気がして

私、ちょっと口うるさくなりすぎているような気もする。

誰かに怒られても仕方ないのかもしれないわ。

でも、そんなことができる人じゃないか。

外で遊べない子たちがいるから

今日は早くから家の中がにぎやか。

きっと布団に入ってしまうのも早いと思うわ。

久しぶりに静かな夜更けが訪れたら

私の小さな妹たちは雨音の中で何を思うんだろう。

季節のせいで誰も落ち込んだりはしないかも、という

やけに自信を持って言える予感があるのはいいことなのかしら。

2018-04-15

春風

00:14

『ねがいごと』

なぜか……

昨日から

カレーライスとおにぎりを作りたくなってしまったんです。

不思議でしょう?

あんまり合う組み合わせではないと思うんだけど。

もちろん、なぜかというかとぼけてしまいましたが

霙お姉ちゃんの食欲が原因です。

食べ盛りなのかしら──

おまけに立夏ちゃんのお好み焼きのリクエストや

星花ちゃんのたこ焼き希望の声など──

どこかでお祭りでもあったのでしょうか。

吹雪ちゃんも顔を上げて

おにぎりなら持ちやすくて良いと言うの。

かわいいちっちゃな手でこぼさないようにつかむおにぎり。

なるほど──たくさん食べられそうです。

でも、持ちやすさと引き換えに

よそ見をしながらの食事がしやすくなってしまうのが問題ですね。

家の中ではお花見と違って

多少のお行儀の悪さは見逃していられないですから。

まったくみんなもう、食べることにはわがままですね。

それなら妹たくさんの経験が豊富でなんでも受け止める

包容力自慢の春風にお任せください!

順番ですねと言い聞かせて

まずはいちばん得意なカレーライスからとなります。

魔法のようにあめ色に変わるまで炒めた玉ねぎ、

ぐつぐつと音を立てる鍋を踊るおたまのステップが

円を描いて

まるで誰かとワルツを踊っているよう。

お鍋の中に恋が生まれたのかも?

欲張りな霙ちゃんのもうひとつの願いはかなえてあげられないけれど

そのくらいならきっと自分で何とかすると思います。

春風も欲張りだから気持ちは良くわかるの。

どうしても、不器用だと知っていても

挑戦しないではいられなくなるときがあるんです。

たとえば──子供の頃から信じていた王子様が

ついに現れるという幸運な日を迎えて

それからさらに結ばれたいとか

いつまでも一緒に暮らしたい、

たとえどんなことが未来にあっても

愛しさに胸が締め付けられて涙が出てもあなたといたいと願ってしまう。

悲しい予想も、つらい悩みも

ひとつも止める理由にならない思いがあるということ。

どうして昔の人は欲張りすぎると

罰が当たるなんて言ったのでしょう?

恋する気持ちを知らない人なんてあるわけがないのに……

でも、いけないと叱るのはそういうことをしてしまうのを

抑えるためだから……

はっ!

まさか昔の人は

春風の無限大の欲張りをさらにさらに大きく超えていってしまうから

こうして誰かが止めないといけなかったのでは?

昔の人はすごいです。

欲張ってきりがないのは春風が一番だなんて決めてしまって恥ずかしい──

まだまだこれからだったんですね!

今日は自慢の得意料理のカレーライスを

おいしく食べてもらうことが大きな望み。

霙お姉ちゃんは宇宙もその向こうへも羽ばたいていこうとするはてしない希望を

広げていくようなことを言いますが

春風の今日も誰にも負けない宇宙をどこまでも満たしていこうと広がる願いは

おいしいとよく褒めてもらえるカレーライスを

いつも以上の愛情レシピで作ってみたので

また喜んで食べてもらうこと!

みんなの笑顔を思い出しながら

明日もその先の未来も

やっぱりみんなのうれしそうな顔を見るために

続けていきたい春風の野望は

宇宙がどれだけ大きくても収まりきれないと自信を持っています。

これからますます大きな夢になっていくことも100パーセント確実。

天文学的な規模を超えた愛は確かにあるのだと

あなたにもカンタンにわかってもらえるはずです。

2018-04-14

00:07

言霊

カレーライスが好きだ。

美しい桜の花が好きだ。

さあ、歓喜の地が私たちを呼んでいる。

などと言葉にしていれば

それを聞いた春風が

たまたま晩ご飯の献立を考えている途中かもしれないし

桜の花もいつまでも咲き続けて散らないかもしれない。

しかし言葉にしていると

だんだん……

カレーライスにつられたら

桜の花びらに包まれる妖艶な景色の

ほのかな香りが楽しみにくくなってしまうこともありそうな

心配がちらほらと湧き上がってくる。

ここは──おにぎりがいいのだろうか。

なるほど、持ち歩きやすく食べやすく

いっさい桜の鑑賞を阻害することのないお弁当に

おにぎりを選ぶのは理にかなっている。

今年の春も──

おにぎりを食べたな。

また花を見て食べるときが来るのだろうか。

うめぼしのおにぎり。

おかかのおにぎり。

味噌味の焼きおにぎりも──よいものだ。

では今日は

おにぎりが好きだと言って歩こうかな。

うーん、だがそれでは

カレーライスが好きな気持ちをごまかすことにならないか。

いつも一番に好きなものを

好きだと言い続ける事で

運命は変わり──

神か天使か精霊か、私たちの周りにある力を持つものたちは

春風が献立を考えるのと同じ調子で

宇宙の仕組みを守り続ける光を放つ途中に

うっかり永遠に咲く花を作り出して

近くに置いてくれる奇跡も

長い宇宙の寿命が来るまでには

誰かのところに起こるかもしれないじゃないか。

うん、ありえる。

まちがいなくどこかであるはずだ。

やがて終わりを迎えるこの宇宙でなければ

次の宇宙、

そのまた次の宇宙、

終末を両手に受け入れて塵と消えた私たちが

幾度か、もしもあったらいいなと望んだ未来を

どこかで歯車が噛み合った果ての偶然が引き起こすのならば

私の言葉が運命の歯車のひとつとなったと考えても──

罰は当たらないかも、

当たらないといいな、

そもそも、もう罰を当てる私は快楽を尽くして消えているのだ。

だから、よし!

どこかの宇宙で起こる素晴らしい出来事に

私の言葉が干渉するはずだ、

間違いなくその瞬間は訪れるのだと

ここで宣言しよう。

正しいか間違っているかまで責任を取ることではないからいいんだ。

もう葉桜の緑が目立ち

まもなく青葉がまぶしい季節が巡ってくる。

そう、私は昔も今も変わりなく

この移り変わる景色をオマエといる毎日が好きだ。

うれしいな──

今日もオマエと一緒に

騒がしい家の中にいる。

この日々が好きだ、

永遠に続いて欲しいと

口にしたら──

どこかで聞いた誰かがうっかり間違えて

遠い知らない宇宙の片隅に

こんなに楽しい場所をもうひとつ

作ってしまって

そこで私たちはまた幸せに生活を続けるのかな。

フフ──そのためにまず

毎日の好きを言葉にする訓練で

おにぎりかカレーライスを決めなくては

少なくとも、晩ご飯には間に合わなくなってしまう。

自分の胸に問い

時には人生を振り返って

つかみとる未来を

早く決めたいとあせる気持ち──

難しいものだな。

いつも好きを伝え続けるとは。

せめて一番好きな弟には

眠る前でも欠かさず

愛していると伝えて忘れずにハグもしてみるとしよう。